みなさんこんにちは。令和7年度に入ったにもかかわらず、なかなか更新せずに5月中旬を迎えてしまいまして、大変申し訳ございません。言い訳になってしまいますが、4月はちょっといろいろありまして😓、このサイトの更新に手が回っておりませんでした。今後は通常ペースに戻しますのでご安心ください。
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さて、すでに令和7年度は動いていますが、今年度羅臼高校DXは何をしていくか、ざっくりと説明したいと思います。かっちりではありません。ざっくりです笑
まず昨年度、本校では校務DXをいろいろと進めて、現在は主に「チャットの有効活用」「サイトの活用」「共有ドライブの活用」といったところを柱に動かしています。文字にするとたったそれだけなんですが、例えばチャットの活用については1年間いろいろな業務をチャット上で処理してきた経験が積み重なっており、先生方もずいぶんチャット慣れしてくれて、意思疎通がスムーズになりました。もちろん対面でのやり取りも大切にしていますが、チャットを併用することで対面オンリーよりも正確に情報が伝わり、行き違いが少なくなりました。昔はなんでもメモを取るという風潮でしたが、チャットにより文字化したため、メモを一生懸命取る必要がなくなりました。実は、メモを取ることに没頭しすぎて肝心なことを聞き逃したり、何が重要だったのか後でメモを見てもわからない、ということがよくありましたよね。DXで改革できることの一つは、そういったメモのあり方です。私自身、最近は校長会などの会議では事前に会議資料データが送られてくるので、すべてGoogleドライブに入れておき、出先から直接自分のタブレットでドライブにアクセスしてその資料を見ています。昔は紙の資料に一生懸命ペンを走らせたものですが、長々と汚い字で書くよりも、印象に残った言葉だけを手帳に少し書き留めておく方が、逆にどんな話を聞いたのか記憶に残りやすいことに気づきました。手帳に書いた方が紛失もしませんし、毎日手元にあるので、ふと思い立ったときに自分が気になったキーワードを見返すことができます。会議資料にメモをとってしまうと、それを見るためには資料を探すことになるので、非効率的です。タブレットでPDFにメモ書きをする人も最近多いですが、それだと紙が画面に変わっただけになるので、あえてやっていません。私はそれよりも手帳派です。つまり「聞き方のトランスフォーメーション」をしているわけです😁
本校の特徴であるチャット決裁も完全に先生方に定着し、会議資料の事前確認などは100%チャットで行っています。先週札幌で全道校長会が開催されて私も出席していましたが、その間にも決裁用チャットにいろいろな案件が上がってきて、私は札幌の会場に居ながらスマホで決裁をしていました。従来ならば、校長が学校に戻ってから大量の決裁案件に目を通して押印する、という作業が待っていましたが、本校ではそれはかなり少なくなりました。教頭先生からも相談をいくつかチャットで受けましたが、校長が留守中でも教頭にリアルタイムに指示を出せますし、一緒に何かを考えることもできます。
この方法に慣れてしまって、もはや私をはじめとして羅臼高校の教職員は、メールとか電話といった「オールドメディア」には戻れない体質になっていると思います。メールは「開く」という作業があり、やり取りをするには「返信」を書く必要がありますが、チャットはスレッドのやり取りのみで済みます。電話は言うまでもなく完全なるオールドメディアですよね。相手の時間を束縛するし、タイミングが悪ければ話すことすらできません。チャットが通じているのに電話をわざわざ使う理由はなく、私自身電話を使うのは相手の声が聞きたいときだけになりました。
以前、私は「チャットを導入すれば、いつでもどこでもスマホでも見ることができるので、休日勤務を命じているのと同じことだ」という否定的意見を多くの先生方から聞かされました。しかし現実は、導入前がいかに時代遅れだったかを思い知らされる結果となっています。できない理由探しをしているようでは、いつまでもわざわざ面倒な手続きをとり続けけることになり、今流の働き方改革など到底できないと思います。
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前置きが長くなりましたが、上記を踏まえて今年度何をするか、私の頭の中にあることを次に書きます。
①時間割担当者の激務を生成AIを使って激減(または消滅)させる。
これは昨年度から校長室で密かに実験を続けており、そろそろ実用化できそうです。時間割作成こそ、最もAIが得意としそうな業務であり、担当者の負担を実質ゼロにできる可能性を秘めています。
②学校代表メールアドレス宛に来たメールを自動的に分類・整理する。
これは教頭の業務負担軽減の切り札です。GASを使ってWebアプリを開発中です。
③教育に関する最新情報を自動的に探す(Webスクレイピング)。
これも学校経営戦略に役立ちそうです。GASで開発中。
④オンデマンド授業用の動画を自動的にYouTubeへアップする。
これはYouTube APIとGASの連携で作ってみたいと思います。本校では病気療養中生徒へのオンライン授業配信を行っていますが、オンデマンド配信をする場合も多く、そのアップロード作業が大きな負担になっています。これを実質負担ゼロにすべく、開発を頑張ります。
⑤教頭業務支援ツールを作成する。
生成AIを活用して、教頭先生が困ったときに助けてくれるお助けマン的なツールを作ってみたいと思います。現在、道立高校の教頭はあまりにも忙殺され過ぎて、クリエイティブな能力を全く発揮できない状況に陥っていると思います。本来、学校経営には校長の発想だけではなく、教頭の才能も十分に活かすべきであり、校長と教頭が共同経営するためには教頭の脳内に余裕を作る必要があります。このためにAIやGWSのいろいろな機能を組み合わせて、羅臼高校独自の支援ツールを作りたいですね。
⑥反省会議の改革。
本校でも行っている中間反省会議と年度末反省会議。しかし形骸化しています。PDCAとかOODAでマネジメントしていくためには、年2回の反省会議というのは実はほとんど意味がなく、個々の案件を常に反省していくというシステムが必要です。昨年度は部長主任会議を廃止しましたが、悪影響はゼロでした。反省会議も、もしかしたら廃止してしまって、全く新しい枠組みを作るかもしれません。文句を言うだけの反省会議では、学校は一歩も前へ進まないですからね。もうそんな時代ではありません。日頃からみんなで学校経営をしていかなければ、今の時流には残れません。
⑦ウェルビーイングの可視化。
これは難しいかもしれませんが、ちょっとやってみたいことです。AIを活用して教職員や生徒のウェルビーイングがどの程度実現しているか、画像に変換したいですね。どういう方法があるか考えてみます。
上記①~⑦は、まだ妄想的な段階のものもありますが、できるものは実現していきます。羅臼高校版校務DXバージョン2、という位置づけで、まだ誰も着手していないことにも挑戦したいと思います。
なお、課題である「学びのDX」については、機会を改めて説明しますので、少々お時間をください。
というわけで、今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
R7(2025).5.13 北海道羅臼高等学校長 古屋順一