群馬大学大学院

血液内科学教室

診療科長ご挨拶

「血液は体中を循環している。だから、血液疾患を学ぶことは全身の疾患に精通することにつながる」。これは局所に目を奪われることなく、体全体を統括的に診療できる医師をめざせという前川正初代教授の言葉です。その伝統は当科医師に現在でも脈々と受け継がれています。血液専門医としてはもちろんですが、一般内科医としても高い評価を受けている所以であると考えています。

血液病学における診断、治療の進歩はめざましく、当科でも細胞培養法、免疫学、遺伝子工学的手技等を駆使し、質の高い診療を提供しています。対象は再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などの特発性造血障害、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といった造血器腫瘍、先天性凝固障害、DICなどの凝固異常症、HIV感染症など免疫異常と多岐にわたります。白血病、悪性リンパ腫の完全寛解率は80%を超え、さらに長期生存をめざして造血幹細胞移植療法を行い良好な成績をあげています。

造血幹細胞移植の対象疾患は血液疾患にとどまらず、固形腫瘍など他科領域の疾患も対象になりつつあります。近年、治療成績の向上とともに紹介患者が増加し、これに対処すべく県内の関連病院とネットワークを形成し密に連絡をとっています。

病院に特定の疾患を集めることにより、診療の効率化と質の良い医療を提供できるように努めており、群馬県の血液疾患診療の中心的役割を担っています。

(診療科長 半田 寛)

血液内科について

血液内科の研修では、造血器腫瘍・造血不全症・凝固異常症・HIV感染症に対する診療を通じて、内科の基本から専門医療まで経験していただけるよう心がけております。研修医の先生方に伺うと、血液内科は忙しくて大変な科だというイメージが強いようです。確かに重症で複雑な病態を有する患者さんも多いですが、それらをできるだけ詳細に考察することで内科学の醍醐味を体験できるのは、研修医の先生からも好評です。造血器腫瘍は化学療法が奏功しやすく分子標的療法をいち早く導入されるため、重症患者さんが驚くほどに改善するダイナミックな経過もきっと印象に残ると思います。また悪性腫瘍や慢性疾患といった患者さんに寄り添い、困難な状況を共有する経験を通じて人間性のある医師になっていただければと考えております。

内科診療センター開設にあたり血液内科として診療・教育を行う機会が増えております。新たに就任されました半田診療科長を中心に、研修医教育・学生教育もより魅力的なものを目指しており、若い先生方と働くことを楽しみにしております。ぜひ血液内科で一緒に働きましょう!

(部内講師 石埼 卓馬)