GIGAスクール構想の10年前から行っているICT研修「ミニICT講座」
本校はGIGAスクール構想の10年前から,「教師1人1台のタブレット端末」と「学級1台の大型液晶テレビ」が岩沼市教育委員会から貸与され,職員研修を通して、授業における端末活用を行ってきました。研修は職員会議の最後に『ミニICT研修」として位置づけられ,職員によるICT活用の紹介や宮城教育大学板垣翔大先生と共同で開発したアプリ「miyagiTouch(開発当時はI-Touch)」の利活用について協議など,短い時間の中で研修を積み重ねてきました。
miyagiTouchはの機能は「撮る」「書き込む」「写す」と非常にシンプルです。それ故に,アプリの習得も5分でできます。教師のアイデア次第で授業内における様々な活用ができます。
Miyagitouchの強みは,年齢を問わずすぐに活用できる機能性とネットワーク環境が整っていなくても使用できるところにあります。図や写真を使ったり,該当箇所を強調したりしながら説明する経験は,児童の表現力や論理性の向上に期待できます。
GIGAスクール構想がスタートした令和2年度からの職員研修
全国で進められているGIGAスクール構想。岩沼市では「まなびiスクール構想」と名付け、ICTを活用して「協働的に未来を創造する児童生徒を育む」ことを目指します。あらゆる場所でインターネットを介したテクノロジーに支えられている日常を生きる子供たちは,今後テクノロジーを文房具の一つとして活用し学んでいきます。岩沼市では,ICTを活用して人々と様々な 課題を解決する能力,その素地を養う学校の実現を目指していきます。
DX担当による情報活用能力育成研修(R2.9月から実施)
本校はICTに関する職員研修を「GIGA研修」と呼んでいます。GIGA研修のコンセプトは「必要最小限の内容,短時間研修,即時実践」です。令和2年度から実施しているこのショート研修を積み重ねることによって,教師の情報活用能力を高めています。打合せや職員会議の中で実施する他にも,放課後の有志研修形式でも行っております。
3段階レベル構成のGIGA研修
学校DXの基盤は校務におけるICT活用
「まなび I スクール構想」で示されているテクノロジーを文房具として児童が活用するためには,まず教師が端末を持つ習慣を付け,文房具のように活用することが大切だと考えました。そこで,まずは校務の中でアプリやクラウド活用の習熟を図ることにしました。活用までの流れは以下のようになります。
1.学校独自のクラウドコンテンツを作成
2.GIGA研修の実施
3.翌日から実際に日々の校務で活用
クラウドを使わざるを得ない環境を設定しておくことも,習熟において非常に重要なポイントです。
【第2段階】 教師の授業におけるクラウド活用
研修→即時実践となるよう,GIGA研修では職員に伝えるアプリの機能情報量を制限している。
授業内活用で進むICT活用の常態化
校務において「共同編集」「情報共有」「クラウド」を習熟したことで,職員はその良さを理解し,活用習慣とともに意欲も高まりました。
ここからは,授業でのICT活用に移ります。企業の行う研修は,どうしても多様な機能に触れるものが多く,情報過多で活用に結び付きづらいことが言えます。GIGA研修では,そのアプリの持つ機能の2~3割,特に授業で活用できるものに限定し,実際に体験させることで理解を促すようにしています。その他の機能は当該アプリケーションの習熟を図った上で紹介すると,活用が進んでいきます。
情報担当は,研修後に実際活用している職員を見取り,紹介したり,良さを価値付けたりすることによって,職員の活用意欲向上を図ることが大切です。
これからの時代に必要な授業観への転換
令和5年度,岩沼小学校では「能動的な学び手」の育成をテーマに,これまでの一斉授業から子供が主語となる授業(複線型授業)へと新しい授業スタイルに挑戦を行っています。
GIGA研修では,Googleクラウドアプリケーションを使用した方法選択型探究学習『IndiviFLIS』の指導方法について勉強会を行ったり,研究主任による公開授業を参観したりすることで,学びを深めています。
その結果,学校単位で『IndiviFLIS』実践の蓄積が増えてきています。
研究主任が授業を公開し,職員が参観することで,新しい授業観のイメージや成果・課題の共有を行う。
①自主公開研究会
➁第1回全校授業研究会
③指導主事学校訪問
④秋田県大仙市訪問授業
GIGA研修を通した『IndiviFLIS』実践の広がり
※実践の参考文献
「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実:加固希支男(2003)