導入演習の課外学習

0.全体の発想

通常の講義では、おおむね、

 講義前の予習(2時間)  → 受講(2時間)  → 講義後の復習(2時間)

 というサイクルで時間が組み立てられています(ただし、予習と復習の時間は目安です)。つまり、14回の講義でおおむね56時間(14×2×2)の授業外学習が想定されています。あるいは、実際にはそれよりも多くの時間が想定されているかもしれません。

 それに対して導入演習では報告の準備が主な授業時間外学習の内容になります。そのため講義とは異なり、授業時間外学習にかかる時間が毎週均等にはなるわけではない可能性がある点に注意してください。

 また講義とは異なり、予習と復習の区別が明確でない点にも注意してください。おおむね、事前準備中心となります。

 以下で示される時間の目安は、上記の「半期で56時間」を念頭に組み立てております。学期中は事前準備が中心であることに鑑み、「予習時間(半期で28時間)」を超えない範囲での時間を学期中の演習準備に設定し、「復習時間(半期で28時間)」相当の時間を夏期と冬期の休業中における論文準備に設定しています。

 もちろん時間はあくまで目安であり、どのくらい時間がかかるか(あるいはかけるか)は受講生の事情により大きく異なります。こちらが想定する時間は「これくらいあれば終わるであろう」という目安です。実際にやってみて時間が大きく超過してしまうなど過度な負担を感じた場合には担当教員にご相談ください。

 目安との乖離が生じやすいのは特に後期であると想定します。後期には個人で論文を執筆します。夏期休業等を利用して論文にじっくり取り組みたい学生は上記の目安の時間を超過して準備することになるかもしれません。他方、時間的な余裕がない場合には必要とする準備をクリアできれば単位を認定いたします。

1.グループでの発表のための準備(前期は14時間、後期は8時間を想定)

 前期で2回、後期で1回、グループ(1グループ4人前後)ごとに発表します。後述の個人発表も含めて半期で2回ずつ発表回がありますので、履修に際しては事前にその点を考慮してください。もちろん、様々な事情で負担が過重になりそうであると感じた場合には早めに相談していただければ対応いたします。

 発表内容は、以下の通りです。それぞれグループで取り組みます。

 (1) 指定された文献(新書で40頁程度)を読み、その内容を要約する(1回)。

 - 前期の第6回から第9回のうち、1回を担当します。

 (2) 指定されたテーマについて、グループで資料を調べ、その内容を報告する(1回)。

     - 前期の第11回と第12回のうち、1回を担当します。

 (3) 各グループでテーマを設定し、その内容について資料を調べて報告する(1回)。

    - 後期の第5回から第8回のうち、1回を担当します。

 準備の所要時間について、目安としては(1)6時間から(2・3)8時間程度を見込んでいます。その準備時間には、発表に先立って、資料を読む時間、発表用資料(レジュメ・報告用スライド、詳細は演習が始まってから説明します)を作る時間、作った資料について教員からチェックを受けて資料を修正する時間、資料を共有フォルダにアップロードする時間を含んでいます。

2.個人発表のための準備(後期に6時間を想定)

 後期に1回、個人で発表を行います。個人発表の準備は、後述する論文執筆のための準備と連動しますので、時間の目安を設定するのが少し難しくなります。念のため、目安の時間を6時間と設定しました。夏休みの課題と合わせて取り組めば、それよりも少ない時間で準備できるものと想定しています。

3.ディベートの週の準備(前期は4時間、後期は4時間を想定)

 前期に1回、後期に1回、クラスでディベートをします。 発表と同じグループを中心に、準備を行います。

4.他のグループや個人が発表している週の準備(前期は6時間、後期は8時間を想定)

 他のグループが発表を担当している回については、当日の発表後に予定されている討論に参加できるように、受講生が個人単位で事前に準備します。

具体的には、

 (1) 本の要約の回では、文献の該当箇所を精読して、疑問点を整理しておく()。

    ※ 当日、疑問点を参加者全員で討論します。

 (2) テーマについての発表の回では、事前にテーマを共有して見解を整理しておく。

 (3) 個人発表に先立っては、論文の題材を事前に共有して議論の準備をしておく。

  準備の目安は、おおむね各1時間程度を想定します。

5.事前の準備が想定されない週

 前後期の初回(オリエンテーション)と最終回(演習のまとめ)、グループでの討論(前期は第2・10回、後期は第2・3回)の週と図書館の見学会の週(前期3回を想定も予定変更の可能性あり)は、事前の準備は必要ありません。発表の準備を早めに始めるなどして、時間を調整してください。

6.論文の執筆

 年間を通じて、学期末(1月末提出予定)の論文執筆を目指して準備します。準備の手順は演習の中で説明いたします。時間の目安は前期と後期を合わせて40時間程度と想定しています。

 ※ 1月には学期末試験もあるので、論文の執筆は早め早めに準備を進められるよう、演習中にも作業を促します。

 作業には、具体的には、(1) テーマの設定、(2) 資料の収集と精読、(3) 実際の執筆、などが含まれます。後期の演習で行うグループ発表は論文の内容と関わるもの、個人発表は論文の構想を発表するものですので、演習中にも作業が進んでいることになります。

 それでも個人で準備する時間は発生します。特に上記の1・2は夏期休業、3は冬期休業を利用して、じっくり取り組んでください。

7.論文の講評

 論文の提出後、オンラインシステムを活用して口頭で論文の講評を行います。時間の目安は、1時間程度です。一対一で論文執筆の成果を確認します。