Cryopreservation Conferenceは、生物遺伝資源の長期保存技術に関する議論と知見の共有を目的として開催されてきた研究集会であり、今年で第12回を迎えます。2025年度は、茨城県つくば市に所在する文部科学省研究交流センター 国際会議場にて対面形式を中心としたハイブリッド開催を予定しています。
本カンファレンスでは、保存技術の開発のみならず、保存操作中における生存メカニズムや組織損傷のメカニズム解明といった基礎的な研究についても活発な議論が交わされ、保存研究の今後の方向性や応用の可能性を多角的に探る場となっています。
これまでの開催においては、保存技術開発に携わる多様な分野の研究者が集い、互いの知見を広める貴重な機会として評価されてきました。オンライン開催によって、研究内容に関心を持つより多くの方々が気軽に参加可能となった一方で、対面形式ならではの深い議論や交流を求める声も多く寄せられました。
昨今の生命科学分野の発展により、非モデル生物が研究材料として注目を集めています。これに伴い、それぞれの生物種に最適な保存技術を開発する必要性も高まっており、本カンファレンスはそのような技術開発に向けた「最初の飛び込み寺」としての役割も果たしています。多様な生物種のユーザーが集い、保存技術の礎を築く場としての意義が、より一層重要性を増しています。
本年度は、研究者同士が直接顔を合わせ、刺激を与え合う場として国際会議場を利用することとしました。オンライン参加も可能とすることで、より広範な参加者に対して門戸を開きつつ、実りある研究集会となることを目指します。
皆様の積極的なご参加と建設的なご議論を心よりお待ちしております。
オーガナイザー 田中大介