森林計画学分野

研究内容

 社会が森林に求める役割は、従来の木材生産機能だけでなく、より多面的な機能へと展開しており、地球温暖化緩和や生物多様性保全といった環境保全機能を十分発揮できる森林計画とその学問体系である森林計画学の発展が求められています。また、従来の木材生産機能についても、持続可能な社会の構築へ向けて、化石資源や鉱物資源のような枯渇性資源に替わり、再生可能資源である木材を持続的に利用していくことが重要となります。このような課題は、日本に限らず世界全体において共通するものであり、人間の社会経済活動に伴って資源・エネルギーの消費が増大しており、資源枯渇、地球温暖化等の地球環境問題と深く関わっています。そこで、本部門では、日本および世界の持続可能な社会構築・森林管理に向けた木材利用のあり方を検討するために、(1)森林・木材のマテリアルフロー・ストック分析、(2)木材需給の計量経済分析、(3)森林管理・木材利用のライフサイクルアセスメントを行っています。これらの研究成果を統合し、森林管理・木材需給・環境影響を統合的に評価する枠組みを構築することを目指しています。

具体的な研究テーマ


(1)森林・木材のマテリアルフロー・ストック分析

日本および世界各国における森林・木材のマテリアルフロー・ストックの解明

森林・木材に関わる炭素収支モデルの開発と将来予測


(2)木材需給の計量経済分析

木材需要・供給に影響する社会経済因子の解明

木材利用による経済波及効果の解明


(3)森林管理・木材利用のライフサイクルアセスメント(LCA)

LCAに基づく木材利用(建築・土木・紙・エネルギー等)の環境影響評価

木材を含むバイオマスのLCA手法の開発