【実施日】令和7年10月29日(水) 【会場校】津山市立中道中学校
島尾調査官の資料を共有します
事前課題
【事前課題】研修の学びを最大化するためのお願い(10月29日 中学校数学研修会)
10月29日(水)の中学校数学授業改善研修会へのご参加、誠にありがとうございます。
本研修会は、「授業公開」と国立教育政策研究所からお招きする「学力調査官による指導講評・講義」を二本柱としており、毎年多くの先生方にご参加いただいております。昨年度の研修会でも、「練られた授業を見ることができてありがたい」「調査官の話で、ぼんやりとしていたものがはっきりしてきた」といった、大変ありがたいお声をいただきました。
一方で、「時間をかけて練っているからできることで、普段の授業ではなかなか…」あるいは「求められていることは理解できるが、具体的にどうすればいいのかわからない」といった、切実な声も私たちの元に届いております。これらを踏まえ、私たちは令和7年度の研修会を、ご参加いただく先生方一人ひとりにとって、より実りある学びの場にするためにどう工夫すれば良いか、何度も話し合いを重ねてきました。
協議の中で、私たちがたどり着いたのは「先生方一人ひとりの課題解決につながる」研修会にしよう、ということでした。
そのためには、まず研修のスタート地点で、先生方ご自身の現在地を確かめていただくことが不可欠です。ご自身の課題解決に軸足を置いた研修にするからこそ、まずは事前課題を通して、普段の授業で困っていることや、ご自身の授業づくりに対する考えを改めて言語化していただくことが、当日の学びを最大化する上で大切な準備になると、私たちは考えています。
ご自身の課題意識を持って授業を参観し、対話に参加していただくことで、公開授業や調査官の言葉が、先生方一人ひとりの明日からの実践に繋がる具体的なヒントとして見えてくるはずです。
そのために、ご自身の学びを最大化する「準備」として、研修が始まる前から、以下の2つの課題にご協力をお願いいたします。
【課題1】ご自身の「課題」と「授業観」を言語化してみる
本研修は、先生方一人ひとりの課題解決に繋げることを目指しています。研修当日の学びを、ご自身の課題と深く結びつける「準備」として、アンケートフォームにて以下の点についてご記入ください。
【問い1】普段の授業での悩みや、気になっていること(必須)
【問い2】本研修のテーマである「説明すること」についての現在のお考え(必須)
【問い3~5】ご自身の授業づくりについて(任意)
授業者である池上先生も、悩みながら授業づくりと向き合っています。その試行錯誤の軌跡である「やりとりの記録」も、ご自身の考えを深めるヒントとして、ぜひご一読ください。
【課題2】当日の授業の意図を理解する
当日参観する授業の学習指導案です。授業者である池上先生が、どのような意図で授業をデザインしたのかに思いを馳せながら、ご一読ください。なお、学習指導案は直前まで修正を行う可能性があります。その都度アップしますので、最新のものをご覧ください。
やりとりの記録
数学科の教科会の様子(中道中学校)
R7.07.03 単元が『データの分布』に決定しました
授業改善研修会当日の授業について、授業者の池上先生と中道中学校の数学科の先生方と当日授業公開する単元について、協議を行ってきました。全国や県の学力調査の自校採点の結果や指導上の課題等を踏まえて、「D データの活用」領域2年生の『データの分布』に決定しました!
次回はR6年度の学力調査の問題(大問7)をもとに、「生徒のつまずき」や「単元を通して育成したい資質・能力」について協議・検討を行い、単元構想をしていく予定にしています。
みなさんはこの大問7の調査問題から2年生のデータの分布の単元において、どのような資質・能力の育成が求められていると考えますか。また、それらの資質・能力を単元を通して育成するためには、どのようなプロセスや学習経験が必要だと思いますか。みなさんも是非一緒に考えていただければと思います。
#問題 #解説資料 #報告資料 #授業アイディア例 #学力調査問題データベース
R7.08.05 単元を通して育成したい生徒の姿とそのプロセス
統計領域における指導で、身に付けるせたい力にはどのようなものがあるのか、どう単元をつくっていけばいいのか、ということについて、中道中学校の数学科の先生方と協議を行いました。やり取りの中で、「正直、箱ひげ図の有用性を感じていない」「新たなに指導事項として加わったことだから、よくわかっていないところもある」といった率直な意見も出て、改めて箱ひげ図の必要性と意味を考えたり、身に付けるさせたい力について考えたりして、単元のゴールやプロセスのイメージを共有しました。
協議後には、授業者の池上先生が「ワクワクしてきた!」と話していましたが、モチベーションが高まる協議をされた中道中学校の数学科の先生方のチームワーク、素晴らしいですね。また、ご参加いただいた授業改革推進リーダーの先生、研究主任の先生もありがとうございました。
次回は、本日の協議をもとに、統計的な問題解決を遂行する力や批判的に考察する力を育成するために、具体的に、生徒にどのデータを用いて、どのような問題解決をさせていきたいのか、ということを考えていきたいと思います。
ホワイトボードを見て、データの活用領域の指導で大切だと思ったことはどんなことでしょうか。また、ここに追記するとしたらどのようなことを追記するでしょうか。みなさんも是非一緒に考えていただければと思います。
写真は前回訪問時の協議の様子です。
R7.08.22 問題解決の「問い」の設定について
前回の訪問に引き続き、中道中学校の数学科の皆さんと協議を行いました。今回は本時に関する授業の題材や展開を検討し、各先生方が活発に意見を出し合いました。授業者の池上先生は「ああでもない」「こうでもない」と行ったり来たりしながら、自分自身が行う本時の授業やその前後の授業を含めた単元全体の構想について、熟考していました。
