駒澤大学には、その草創期から寄宿舎(=学寮)が設けられており、長い歴史の中で、様々な形態を経て来ました。
大正2年、竹友寮の前身である竹友舎が建造され、大正12年の関東大震災後も補修されながら長く使用されておりましたが、建物の老朽化と学生増により新寮舎の必要がいわれるようになりました。その後、本学の呼びかけにより全国より浄財が寄せられ、それを基に昭和41年秋、駒沢キャンパス東側に鉄筋3階建ての寮舎が建てられ、名称も「仏教研修館竹友寮」と改められました。
この時建設された寮舎も、建築後40年を経て老朽化が進み、折しも駒澤大学創立120周年を記念したキャンパス整備計画が進んでいたこともあり、現在地への移設が決定され、再び全国の宗門寺院・卒寮生・有縁高徳の方々の御助力を得て、平成19年にまったく新しい現在の寮舎が落成しました。
本寮は地下1階地上3階建てで、寮生は10畳間に1名から2名入室します。寮舎が住宅街にあることに配慮して、大きな音の出る法堂・坐禅堂は地下に配され、食堂・浴室は1階、寮生の居室は2階と3階に設けられています。建物は駒沢公園を挟んで大学のキャンパスに対しており、通学には徒歩15分ほどの至便な環境にあります。
本寮は、将来の宗門を担う寺院子弟である寮生に、建学の精神に基づいた規律ある団体生活を送らせ、学道の実践と人格の陶冶に努力させることと、朝夕の行持を弁道の基本として、両祖の教えを学びながら、日常生活の中で宗侶としての基本進退・作法の修得に資することを目的として設立されました。ここでは、一般の学生にまま見られるような自分勝手な生活は許されません。入寮希望者は、このことをよく理解した上での出願が望まれます。
昨今は団体生活の経験がまったくない新入生も多くみられますが、本寮のように規律の整った環境のもと、多くの人々とに研鑚を積むことは、自身の人間的成長に資するのみならず、大学卒業後、両本山等に安居する際や、様々な御寺院様方と交際する上で大いに役立つことはいうまでもありません。また、寮内で結縁した友人や先輩との出会いは、大学生活を送る上での大きな助力となり、ひいては生涯の宝となることでしょう。
堂頭 永 井 政 之
学校法人駒澤大学総長
寮監 佐 藤 昌 栄
栃木県出身
駒澤大学仏教学部禅学科卒業
大本山永平寺安居
大本山永平寺別院長谷寺役寮
飯頭・直事・知庫・堂長侍者拝命
令和4年4月より現職