呼吸リハビリテーションの展開

(220213配信)

呼吸リハビリテーションの展開

海老原覚・宮城翠・他

総合リハビリテーション Vol.49 No.11 2021.11 pp1035-1038


Key word:COPD、遠隔医療、栄養



★今回の記事はこんな方にオススメ!


・呼吸リハビリテーションについての現在の今後のトピックについて知りたい方



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こんにちは!ここ最近おかゆ生活が続いている‘テツ’です!


今回はタイトル通り呼吸リハビリテーション(以下、呼吸リハ)に関して、最近注目されているトピックを紹介します。


呼吸リハといえば、養成校で運動療法や、体位ドレナージの講義を受けた方も多いのではないでしょうか。現在は運動療法だけでなく、薬物療法やセルフマネジメント教育、ADL訓練などを多職種で行う包括的呼吸リハビリテーションの時代となっています。また、今後は様々な分野でも行われている遠隔診療のツールを用いた遠隔呼吸リハビリテーションの発展が予想されています。


ここでは、
①遠隔呼吸リハビリテーション
②栄養
③アロマセラピー

についてピックアップしていきます。




【遠隔呼吸リハビリテーション】


 遠隔診療は、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に急速に普及した体制で、診療行為としても認められています。


 呼吸リハの対象として知られるCOPDにおいては、多くの遠隔呼吸リハの試みと研究がなされており、通常のリハビリと比較して大きな差がないことが報告されています。それに加えて、遠隔呼吸リハの方では入院率が低いことも報告されています。


 この遠隔呼吸リハは、「包括的リハビリテーション」を効率的に進められる点もメリットとして挙げられます。現在の呼吸リハでは運動療法のみでなくセルフマネジメント教育も必要であり、この教育には“いつでも・どこでも”療法士と繋がることのできる診療体制は非常に有用であると考えられているのです。



【呼吸リハ × 栄養療法】


 COPD患者においては代謝亢進や全身の炎症、ホルモンの分泌動態の変化などが関与し合い、栄養障害が合併しやすいことは広く知られています。


呼吸リハにおける栄養療法の必要性については、栄養状態を含めた身体機能評価を行ったうえで、活動・参加を最大限行えるような栄養管理を行うことにあります。これだけのことを単独で行うことは非常に困難であり、多職種の参加による支援が必要です。栄養のためのセルフマネジメント教育・栄養指導は、遠隔呼吸リハの一環として期待される部分でもあります。



【呼吸リハ × アロマセラピー】


 セラピストにとって馴染みのない単語であると思いますが、アロマセラピーは運動療法と併用することで運動効果の改善が期待できること、COPD患者の呼吸困難感軽減につながることが示唆されているのです。


これは呼吸困難の発生機序の1つとして、呼吸デマンドに対して実際の換気量が少なかったときに生じた際に感じるという考え方があります。嗅覚刺激ではこの実際の換気量よりも多く喚起していると錯覚させることで呼吸困難感の軽減につながると考えられています。


これだけでも非常に興味深い内容で、今後の研究に注目したい課題ですね。



【Impressions】


今回は呼吸リハに関して触れましたが、非常に興味深い内容が多いように思いました。遠隔診療については様々な分野でトピックとして挙げられており、特に注目したいところです。


学生時代に学んだ内容に満足せず、今回のような最新の知見を知ることは非常に大切であると改めて気づかされました。



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●明日からできること!


・包括的な呼吸リハを進めるために、運動のみならず栄養・教育などに関する知識を得る

・先進的な研究を知るためにアンテナを張っておく!



記事:テツ@永遠の若手理学療法士


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