Research

DNA骨格による人工細胞の力学的制御

リポソーム等の人工細胞は医薬用カプセルとして応用される一方、脆弱性に課題があります。近年、自己組織化したDNAミクロゲルによるネットワーク構造を人工細胞に付与し力学的補強が可能であることが報告されました。現在、DNAネットワークの骨格構造と人工細胞の力学特性の相関の定量化を吸引測定によって行っており、将来的には人工細胞の力学的制御を目指しています。

人工細胞内でのクマムシタンパク骨格の力学特性の解明

クマムシは乾燥すると極限環境ストレスに対して耐性を示すことで知られている生物であり、乾燥ストレス曝露中に特異的なタンパク質が細胞質中に大量発現します。このタンパク質はヒト培養細胞に発現させるとストレス依存的に線維化することが示されているので、人工細胞中での再現実験を行い、タンパクの線維化が細胞にもたらす力学的影響について明らかにすることを試みています。

Tanaka, A., Nakano, T., Watanabe, K., Masuda, K., Honda, G., Kamata, S., ... & Kunieda, T. (2022). Stress-dependent cell stiffening by tardigrade tolerance proteins that reversibly form a filamentous network and gel. PLoS biology, 20(9), e3001780.