学科/専攻紹介


未来の医療技術は君が創る

生体医用システム工学科(学部)は、医療分野における新しい診断・治療技術の研究開発を行い、世界で活躍する人材を育成することを目的として、2019年に創設されました。同名の学科は他学には無く、まさにオンリーワンの学科になります。2023年には、生体医用システム工学専攻(大学院)も発足しました。海外の大学では、"Biomedical Engineering (BME)" の名を冠した学科や専攻は珍しくありません。日本では、医学部や工学部といった区分けは明治期に設置されたものですが、社会環境が大きく変容する中で、生体医用システム工学科/専攻では学術を取り巻く既存の枠組みから脱却し、柔軟斬新な発想を持つエンジニアを養成します。

超高齢社会が進行している現代の医療や福祉の現場は、工学技術に裏付けれた様々な医療機器によって支えられています。未来の医療診断技術を創出するためには、特定の領域にとどまらない幅広い視野と領域横断的な知見が不可欠となります。さらに、医療機器の直接の恩恵を受ける患者のみならず、医療機器を扱う医療従事者の存在・立場も考える必要があります。生体医用システム工学科/専攻では、物理学、電気電子工学、機械工学、材料工学といった異なる専門性を背景とした研究者が共存し、知見を共有し、互いに刺激し合うことを通じて、医療診断技術におけるイノベーションを目指し、日々切磋琢磨しています。 

生体医用システム工学科

生体医用システム工学専攻

学科長/専攻長

生嶋 健司

高校生のみなさんへ

高校生のみなさんのなかには、物理や数学が好きで、将来、技術者や研究者になりたいと思っている人が多いと思います。日本では、健康・医療関係分野が成長戦略の柱として位置付けられていることはニュースなどを通じてご存じのことと思います。これからは、従来の生物・生命分野のみならず、そこに物理学、数学、情報工学を融合させることによる革新的な医療技術の開発が重要になります。生体医用システム工学科では、これまでの学問分野に捉われない、医療における新しい計測・診断技術の研究開発に取り組んでいます。

学科のカリキュラムは、高校で学ぶ数学や理科をさらに発展させた【物理系科目】および【電子情報系科目】での学びを深めながら、同時に【生物・医療系科目】も学ぶことを通して、最終的にこれらを領域横断的に融合・架橋する手法や視座が身に付くように設計されています。医療分野へのシフトを進める日本企業のニーズにあった能力を身につけることができます。さらに、英語学習や海外留学の機会も豊富ですので、将来は海外の企業で働くことを視野に学ぶことも可能です。もちろん、従来からの分野である物理学や電子情報に関する研究力も十分に養われますので、電機、精密機械、情報、化学などの関連企業に就職することもできます。大学院博士課程に進学して、私たちと一緒に研究者として活躍したい人も歓迎します。


理念

現在、日本における高齢者の割合はますます増加することが予想されます。この少子高齢社会において、私たちが健康で安全な毎日を送るために、生活の質的向上、在宅医療、福祉を含めた医療・診断の進歩革新への要望年々高まっています。最新の医療・診断は、医学と工学との連携が必要不可欠です。また、エレクトロニクス情報等のテクノロジーと生物学医学等の存在を抜きにして現代の医療診断を語ることはできません。これらの科学技術と医学のさらなる密接な連携が、より質の高い次世代の医療・診断技術、および、新規産業分野の創成に結びつくと考えられます。したがって、大学における医工連携に精通した人材の教育・育成の重要性が強く認識されるようになってきました。

このような医療を取り巻く現代社会にあって、生体医用システム工学科生体医用システム工学専攻は、数学、物理学、エレクトロニクス、生物学等を基盤とした工学を利用して、様々な生命現象に潜むメカニズムを臓器、細胞、遺伝子、分子・原子レベルで解明・理解することに加え、応用に資する革新的な計測・分析技術創成ます。さらに、医療現場における診断・治療ニーズを踏まえた工学のシーズ応用をめざす教育・研究を通して、これからの医療技術と国際社会を牽引する研究者・技術者の養成を目指しています。 


教育方針

現代医療における計測・診断技術に不可欠な物理学や電子情報工学等を領域横断的に学ぶことを通して、医療にかかわる工学技術と生物学・医学を総合的かつ体系的に理解する能力を培うと同時に、従来の学問体系に捉われない柔軟な発想のもとに生体医用工学技術の革新的な研究開発を実践することができる人材育成ます。


学びと将来への展望

生体医用システム工学科/生体医用システム工学専攻は、医療にかかわる計測・診断技術の開発に不可欠な物理学や電子工学、生物学を横断・融合した形で総合的に学ぶことができる学科/専攻です。これまでの学問分野に捉われない柔軟な発想のもとに、医療分野のニーズに応える工学技術の研究開発を行う力が身に付きます。

学部課程においては、低学年次、数学、物理学、生物学等に加え、医療機器や計測・診断技術のしくみにかかわる専門基礎科目学びます。高学年次では、医療応用にかかわる生体機能、生体物理、生体フォトニクス、生体医用センシング、医用超音波工学、医用デバイス工学、医用メカトロニクス、生体医用光学、光エレクトロニクス等について学びます。さらに、3年次後期の研究室体験配属、4年次の卒業論文を通して、企画設計力、研究開発力、論理的発信力を身に付けていきます。

大学院課程においては、複雑化する多種多様な医療分野のニーズを理解し、次世代の医療を担う技術やシステムの開発を担う研究者やエンジニアとして専門的かつ最先端の知識を学びます。また、最先端の生体医用工学研究のみならず、医工協働研究や産学協働研究を通して、より実践的な医療技術・システムの研究開発プロセスを体得することができます。


将来の進路

学部卒業生の約7割は大学院へ進学します。近年、従来の枠組みを超えた様々な業種の企業が、生体や医療分野の研究開発に取り組んでいます。物理学や電子情報工学を体系的に学んだ卒業生は、幅広い産業分野で活躍しています。

アンリツ

エヌ・ティ・ティ・データ

エプソン

エム・ティ・フィールドサービス

オリンパス

花王

キヤノン

コナミ

コニカミノルタ

シスメックス

島津製作所

清水建設

GEヘルスケア・ジャパン

住友電気工業

ソニー

大成建設

ダイキン工業

中国電力

東京エレクトロン

東京ガス

トプコン

トヨタ

日産自動車

日本電気

日本音響エンジニアリング

パイオニア

パナソニック

フジクラ

富士通

フタバ産業

本田技研工業

三菱電機

三菱日立パワーシステムズ

村田製作所

ヤンマー発動機

横川計測

横河電機

他 官公庁



就職先企業などは、大学院工学府(博士前期課程)修了者の就職先を含む。