R6の授業改善について
令和5年度の成果
1年間のリーディングDXの取組によって、本校職員は新しい授業観の必要性やこれからの子供たちが直面する社会の姿等に関する理解を深め、新しい授業観による実践経験を積むことができました。本年度は4月のスタート段階で、伝統的一斉指導と子供に委ねる新しい授業観による指導ができる教師が多くいる状態になっています。
また、単元内自由進度学習の準備段階として位置付けていた本校の「方法選択型探究学習」ですが、単元内自由進度学習の授業実践と検討が校内で進むにつれ、方法選択型探究学習はコンピテンシーベースとコンテンツベースを組み合わせた指導法として本校の中で再評価がなされています。
取組1 PTA総会や学校評議員会等、学校の研究について保護者の理解を図る
PTA総会・懇談会
学校評議委員会・地域の集まり
動画のオンライン配信
学校の取組について、機会を設定し説明する場面を取り入れています。対面による説明だけではなく、動画をインターネットで配信し、ご自宅で保護者の皆様にご覧いただくという取組も行っております。
取組2 令和6年度の研究授業では、内容や教師の意図に合わせた指導方法を選択
単元内自由進度学習
3年生社会「工場の仕事」
方法選択型探究学習
6年生理科「生き物のくらしと環境」
単元内自由進度学習
5年生社会「あたたかい土地のくらし 寒い土地のくらし」
取組3 カリキュラム・マネジメントを本年度の目標へ
本校は令和6年度内に、各学年や各担任によって単元内自由進度学習や方法選択型探究学習の授業が実践され、その指導が最適なものであったか検証を行っていきます。その積み重ねとカリキュラム・マネジメントにより、単元の特性を鑑みた最適な指導法が教育課程に位置付けられていくことを目標にしてます。
取組4 生成AIの活用について
小学校と生成AI
AIに関する理解を深めることは、将来AIとのコミュニケーションが日常化する子供たちにとって非常に大切なことです。しかし、現状では年齢による生成AIの使用制限もあり、子供の活用による本格的な指導は難しいと言えます。そこで、現段階において小学校は、教師が教材研究・教材づくりで生成AIを活用し、コンテンツを子供に提供する、教師が生成AIでクリエイトしていく様子を子供が見て学ぶなど、生成AIの概要をおさえさせることが大切だと考えます。この取組が中学校との接続につながると考えてます。
実践1 5年生国語「インターネットは冒険だ」
要旨をまとめることは、子供たちにとって難しいという意識があります。そこで、生成AIを用いて要旨の見本を提供しました。
また、子供の書いた要旨を評価させ、アドバイスを子供にフィードバックを行いました。
実践2 小学校6年国語「イースター島にはなぜ森林がないのか」
ChatGPTを使って、「イースター島にはなぜ森林がないのか」の文章をもとに同じ構成・題材の文章を生成しました。アメリカで発生した竜巻被害についての事柄を使い、環境保全について述べた文章でしたが、ファクトチェックをしたところ、事実に基づいた文章になっていることが分かりました。文章構成も教科書に沿ったものになっており、これを読んだり、大事な部分に線を引いたりすることで、単元の学習を深めることができました。
実践3 小学校6年国語「いざというときのために」
ChatGPT4oには画像を解釈する機能があり、テキストだけではなく、関連する図やグラフと連動しながら捉えることができます。6年生では子供が作成した図やグラフを用いた提案書をChatGPTの機能を用いて評価を行いました。
評価は5つの基準を設け、各基準に20点の得点を設け、総得点を出力する形式をとりました。国語科の評価なので、文章の構成や表現の仕方に関しては厳しく審査するようプロンプトを設定しました。
実践4 小学校5年総合的な学習の時間「宿泊学習の思い出を楽曲で表現しよう」
SunoAIを使って宿泊学習の思い出の曲を作ります。
Wordクラウドによって、みんなの考えを集約できる、思い出の出力手段として簡単に曲に表すことができるなど、生成AIに関する様々な気付きがありました。
実践5 AIアバターを使ったテクノロジーとの付き合い方を考える授業
教師のAIアバターがいろいろな国の言語を流暢に話す姿に、驚きながらも違和感を感じ、本物ではないと見破る子供たちでした。
学校・会社・病院・介護施設など、具体的な場所を設定することで、AIアバターの有効な活用方法を考えることができました。また、活用のイメージを持ったことで、どのような危険性や問題があるのかについても具体的に考えることができました。
テクノロジーの光と影を考えたことで、それらとどのように付き合っていけばよいのか意見交流することができ、リテラシー面での意識向上を図ることができました。
取組5 宮城県総合教育センターとの連携&公開授業研究会を通した横展開
令和6年度は、宮城県総合教育センターと連携しながら研究を進めていきます。7月現在、授業の参観や意見交流・Chatによる連絡など、都度情報交換を行っております。
12月12日(木)には、岩沼小学校、岩沼南小学校合同で公開研究会を予定しております。
R6の校務DXについて
これまでエクセルで作っていた週報や月報をスプレッドシートに変えました。このことにより、教員はいつでも、どこでも端末があれば予定を確認することができるようになりました。常に更新される最新の情報を得ることができます。また、印刷して渡していた週報を廃止したことで、教師の視聴機会が増え、クラウド活用の習慣がさらに図られました。
毎月の安全点検をクラウド化しました。これにより、全職員による情報共有はもちろんのこと、要注意箇所は写真に撮って、点検表に貼り付けるというデジタルならではの良さを生かすことができています。
また、市教委とリンクを共有することにより、常に最新の学校管理状況を教育委員会とも共有することができます。
このシートは閲覧制限を設けることで、学校の職員のみ活用することができる状況になっています。
他学年の子供でも、すべての教員が顔と名前を確認し、褒めることができます。
また、子供についての共通理解を図る場面でも役立ちます。
地震や大雨などの自然災害が発生した際、これまでは、学校メールで引渡しの決定連絡を一方的に送るだけの対応しかできませんでした。今回作成した「引き渡しフォーム」を活用すれば、保護者の方がいつ、誰が、どのタイミングで引き渡しが可能になるか担任や学校と情報共有することができます。また、保護者から送信されたスプレッドシートデータを、関数を使って、各学年のチェックシートに反映させることで、学校は引き渡しが完了した家庭の数を職員全員がどこにいても確認することができます。
昨年度の大雨による引き渡しの際にいただいた保護者の方々の貴重なご意見によって、このフォームが完成しました。
各種アンケートの処理や文書作成など、様々な場面で生成AIは業務のサポートをしてくれています。特にグラフ等のデータの視覚化やシートの関数作成においてはとても頼りになります。
・文章の修正 ・メール文書の例文提示 ・アンケート集計と分析
・データの可視化 ・画像生成 ・表計算ソフトの関数作成
・授業のアイデア出し ・教育法規との照らし合わせ