通信教育部情報理工学部では、情報技術を核として社会にある問題を発見・分析し、新たな知見を得ることや情報システム開発を行うことにより、人間の持つ様々な機 能を拡張し、人に優しい社会を目指すことのできる人材の養成を教育研究上の目的とす る。
本学科の養成する人材像に基づき、本学科では次のとおり卒業認定・学位授与の方針 (ディプロマ・ポリシー)を定める。
卒業要件を充足し、以下の能力を身につけた者に、学士(情報理工学) の学位を授与する。
A.知識・理解
・社会での活躍に向けた教養と基礎知識を身につけている。
・これからの社会で必要とされる情報技術に基づいた「人間機能の拡張」の実現に向けて、これらの分野に関する基礎的な知識を身につけた上で、いずれかの科目区分に関連する知識を身につけている。
①コンピュータサイエンス:数学、情報科学、コンピュータネットワーク技術の知識
②AI・データサイエンス:機械学習、AI プログラミング、データ処理技術の知識
③デジタルゲーム・メディア:デジタルゲームやメディア制作の技能、メディア工学 の知識
B.思考・判断・表現
・情報技術と社会との関わりについて情報を収集し、整理し、他者に説明することができる。
・情報技術に関する知識や教養をもとに問題を発見及び分析し、その解決策を提案できる。
C.関心・意欲・態度
・情報社会や様々な身近な機器に対し関心をもち、社会に貢献するための主体性や協調性を身につけている。
・社会にある様々な問題解決に関心をもち、技術者としての視野を身につけている。
D.技能
・自ら課題を設定し、計画的に解決することができる。
・社会人として自分の考えを分かりやすく伝えることができる。
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマポリシー)の達成のために、教育課程を基盤教育科目、専門教育科目の2本の柱を軸として教育課程を編成し、実施する。
1.基盤教育科目
社会で活躍する能力を深めるために「ライフ・キャリアデザイン系」「人間・社会科学系」「科学技術系」「外国語系」の系列科目群を設置する。
2.専門教育科目
基礎・共通科目
・1年次に基礎・共通科目として、情報理工学の基礎的な知識・技能を習得するための「数学基礎科目」「情報基礎科目」を配置する。
3つの科目区分で学ぶ専門教育
・1~4年次に情報理工学の専門的な知識・技能を習得するための科目を、3つの科目区分に分けて配置する。
コンピュータサイエンス科目
情報理工学の中心技術である情報科学とコンピュータネットワーク技術の基礎を学ぶ 「コンピュータサイエンス科目」を配置する。これらは「数理ユニット」「情報セキュリティユニット」「コンピュータシステムユニット」で構成する。
(ⅰ)「数理ユニット」
情報科学の理論的基盤となる現代数学(解析学、幾何学、代数学、確率論)の概念的 基本的な枠組みと情報科学への応用を学ぶための科目を配置する。これらは講義形式で実施する。
(ⅱ)「情報セキュリティユニット」
現代のインターネット技術を基礎として情報通信におけるセキュリティの基本的な考え方と技術を学ぶための科目を配置する。これらは講義または演習形式で実施する。
(ⅲ)「コンピュータシステムユニット」
現代のインターネット技術を支えている情報処理システム、及び関連したソフトウエ アの知識、技術を学ぶための科目を配置する。これらは講義または演習形式で実施する。
AI・データサイエンス科目
データを大量に集積し人間の認知力・判断力を高め拡張するため、機械学習、AIプログ ラミング技術及びデータ処理技術を学ぶ「AI・データサイエンス科目」を配置する。これらは「AI ユニット」「データサイエンスユニット」で構成する。
(ⅰ)「AI ユニット」
機械学習、自然言語処理など現在の AI 関連技術の知識、プログラミング技術、実践 的なデータ処理への応用を学ぶための科目を配置する。これらは講義または演習形式で 実施する。
(ⅱ)「データサイエンスユニット」
大規模なデータ処理の基本となるアルゴリズム、データベースシステム、コンピュー タシステムの知識、プログラミング技術について学ぶ科目を配置する。これらは講義ま たは演習形式で実施する。
デジタルゲーム・メディア科目
ゲーム制作のプロセスを通じて現実から本質をなす要素の抽出とシミュレーションによる再構成、及び人間の感覚の基礎を学び、XR(仮想現実、拡張現実、複合現実)を通じた 人間の経験の範囲の拡張について学ぶ「デジタルゲーム・メディア科目」を配置する。これらは「デジタルゲームユニット」「メディアユニット」で構成する。
(ⅰ)「デジタルゲームユニット」
ゲーム制作を主な題材とし、ゲーミフィケーションの考え方を軸にして、身体の延長 としての機械と人間の親和性や表現手段としての XR について学ぶための科目を配置する。
これらは講義または演習形式で実施する。
(ⅱ)「メディアユニット」
映像・音響表現と人間の感覚の関係を学び、人間の体験や経験の拡張を支援する機器 の応用について学ぶための科目を配置する。これらは講義または演習形式で実施する。
共通科目
4 年次に 4 年間で学んだ知識・技能を総合し卒業研究に相当する演習科目として「情報 理工学セミナー1」「情報理工学セミナー2」を配置する。
演習を通して思考・判断・表 現力を養成するとともに、社会における情報理工学の果たす役割への理解、情報理工学の利点を生かした自身のキャリアパスに対する関心と意欲を涵養する。