本日7月22日(月)、文部科学省のリーディングDXスクール事業公開学習会がZoomウェビナーで開かれ、無料だったので私も参加してみました。部長主任会議の日程がずれてちょっと重なってしまったのですが、最初と最後だけ閲覧できました。
で、最初に出てきた秋田県大仙市での取組みが、さっそく私の心にガツーンと刺さってきました。この地区ではもともと小中学校間での教育研究会組織(中仙教)が存在し、学校間での連携等も行われていたそうですが、この枠組みにDXを取り入れ、指導案や教材の共有、デジタルポートフォリオの共有、学校間での共同編集、「授業を見合う会」のDXなど、非常に意欲的に取り組んでいます。ちょうど私が今構想を練って関係各所と調整を進めている「羅臼町教育DX」のお手本となるような実践でした。
羅臼町においても幼小中高一貫教育(ESD)の事業のひとつに、校種を超えた授業参観があります。ここにDXを持ち込むことで、実際の対面での授業参観のみならず、オンライン上での授業参観も可能となります。羅臼町は非常に細長い地形をしていて、隣の学校へ行くのにどうしても時間がかかります。もしDXによって常にオンライン授業などができるようになれば、地理的なハンディも軽々と乗り越えられるはずです。こういったことが実現できれば、日常的なやりとりはGWS上で行い、実際に対面方式での授業参観や研究協議はGWSで十分な関係性を構築した上で実施できるわけです。こうすると、年に数回しか顔を合わせない「近くて遠い先生」方が、いつでもGWSでつながって、すぐ隣にいるような状態を生み出すことができます。これによる地域教育力の向上は、計り知れないものがあるのではないでしょうか。幸い、羅臼町はすでに長年ESDの取組みを進めてきた経験があり、あとは方法論の確立だけなのです。ここにDXを取り入れないという選択はありません。突き進むのみです!
私の持論ですが、北海道におけるDXは地域・圏域というスケールで考えた方が、断然その価値が上がると思うのです。校務DXや学習DXは、あくまで自校内での活動に留まります。これは働き方改革や学びの変革のために必要なものですが、これとは別の視点で、そもそも学校以前に地域はどうなのかというところに立ってみると、実は地域でも校内と同様にDXの効果が大きく期待できると考えられます。いやむしろ、地域・圏域DXが先なのではないだろうか?そんな風に私は感じています。地域のDXが進めば、学校間でノウハウの共有がいとも簡単にできてしまいます。これによって、従来「校外研修」で得ていた他校情報を、わざわざ研修費をかけずともGWSの中でいくらでも得られます。その分、校外研修はもっとコアな内容を追求できるはず。DXの効果は、そういう部分にも現れてくると思います。
地域・圏域DXを進めようとする場合に重要なのは、地域DXリーダーの存在です。その地域をとりまとめるエネルギーを持つリーダー人材が必要になると思います。そして、各地に多分いるであろうそういったDXリーダーを集めたリーダーキャンプみたいな企画が生まれると面白いですね。北海道ならば、そういう人たちを結びつけて広域DXとか広域研究協議会みたいな枠組みも作れそうですし、道教委と各地のDXリーダーがタッグを組めば、きっと刺激的で面白い北海道独自の実践がいくらでも生まれると思います。黙っていてもコンテンツだらけの北海道。そこで進んでいくちょっとユニークなDX。そんな夢も描いていたいですね。
DXは生徒も先生も管理職も、楽しまなきゃソンですよ!!
R6(2024).7.22 北海道羅臼高等学校長 古屋順一