これからの展示コミュニケーション
講座(オンラン開催)
2021年度の展示論講座では「これからの展示コミュニケーション」をテーマに、リアルスペースでの体験展示を牽引してきた方、コミュニケーション心理の研究者、徹底的に資料を分析し複製する制作者、DX時代の新たな手法に挑戦している方など、多様なコミュニケーションの在り方を探る機会として講座を開催します。
これからの展示コミュニケーション
講座(オンラン開催)
2021年度の展示論講座では「これからの展示コミュニケーション」をテーマに、リアルスペースでの体験展示を牽引してきた方、コミュニケーション心理の研究者、徹底的に資料を分析し複製する制作者、DX時代の新たな手法に挑戦している方など、多様なコミュニケーションの在り方を探る機会として講座を開催します。
可児光生 氏
美濃加茂市民ミュージアム
展示品には、顕在するモノ情報があり、その奥に内在する「ヒト」情報と「コト」情報がある。モノに込められた思いや記憶、モノの関わる記録や研究資料などである。それらを通して観覧者は思索を深め、イメージを築き上げていく。さらに展示品には、元の所在地、歴史の舞台といった「現地」、展示品に関するメタデータベースや多様なデジタル情報など、データの「現地」がある。そのようないわば展示品の外にある世界へ人をいざなっていくことも重要である。観覧から連続する人の動きに気を配り、それを支える手立てについて考える。
和久田優子 氏
株式会社京都科学
「レプリカ=実物の代替品 」というぼんやりとした認識で見過ごされがちな「モノ」を その目的や仕様によって分類し捉え直します。またレプリカが提供できる情報の質と伝わり方を考え、そこに作り手からの発信を添えることで展示企画がより豊かなものになるようなヒントを提供できればと思っています。
山下純 氏
株式会社丹青社
近年、空間コミュニケーションのあり方も急速にデジタルシフトが進んでいます。バーチャル空間、メタバースと呼ばれるオンライン上に構築される空間世界では、どのような展示やコミュニケーションが拡がっているのか、実例を元にその可能性についてご紹介いたします。さらにはリアル空間とバーチャル空間の融合によって、空間を介したコミュニケーションにどのような進化が見られるのか、その現状と将来についても考えていきたいと思います。
発表者はこれまで刑事事件の目撃者や被疑者、戦争体験者の語りなどを対象として、証言のリアリティとは何か、リアリティに迫るコミュニケーションはどのようにして可能になるのかといった問題について、主に心理学の立場から研究してきた。発表では、「コミュニケーション不全」と「情動」をキーワードとして、博物館などにおける展示という文脈を視野に入れつつ、体験とリアリティ、体験とコミュニケーションといった問題について考えてみたい。