先端増養殖科学科
設置構想

新学科設置構想の背景

図1 世界の漁業生産量の推移と養殖業生産量の占める割合の推移

図2 我が国の漁業生産量の推移と養殖業生産量の占める割合の推移

第4回養殖業成長産業化推進協議会(R2.3.10開催)会議資料より引用 https://www.jfa.maff.go.jp/j/saibai/yousyoku/seityou_19.html

<世界と日本の養殖水産物の動向>

  • 世界では、藻類養殖や内水面養殖の生産量が大幅に増加し、2013年以降は漁業生産量全体に占める養殖業の割合が5割を超えている(図1)

  • 日本では、漁業生産量は減少しており、近年の漁業生産量全体に占める養殖生産量の割合は2割程度である(図2)

  • 漁船漁業による生産量の増大が見込めないため、養殖業への期待が大きくなっている

  • 世界的には人口増加の影響によって水産物の需要の拡大も見込まれているが、水産資源は減少傾向にあり、水産増養殖による食糧増産への期待が高まっている

<新学科の設置構想の背景>

  • 地域の持続可能性を支えるため、地域産業として重要な役割を果たす水産業の担い手となる人材育成が強く望まれている

  • 日本だけでなく世界的にも重要となっている水産増養殖の分野で活躍できる人材育成が望まれている

  • AIやIoTなどスマート化技術を活用した育成技術や環境負荷の少ない餌の開発など「持続可能な水産増養殖」について専門的に学べる学科が必要である

⇒ 水産増養殖が学べる新学科の設置を構想

新学科設置構想の概要

  1. 名  称 先端増養殖科学科 (Department of Advanced Aquaculture Science)

  2. 組  織 福井県立大学 海洋生物資源学部に増設

  3. 入学定員 30名

  4. 開設時期 令和4年(2022年)4月

  5. 本拠地  海洋生物資源臨海研究センター(福井県小浜市堅海)

図3 福井県立大学の各キャンパスの位置

1年生は永平寺キャンパス(永平寺町)で学び、2年生からは海洋生物資源学部のある小浜キャンパス(小浜市)で学びます。小浜キャンパスでは、海洋生物資源学科との共通の専門科目などを学び、かつみキャンパスでは、先端増養殖科学科の専門科目を学びます(図3)。


かつみキャンパスが設置される福井県小浜市堅海地区には、3つの機関が集結しています。

  • 福井県立大学
     海洋生物資源臨海研究センター、先端増養殖科学科

  • 福井県水産試験場(栽培漁業センター)

  • ふくい水産振興センター

先端増養殖科学科の教育の柱(予定)

  1. 水産増養殖に関する現状と問題点を科学的に理解し、先端技術を実践的に活用する能力を修得するための教育を実施する

  2. 増養殖の応用基礎力を習得したうえでフィールドでの実践的な実験・実習に重点をおいた教育を実施する

  3. 増養殖に関する課題を論理的、客観的に解決するための分析手法・予測手法を修得するための教育を実施する

  4. 国内の増養殖産業の発展、地域産業の創出のみならず「増養殖分野」で国際的にリーダーシップをもって活躍する人材を育成するための教育を実施する