「こんな風になればいい」という理想や願いを基に、具体的な授業展開を考える際に、「でも…」という現実的な問題が出てくると思います。この具体と抽象を行き来しながら、授業者自身が納得できるところを探していくこのプロセスが大切だなと池上先生の姿を見て感じました。次回はここまで協議してきたことを基に、学習指導案の形にしていただき、それを基に本時の展開等の検討を行いたいと思います。
さて、本時は東京書籍の「新しい数学2」186ページの題材を中心に扱う予定です(今後、変更はあるかもしれません)。具体的には、あるスーパーにおける牛乳の曜日ごとの売り上げを箱ひげ図に表したものを基に全体の傾向を読み取る活動です。この題材を扱う場合、生徒が問題解決に主体的に取り組むことができるようにするために、どのような「問い」を立てますか。また、皆さんは日頃の授業では、どのような「問い」を立てていますか。
模擬授業の様子
R7.09.22 学習指導案完成
夏休みから繰り返し協議を行い、作成してきた学習指導案の初稿が完成しました。ここから、当日まで時間をかけてさらにより良いものにしていきたいと思います。
現在、協議を行なっているのは、「説明する」活動です。全国学力・学習状況調査でも、説明することが求められた問題では、正答率が低かったり、無解答率が高かったりと「説明することが苦手」という学校は多いように思います。中道中学校では、「説明する力」を高めるために数学科だけでなく学校全体で取り組んでいるようです。本時の中で、生徒が説明する場面をどのように設定し、どのような説明が行われることを期待しているのかについて協議を行い、学習指導案を改善しています。
左の写真は校内研修で中道中の職員全体で模擬授業を行なったときの様子です。授業研究を授業者だけにまかせるのではなく、学校全体で授業者をサポートし、先生方みんなで学んでいこうとされているチーム中道中学校の素晴らしさを感じました。
さて、データの活用領域では生徒が図表を用いて説明する場面を設定することはよくあることだと思います。その際、どんなことを意識して、説明する活動を設定していますか。また、授業中に説明する活動を取り入れることは、どのような価値があると考えますか。
プレ授業で生徒が作成したスライド
R7.10.01 プレ授業実施
本日は、作成している学習指導案を基に、プレ授業を行いました。本日の授業を踏まえ、「批判的に考察し、判断する」が具体的にどのような生徒の姿なのかについて協議を行いました。学習指導案を作成していると、教師がどのように授業を展開していくのか(生徒の学習を組み立てるのか)ということがやりとりの中心となりがちですが、生徒の反応や様子を基に、目標(ゴール)に近づくための手立てを考えたり、改めて目標(ゴール)の生徒の姿を具体的にイメージしたりすることが大切です。
いよいよ来週から2年生も「箱ひげ図」の単元に入ります。ワクワクしてきますね!!
本時における、想定される生徒のつまずきにはどのようなものがあるでしょうか。生徒のつまずきを生かしつつ、学級全体で問題解決を行なっていくために、教師ができる生徒との関わりや支援にはどのようなことがあるでしょうか。
当日の流れ
1 開会 (13:00~13:20)
(1)本日の講座のねらい:中学校において求められる学力向上のための学習指導と評価の在り方について研修し、指導内容や指導方法の理解を深め、指導力及び資質の向上を図る。
(2)本日の日程等の説明【研修の全体像】
(3)公開授業について
1. 生徒は主体的に学習に参加できていたか(そのきっかけは何か)
→生徒たちの「考えたい」「説明したい」という意欲は、どこから生まれていたか。
2. 生徒は批判的に考察し、説明できていたか
→データを批判的に考察したり、根拠を明確にしたりしながら、他者に伝えようとする具体的な姿が見られたか。
3. 思考を深めるための教師の働きかけは、どうだったか
→生徒の「考察」や「説明」を、さらに質の高いものにするための発問や支援は有効だったか。
(4)自己の解決したい課題についての明確化【参考:事前課題共有用スプレッドシート】
移動(13:20~13:25)
2 公開授業 (13:25~14:15) 2年3組 【学習指導案】
津山市立中道中学校 教諭 池上 健太 先生 【生徒のスライド】
移動・休憩(14:15~14:30)
3 研究協議(14:30~15:05)【意見共有ツール(Learnwiz One)のリンク】
岡山県教育庁義務教育課学力向上班 指導主事(主幹) 西田 健太
4 指導助言(15:05~16:05) 【資料(冊子)】 【資料(後日配布)】
国立教育政策研究所 学力調査官・教育課程調査官 島尾 裕介 様
5 学びの実践化に向けた協議(16:05~16:30) 【意見共有ツール(Learnwiz One)のリンク】
岡山県総合教育センター 研修部 指導主事 柴原 裕
6 閉会 (16:30~16:45) 【振り返りフォーム】 【中数サイト(池上先生が使用したデータ)】
津山市教育委員会 学校教育課 課長 石原 智則 様
参考ページ
【動画】令和7年度全国学力・学習状況調査の調査結果を踏まえた学習指導の改善・充実に向けた説明会
令和7年8月20日、21日に開催の「令和7年度全国学力・学習状況調査の調査結果を踏まえた学習指導の改善・充実に向けた説明会(ウェブ形式)」の説明資料等及び説明動画について公開されました。
本研修会で指導助言をいただく島尾調査官が令和7年の調査結果をもとに説明している動画になります。お時間のある方は事前に視聴してください。
※動画をクリックすると視聴できます。(R8年3月下旬まで公開予定) #【資料】国立教育政策研究所