この事業は、府内の小・中学校の学力向上を促進するため、大阪府教育庁が主体的に学力向上に取り組む学校を推進校に指定し、その取組みを支援するものです。深日小学校は、令和7年度の大阪府スクールエンパワーメント推進事業推進校になっています。
深日小学校の取組みである今年度の授業を、掲載したブログから一部掲載します。(ブログでは写真を複数枚掲載しています。)
6年生の教室では、めあて「熟語名人になろう」のもと国語の学習をしていました。今まで、数々の熟語に出会ってきている子どもたち。その熟語を思い出しながら、そして頭をフル回転させながらの45分間となりました。
まず、3分間で思い出せるだけの二字熟語をノートに書き込んでいきます。その中で絶対に他の人と同じにならないような熟語を自分で一つ選び、付箋に書いて前に貼りに行きます。もしも熟語が重なていたら、その重なった分だけ宮脇先生のポイントになり、重ならなければ子どもたちのポイントになります。さあ、みんなは誰とも被らず、熟語を出せるでしょうか。それを三字熟語、四字熟語、五文字以上の熟語と計4回行いました。
そして結果はなんと・・・、誰一人として重なる熟語を出すことなく終了し、完全に子どもたちの勝利となりました。
その結果には、宮脇先生も私もビックリでしたが、子どもたちの様子を見ていると、当然の結果だったと今では思います。その時の子どもたちは、今まで授業で出てきたような熟語では同じになるということが分かっていたので、出たことのない新しい熟語がないかを限られた時間の中、必死に思い出そうとしたり、調べたりしていましたね。この姿こそが、宮脇先生が真に狙っていた目標で、「熟語名人」という言葉には、「自分から意識して熟語に触れていくことで、身の回りにはたくさん使うことができる熟語があることを実感する」という意味がありました。それを体現してくれた6年生、本当に輝いて見えました。
5年生の教室では国語の学習で「要約」にチャレンジしていました。要約とは、文章や話などの内容を、要点(大切なところ)をおさえて短くまとめることです。
まず、要約する部分を自分の速さで音読して内容を確認することから始まりました。みんなは、すでに内容が頭に入っているかのように、スラスラと読み終えることができましたね。その後、要約に必要なキーワード(大切なところ)をワークシートに抜き出し、これで要約する準備が完了です。
次に、クロームPCを活用して一人ひとり要約した文を書いていくのですが、ここで書き始めないのが今の5年生。なんと、担任の木戸先生から「要約する文に、キーワードを複数個入れること、書き終わりは指定した言葉で終わること、の2つの条件を入れて完成させてください。」と追加の課題が出されました。要約するだけでも難しいところに2つの条件をクリアしながら書く・・・。みんなの力が試されます。
授業も終盤に差し掛かかったころには、5年生の子どもたちが、どんどんクロームPCに書き込んでいく姿がありました。その姿を見て、内容を理解したり、まとめて文章にしたりする力が確実に育ってきているなと感じることができた嬉しい時間となりました。
4年生の国語の授業を参観しました。教材名は、保護者の方や私たち教員も小学校で学習してきた、新美南吉さんの有名な物語「ごんぎつね」です。
始めに奥先生から、「物語文は、主人公の心情(心の動きや変化)を追って読むことができると楽しいんだよ。」と話がありました。確かに、今まで学習してきた「白いぼうし」や「ちいちゃんのかげおくり」の教材でも主人公を追いかけてきましたね。さらに奥先生は、「何の理由もなしに私はこう思う、というのは国語の学習としては無責任です。主人公の行動や会話、その他の情景など、書かれてある言葉を理由(根拠)にして、心情を読み取ることが国語です。」と続けて話をしていました。
その話をジッと聞いていた子どもたち。そして一斉に「主人公はどんな人物か」を1の場面から読み取る【国語】の活動に迷わず入っていきました。4年生のいつもの学習形態である『一人で活動したい子』、『グループでしたい子』、『先生と一緒にしたい子』の3パターンに自分で選んで分かれ、学習をどんどん進めていきます。15分間という時間設定でしたが、最後にみんなから意見を出し合った際には、どの子も「◯段落の◯行目に・・・・と書かれてあるので、〇〇〇〇だと思いました。」のように、理由(根拠)をきちんと示しながら【国語】の発表が既にできていること、最高にステキなことだと思いました。
