ここでは、AIにより水産養殖をスマート化するアクア・コロニープロジェクトと水産業に悪影響をもたらすアオコをAIにより自動除去するプロジェクトを紹介します。
科研費基盤(A)の研究代表として、日本の水産業をAIエージェントでスマート化する大規模プロジェクトを推進しています。
飼料としてのミルワーム(昆虫)を自動育成する自律型装置。飼育トレイの上に設置したカメラの映像から画像認識AIにより適切な収穫時期を高精度に予測可能
飼料を満載した複数のドローンがスタートボタン一つで、海上のスマート生簀まで自動航行。スマート生簀のAIの指示で自動給餌を実施。その後、自動で陸上の飼料供給地点に帰還。
水中カメラの映像(左上)からOptical Flow技術を用いて、生簀内魚群の活性度をRose Diagram(右上)により可視化し、AIが魚の空腹度を判定(左下)
2023年、長崎出島メッセで開催された「なががきDEJI-MA産業メッセ」にて、自動給餌AIドローンのデモ展示を行いました。たくさんのメディアの取材を受けました。
湖沼の環境を悪化させるアオコの発生場所の検知から除去までを全自動を行う自律システムの研究を進めています。
ドローンがアオコを検知し、掃除ロボットが出動!
赤外線カメラを搭載したドローンが湖沼上空を自動航行し、アオコの発生場所を探索します。アオコを発見すると、その位置情報をボート型アオコ除去ドローンに通知し、自動清掃を行います。
ここでは、AIが職人の勘と経験を代替することで、部品の製造品質を向上させる二つの事例を紹介しています。
経済産業省の補助事業である「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業、2019~2021年度)」による研究成果です。
内閣総理大臣表彰「第9回ものづくり日本大賞」優秀賞受賞!
製網機械の上部に設置したカメラ画像から網目の品質をAIが自動判定し、大画面モニターに表示します。また、判定結果に基づき製網機械を調整し、自動で品質改善を行います。これにより、人により監視が不要で、24時間の製網が可能となりました。
機械部品を加工する際には、エンドミルと呼ばれる切削工具を回転させることで、部品を整形する。長時間同じエンドミルを使い続けると、刃こぼれ等が発生し、加工品質の劣化を招きます。そこで、本プロジェクトでは、加工時の振動等をセンサで取得し、AIがエンドミル劣化の予兆を検知することで、事前に加工品質の劣化を防ぐことに成功しました。本プロジェクトは、長崎県工業技術センターとの研究研究成果です。
エンドミルにより機械部品を加工している様子です。この際の振動、音をセンサで取得してエンドミル劣化の予兆を検知します。
白いグラフがエンドミル劣化が大きくなっていることを表します。閾値を超えるとアラームが鳴動し、作業員にエンドミルの交換を知らせます。
ここでは、生成AIを活用して、オフィスワークの生産性を向上させる取り組みを紹介します。
QualiBotとは、各種調達公募案件に対して、自社が応札可能かどうかを自動判定するシステムです。複雑な調達仕様を人が読み解く代わりに、生成AIが読み解き、応札可否をサポートします。本プロジェクトは、株式会社ニーズウェルとの共同研究成果です。
調達応募業務をAIがサポート!
調達公募案件資料を入力すると、応札条件が自動抽出されます。
ここでは、AIが経験を積んだ教育者に代わって、人を教育する二つの事例を紹介しています。
バーチャルOSCE(OSCE試験)とは、仮想現実(VR)空間で、医療系学生が臨床実技試験であるOSCEを体験できるシステムのことです。現在、システック井上(株)と、AIエージェントを活用した模擬患者アバターの開発を進めています。
研修医の問診スキルをAIがバックアップ!
AIで模擬患者アバターを構成し、研修医が模擬患者アバターを問診することで、問診スキル向上をAIが手助けします。模擬患者アバターとの問診状況は、指導医AIが評価することで、研修医に適切なフィードバックを行います。
補助教員の代わりに、タブレットPC上のアバターが、小学生の英会話レッスンの相手をします。長崎大学教育学部中村典生教授との共同研究成果です。
会話ベースAIは、文科省が規定する学習指導要領に準拠した会話を自動生成します。連想ワードAIは、児童が発話した英単語から連想される英単語を抽出し、会話の幅を広げます。応答的エージェントは、児童一人一人の会話履歴からパーソナルな英会話を可能とします。
全国の小学校で実証実験を進めています。子供たちは、楽しそうにアバターと会話しています。
ここでは、AIを活用しIT弱者と呼ばれる人たちでも、他の人たちと同等に情報共有が可能なコミュニケーションシステムの二つの事例を紹介しています。
Amicoとは、イタリア語で「友達」という意味です。Amicoは、LINEをメタバース化することで、いつものLINEアプリを使ってスマートフォンが使えない高齢者ともLINEによるメッセージ交換が可能なアプリケーションです。
LINEをメタバース化!
