主に,教育の地方自治を確立させるガバナンスのデザインについて研究しています。とりわけ、個別の学校課題への対応にとどまらず,地域全体の教育ビジョンを意識したアドミニストレーションの構築を課題としています。また,教育現場(学校や教育委員会など)を訪問しながら,学校づくりへの生徒参加や放課後支援など,地域と学校が連携した取り組みを中心に,教育に関する合意形成のプロセスに目を向け,自治体の教育政策を設計する教育長や指導主事の力量形成に関する調査研究も行っています。
2025(分担執筆),『教育格差是正政策の日中比較―教員確保・学校存続・教育機会保障』,北海道大学出版会
2024(分担執筆),『教育行政学―子ども・若者の未来を拓く(第5版)』,八千代出版
2020(分担執筆),『教育と法のフロンティア』,晃洋書房
2019,「『教育の公共性』を探究する地方教育行政-公共性をめぐる市民と専門職のポリティクス」『日本教育行政学会年報』45
2017(分担執筆),『教育経営論』,学文社
2016,「複線性のなかの教育行政における専門職リーダーシップの構築-教職員の教育行政参加と教育政治」『日本教育行政学会年報』50周年記念号
【大学院】 【学部】
▪ 教育の経営と社会(共通科目) ▪ 現代社会と学校
▪ 教育環境の条件整備とデザイン ▪ 教育学研究法
▪ 現代の教育改革とビジョン ▪ 学校経営と学校図書館
▪ 教育経営総合演習 ▪ いじめ防止教育論
ゼミに所属している院生の関心は、学校と地域の協力体制づくり・教職員の職務環境と専門性・職員相互での組織づくり・学校ガバナンスとリスクなどが中心になっています。年間を通して週に1度のペースにて、所属している院生の関心にもとづき、文献講読や研究計画の再検討などを行います。こうした基本的なゼミの活動を軸にして、学内にとどまらずに、視野を拡げるための自主的な研究に向かっていっています。たとえば、関心のあるテーマでの研究発表がある学会に参加したり、学校現場での実践事例の観察に出向いて担当者からの聞き取りを行ったり、PTA役員とアポをとって改革の経緯の情報提供を受けたりと、幅広く活動しています。
院生各自の研究関心にひきつけながら近年の学校実習では、1)連携協力校の業務支援を行いながら、学校の業務を外部の協力者が担当する領域の特徴と課題をまとめたり(2022年度「小学校に対する外部支援活動の特徴と活用に関する一考察」)、2)学校に地域から依頼されるイベント支援(生徒を対象としたボランティア参加募集)について、生徒の意識調査から今後の傾向と対策を練ったり(2023年度「中学生の地域貢献活動意欲の情勢に関する一考察」)、3)放課後や土曜日に学校を会場とした地域の活動を展開させている小学校に支援に入り、主としてコーディネーターさんとともに活動しながら、学校と地域双方の関わり方の構図を問い直したり(2024年度①「学校における地域との連携・協働に関する事例検証」)、4)小中一貫教育を目指す中学校区において、中学校をメインフィールドにしながら、限られた範囲からではあるものの学校改善の方策についての提案を行ったり(2024年度②「学校改善のための現状把握とその考察」)してきています。