生成系AIに関する留意事項(教職員向)
■生成系AIに関する留意事項
ChatGPTに始まり、Google Bard、BingAIやWindows Copilot等が発表され、急速な進展を遂げている生成AIは、文章、画像、音楽、コンピュータプログラムの自動生成や、より効果的なインターネット検索を実現できることから、今後様々なソフトウェアやサービスにおいて発展することが予想される大変期待の大きいツールです。
一方、大学における教育・研究・各種業務に生成AIを利用するうえで、留意すべき事項も多々あると考えられます。私たち教職員は、これら生成AIの長所・短所を常に注意深く調べ、よく理解して活用しなければいけません。そこで、教職員の皆さんに生成AIを有益な道具として適切に利活用していただくために、本学として特に留意してもらいたい事柄を以下の通り挙げてみました。非常に進歩の激しい分野ですので、今後も相互の情報交換と発信を活性化していけるように御協力くださいますようお願いいたします。
(1)業務上知り得た個人情報等の保護について
学生向けに公表した「生成AIに関する学長メッセージ」と同様に、個人や特定の団体、企業に関わる内容については取り扱いに十分な注意をして下さい。特に、学生の個人情報、入試データ、学習データ、アンケート結果等が外部に漏洩する事の無いよう、生成AIに入力することは避けてください。教職員の個人情報・学内の秘匿性の高い情報についても同様です。また、生成AIは入力された質問やデータを学習する傾向があるため、未発表の研究論文を言語変換する場合など、情報が漏洩する懸念がある場合は、オプトアウト申請などにより入力データの利用・転用の禁止を担保する必要があります。
(2)著作権について
生成AIが出力する成果物は、第三者の著作権保護について十分な法整備がなされていない可能性があります。また、気づかないうちに、私たち教職員自身が著作権の侵害者となる危険性もあります。生成AIの生成物を自らの成果物として安易に利用することが無いように十分気をつけてください。研究インテグリティの立場および著作権等の観点から、生成AIにより生成された文章や画像等の取扱いには十分に慎重を期す必要があります。
(3)生成物に含まれる情報の信頼性について
生成AIに限らず、インターネット上の情報は情報の正確性を保証しておらず、誤った情報を含んでいる場合も多くあります。特に生成AIによる文章等の出力について、AIが過去に学んだ語句から利用者の要求に対してもっともらしい文章を出力するに過ぎませんので、情報の信憑性については自ら確認、担保してください。また、学生にも講義・ゼミ等において、この点を十分説明してください。
(4)講義等における学生への対応
生成AIの講義・ゼミ等における利活用方法は原則として各担当教員に委ねます。各教員におかれましては、上記留意点に十分配慮しながら、適切に対応してくださいますようお願い申し上げます。一方で、教育活動に対する生成AIの利活用方法については、今後大学としても情報収集を行い、各教員の教育活動を支援できるよう努めてまいりますので、ご協力をお願いいたします。
(5)終わりに
以上述べた留意点を差し引いても生成AIを利用する長所は多く、我々の業務や教育・研究を飛躍的に推進してくれる可能性も有しております。事務処理のDX化及び教育支援、学修支援、研究支援の高度化に寄与する利用を妨げる理由はありませんので、上記留意事項に配慮しながら生成AIの利活用を推進していただきたいと考えています。
以上
■関連情報
- 東北学院大学
- 文部科学省
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