3年生の教室をのぞいてみました。ちょうどその時に担任の野間先生が「学校の中には、いろいろなポスターが貼られてあるの知っていますか?」と問いかけていました。すると子どもたちからは、「マインクラフトの絵がかいてあった」「クジラの絵もあった」「イチハヤク(189)」「誘拐された女の子を探すポスターもあったよ」などなどたくさん出てきました。みんな、ポスターをちゃんと見ているし、しっかり覚えていることに感動しながら授業がスタートしました。
この時間は国語の「ポスターを読もう」の単元の学習です。野間先生が「ポスターを見よう、じゃないよ。ポスターを読もうだよ。このポスターからどんなことがわかるのかな。また読んでもらうために、どんな工夫がされているか考えてみましょう。」と今日のめあてを確認していました。子どもたちは、教科書にあるポスターの例から、どんな事が書かれているかを書き出し、隣の人と意見を出し合っていました。その後も工夫されているところも見つけながら、ワークシートに友だちの意見も付け加えながら書き込むことができました。
ポスターなどの掲示物は、その目的から一目で印象に残る何かがないと、なかなか読んでもらえません。そのことを知ることが今日の学習の目標の一つでもありました。「私もポスターかいてみた〜い!」と意欲をみせる3年生のみんなのポスター、いつか見せてくださいね。楽しみにしています。
2年生の教室では、国語「どうぶつ園のじゅうい」の単元を学習していました。まずはじめに、音読の様子を参観していたのですが、みんなの姿勢がとてもきれいで、教科書も両手で持って読むことができていたことに2年生の成長を感じました。
この時間のめあては「『時』をあらわす言葉に注目して、筆者(獣医)の仕事を考えよう」というものでした。説明文では、「はじめ・なか・おわり」の3部構成で書かれています。そしてその「なか」に書かれてある具体的な内容を、子どもたちはキーワードをもとに読み進めていく活動に入っていきます。授業も終わりに近づいた時には、各段落のはじめにある【朝】【見回りがおわるころ】【お昼前】【お昼すぎ】【夕方】【一日のしごとのおわりに】【どうぶつ園を出る前】という『時』をあらわす言葉を全て見つけ出し、内容をしっかりと書き出すことができていました。今日のめあては、全員達成ですね!立派です。
このような経験を一つひとつ積み重ねていくことが、説明文の読み取り方を身に付ける力となり、確かな読解力の獲得にもつながっていくのだと思います。
1年生の教室では、算数で数の【まとまり】を考える学習をしていました。算数ブロックを使って、「3」や「5」、「8」、「12」、「26」というように、中塩路先生の出す数字の分だけブロックを並べていきます。
はじめ子どもたちは、「3」なので1つのブロックを3つ並べます。「5」も同じ感じでした。数字が「8」になった時、先生は「お友だちが並べているのを見てみましょう。」と声をかけ、一人ひとりの並べ方を大型テレビで映してみんなに見せてくれました。ちょうど上の写真のように、【5のまとまり】を意識して並べている子のところでは、「8ってすぐわかるね。どうしてわかりやすいのかな?」と子どもたちに投げかける中塩路先生。その発問で子どもたちは、「なぜ?」「どうして?」を必死に探し始めます。そしてある子の「5と3にわかれてるからや~」の発言につながっていきます。
数を一つずつ数える作業も時には大切で、必要なことです。ですが、あらかじめ数を【まとまったもの】で分けてあげられたら、子どもたちの数をとらえる力(数量関係)がどんどん養われていくと思います。下の写真は、「26」がどう分かれているのか、友だちの机をみんなで回りながら、意見を出し合っている場面です。これからも【まとまり】を意識しながら、算数の世界を楽しんで学んでいってほしいと思います。