タブレットPC上のアバターを介して、LINEメッセージの送受信が簡単にできます。
送信者によってアバターが変化します。
メッセージの内容をAIが解析し、アバターの表情が自動で変化します。
スマートフォンが利用できない高齢者でも、コミュニケーションロボット(PaPeRo)を介して、ソーシャルメディアによるコミュニケーションが可能です。
あたかもPaPeRoとおしゃべりするように、双方向のコミュニケーションが可能です。
メッセージの内容からAIがその宛先を高精度に推定します。
ここでは、AIを活用した高齢者福祉に関する三つの事例を紹介しています。これからの高齢化社会にとって重要な取り組みです。
栄養、運動、社会参加の度合いからフレイル度をメーター化(可視化)することで、行動変容を起こさせ、フレイルを予防するアプリを開発しました。本プロジェクトは、健康寿命を伸ばすことに貢献します。
栄養、運動、会話量を総合的に点数化してフレイル・メーターとして高齢者にフィードバックします。
食事内容を撮影するだけで栄養を可視化可能です。
録音することなく、会話量を可視化することが可能です。
フレイル度をフレイル・メーターとして
医療機関で定評のある問診による認知症診断手法をAI駆動のコミュニケーションロボット(PaPeRo)に完コピしました。これにより、問診から診断まで、全てAIにより可能となりました。また、普段の生活の中でのコミュニケーションロボットとの会話により、認知症の予兆を掴むことができるようになりました。
問診から予兆診断結果まで、全てAIを搭載したコミュニケーションロボットが実施します。
ゴミ箱を開けたり、冷蔵庫を開けたりする家事のイベントを捉えて、コミュニケーションロボットが問いかけを行います。その応答により認知症の予兆を診断します。
家族の誕生日等のイベントを捉えて、コミュニケーションロボットが問いかけを行います。同時にその家族にもLINEで反面調査を実施することで、認知症の予兆を検知します。
シンシナティ病院前脳卒中スケール(Cincinnati Prehospital Stroke Scale:CPSS)に基づき、ロボホンが脳卒中の予兆を診断するシステムです。
ロボホンと簡単な体操をすることで、脳卒中の予兆を検知します。
ここでは、AIを活用して健常者も障がい者も同じように観光を楽しめるようにするための三つの事例を紹介しています。
車椅子利用者自らが他の車椅子利用者のためにバリアフリー情報を発信することで、長崎を世界一障害者に優しい観光地にするためのプロジェクトです。車椅子に装着された全方位カメラや加速度センサからのセンサ情報をリアルタイムにストリートビューに変換してWebサイトでフィードバックできます。長崎県の支援を受けて社会実装されました。
普段使いの車椅子からの情報を元に、段差情報等を含むバリアフリーなストリートビューを常に最新化します。
市販の車椅子に全方位カメラと専用のアプリが搭載されたスマホを装着するだけ情報発信が可能です。
人の顔や車のナンバー、看板等には自動でモザイクがかかります。また段差情報や傾斜情報も同時にフィードバックできます。
長崎フィルムコミッションとのコラボレーションにより、長崎県が舞台の聖地巡礼の魅力をさまざまな側面がからアピールするアプリケーションを開発しました。
LOD(Linked Open Data)の仕組みにより、聖地巡礼のための情報を多様な側面から入手することができます。SNSとも連携しており、聖地の最新の情報も入手可能です。聖地近くの公衆トイレやAEDの設置場所も検索可能なため、観光プランが立てやすいです。
屋内に掲示されたQRコードをスマホでスキャンすることで、目的地までAR(Augmented Reality)技術でナビゲートするサービスです。デンソー・ウェーブ社との共同研究成果です。
博物館や病院、ショッピングモールなど、GPSが利用できない屋内での目的地ナビゲーションを安価に実現可能です。
ポストコロナを迎えて、誰でも簡単に安心してインターネットが楽しめるようにすることを目的として開発した二つの事例を紹介します。
あたかもカメレオンが周りの環境に合わせて体表を変化させるように、自分のスマホを公衆機器に近づけるだけで、あっという間にその操作端末に早変わりします。不特定多数の人が利用する公衆機器に接触せずに自分のスマホで操作できるので衛生的です。また、必要なアプリを自分で探す必要もありません。国立大学改革強化推進補助事業の補助金の一部を活用して長崎大学で社会実装されました。
学生が使う各種証明書発行装置として全てのキャンパスに実装されています。また、教員検索のデジタルサイネージにも実装されています。
スマホを近づけるだけで、証明書発行装置の操作端末に早変わります。
自分のスマホで教員居室を検索できます。検索結果は、サイネージに非接触で表示されます。
キーワード入力が苦手な人、手に障害がある人でも、タブレットPCと身の回りのディスプレイを利用することで、最新のトレンドをネットサーフィンすることができます。
SOA(Service Oriented Architecture)の技術を用いて、人に寄り添うスマートWebブラウザを開発しました。Open APIの活用により自動キーワードリンキングを実現しています。