・修了要件
本領域では、1年制プログラムの履修を許可された者を除き2年以上の在学および所定の単位の取得、学修成果報告書の提出、発表会における発表(3回)を修了要件としています。なお本領域では、学修成果報告書の提出時に、所定の様式の書類への記入のほか、院在籍期間中の研究成果をまとめた論文の添付(添付論文の提出)を求めます。
・科目の履修(修了に必要な単位数は46)
◇共通科目:16科目×1単位 16単位(必修)
◇選択科目:20単位以上(コース・領域別に開講されているプロフェッショナル科目から選択)
※リフレクションⅠ・ⅡおよびプレゼンテーションⅠ・Ⅱ(計8単位)を含む
◇実習科目:10単位(必修)学校支援フィールドワークⅠ・Ⅱ
※現職の教員については、入学後の申請に基づき、実習単位が一部免除(4単位の履修が必要)
※教育経営プロフェッショナル育成科目関連の情報はこちら
本領域では、在籍している期間中に行う自身の研究成果を論文形式でまとめ、修了関連の書類に添付して提出することを求めています。
法令上、教職大学院の修了要件には、論文提出が含まれていません(専門職大学院設置基準第15条)。学校現場に長期的に入って、徹底した観察と分析を行い、個別具体的な支援プログラムを作成・実施していくことが活動の中心となります(修士課程の大学院は「修士論文又は特定の課題についての研究の成果の審査及び試験に合格すること 」が求められます。※大学院設置基準第16条)。
しかし、本領域では、ものごとの本質をとらえる研究者の眼と、具体的な問題解決を志す実践者の眼の両立を目指しています。解決すべき問題とじっくり向き合い、その背後にある原理やメカニズムを解明して、問題のしくみや成り立ちをきちんと理解することが、将来、個別具体的な問題の解決に立ち向かうための大きな力になると考えています。このため、教職大学院での授業履修および実習での単位取得に加え、院生各自の関心にもとづいてテーマを定め、自分自身の研究成果を論文としてまとめることを課しています。作成した論文は、修了時に提出する書類に添付する形式で提出することとし、これを「添付論文」(または「個人研究」)と呼んでいます。
添付論文の作成・提出までのステップアップとして、研究構想発表会・研究中間発表会・研究成果発表会の3回があります。
上記の添付論文の作成に向けて、領域の教員のゼミでの活動を通して、修了予定年度の5月~6月頃に研究構想発表会、10月頃に研究中間発表会での発表をしてもらっています。所属するゼミ内での議論にとどまらず、領域の教員や院生全体に向けて自分の研究計画・進捗状況を発表し、多様な視点からの意見交換をしたりアドバイスを受けたりする機会です。そして、提出した論文の審査会を兼ねる研究成果発表会が1月下旬頃にあります。
カリキュラム上、ゼミの時間は主に「リフレクション」、発表会とそこに向けた準備は「プレゼンテーション」が該当します。この2つは明確に時間を区切ることが難しいですが、前者(「リフレクション」)は、これまでの経験や研究の一環として行っている活動(実習含む)の振り返りや捉えなおしという自分との対話が中心となるのに対し、後者(「プレゼンテーション」)は、自分の主張を他者に向けて説得的に構成して示すことが中心になると考えています。
◇本学では、学校実習を「学校支援フィールドワーク」として実施し、それと「リフレクション」「プレゼンテーション」と組み合わせて「学校支援プロジェクト」と呼んでいます ※大学公式HPでの説明はこちら
以下は、当領域での過去のプロジェクトテーマ一覧です(↓クリックで折りたたみが開きます)
若手教員が担任学級の関係性を育む方略としての4Dサイクルアプローチの試み
日常的な実践知の共有を通じた教師の共同的な学びの構築
通信制高校に通うふつうの生徒たち
小学校低学年における学級の友人関係とその指導に関する考察
学校改善のための現状把握とその考察-小中一貫グランドデザイン推進のための支援を通して
学校における地域との連携・協働に関する事例検証
人権感覚を育み、自他を大切にする児童を育成する学校づくりの現状
変化する学校教育の渦中にいる若手教員への環境補強的支援の試み
地域と連携する「総合的な学習の時間」のカリキュラム・マネジメントに関する課題の把握と改善策の提案
教員が「ともに働く」ための対話を創出するプロセス
多様性を認め合える学校づくり
中学生の地域貢献活動意欲の情勢に関する一考察-連携協力校在籍中学生の意識調査を通して
小学校第1学年における児童の学習上の困難と担任の学級づくりに対する支援
「地域総合」活動におけるカリキュラム改善の取組-カリキュラムマネジメントの視点から
小学校における安全管理の現況と課題
中学校における日常的な人権教育の取組
円滑な学校統合に向けた両校の学校文化の意識下の試みと効果-チーミングの視点から
「共生」を目指す学校
中学校における「グループ独立分割の文化」を乗り越える
特別な支援を必要とする児童が在籍する学級に対する学習のための効果的な支援の検討―教室内の学習環境と校内支援体制を考慮して
小学校に対する外部支援活動の特徴と活用に関する一考察
人権感覚を育み、生徒が安全・安心に過ごせるための学校支援
生徒の「優しい関係」の形成と危うさについての考察
主体的に学習や諸活動に取り組む生徒の育成
一人ひとりの教師が活躍することのできる校内連携の在り方
地域と共に歩む学校づくり-学校運営協議会とともに取り組むカリキュラム・マネジメントの模索
共感的な人間関係の育成
コミュニケーションスキルの獲得
授業支援・学習支援を通した学級集団形成過程の考察
適応に困難を示す子どもの支援と教育経営
生徒一人ひとりが抱える課題に配慮した学習支援の在り方
子どもが主体的に学ぶ防犯教育の授業づくり
地域とつくる教育課程の現状と課題-社会に開かれた教育課程の視点から
ユネスコ・スクールにおける学校運営協議会の意義と課題-地域資源を生かした持続可能な教育活動の評価サイクル提案
糸魚川市「0歳から18歳までの子ども一貫教育」のより良い推進に向けて
集団を形成することの意味-私立通信制高校における仲間
児童自立支援施設併設校に通う子どものエンパワメント
特別な支援を必要とする児童が在籍する学級に対する学習のための効果的な支援の検討
私立通信制高校の教科指導・進路指導・生徒指導の支援
適応指導教室に通う子どもたちのサポート
院内学級で学ぶ生徒たちのエンパワメント
「免P」とは、本学の「教育職員免許取得プログラム」(大学院に在籍しながら教員免許【幼・小・中・高一種免許】がとれる制度の通称です ※大学公式HPでの説明はこちら
教員免許を取得するには,学部の教員養成カリキュラムを履修し,単位を修得する必要がありますので,通常は,科目等履修生になって学部の授業を履修することになります。この場合,科目等履修生としての入学料や授業料が別途かかりますし,科目ごとに担当教員の許可を得る必要があるなど,手続き的にも面倒です。
これに対して本学の免Pでは,こうした追加負担なしに,学部の授業を自由に履修することができ,3年間できちんと教員免許に必要な単位が修得できるよう,制度設計されています(なお本学では,大学院生が科目等履修生になる場合にも,入学料や授業料の一部を免除する制度があります)。当領域も免P制度に積極的に対応しており,実際免P受講生(通称「免P生」)が在籍して、それぞれ必要な授業を履修しています。
ただし、授業の開講時限が重複しているなど、複数の免許取得が困難な組み合わせもありますので、ご承知おきください。