植物のプログラム細胞死(アポトーシス)と老化

プログラム細胞死というのは、例えば、細胞が特定の刺激を受けた時や、特定の時期が来た時、もともと計画されていたプログラムが働いて、自発的に細胞が死んでしまう現象です。計画されている通りに死ぬので、プログラム細胞死といいます。動物ではアポトーシスともいいます。樹木についていた葉が紅葉して落ち葉になるのはプログラム細胞死です。


また、老化は細胞死と密接にかかわっています。落葉樹では秋になると日が照っている時間や温度の変化などを感じて、葉の細胞がゆっくりと自発的に老化して自発的に死んでいき、細胞内の内容物を分解して栄養分として葉から幹に運ぶ転流が起こります。


プログラム細胞死や老化は植物の生理上、色々なところで起きますので、それぞれに対応した未知の遺伝子がたくさんあるはずです。見つけた遺伝子が、どういうときに、どのように、組織や細胞の中で働いているのかを研究しています。これらの研究結果をもとに応用研究として腐りにくい果実や枯れにくい花きの品種改良に役立てます。林潤