気候システムは陸域圏と強いフィードバックを持った形で成り立っており,大気–陸域間のエネルギー収支や水文過程,CO2をはじめとする各種温室効果ガスの交換やエアロゾル(の前駆体)のエミッションを介して気候に作用している.また人間活動に由来するエミッションや土地利用変化も陸上で生じており,これによって産業革命以降の気候は大きく変化してきた.これまで本研究会では,このような陸域圏を中心としながら分野横断的に勉強会を開催してきた.今年はIPCCの第6次成果報告書(WG1)の出版年であり,本報告書においても気候システム・地球システムにおいて陸域が果たす役割が多数報告されている.そこで今回は,IPCC第6次報告書に深く関わった研究者にご講演いただく:同報告書第6章 "Short-lived climate forcers" のReview Editor を務められた金谷有剛氏(海洋研究開発機構)を話題提供者としてお招きし,特に大気化学の観点から陸域の果たす役割や,今後の陸域研究に対する期待などについて話題提供いただく(他講演者も加わる可能性あり).