国連　公式文書記号

国連の公式文書は多岐にわたり、またその文書ひとつひとつに記号がつけられています。１.「公式文書記号の読み方・さがし方」では、公式文書一部ルールを説明し、実際の文書記号を解読してみます。

なお、国連公式文書の一部（2007年から2018年）が国連広報センターの暫定訳として公開されていますので、２.「国連公式文書（邦訳集）」をご覧ください。

国連公式文書の調査には、文書記号の意味を理解することが必要です。それにはまず、「組織」・「文書の性格」記号の基礎的な理解が必要です。その一部をここで紹介します。

＜国連公式文書記号の仕組み＞

（親）組織の記号（一部）

A/ 総会　General Assembly

S/ 安全保障理事会　Security Council

E/ 経済社会理事会 Economic and Social Council

S/ 事務局　Secretariat

文書の性格の記号（一部）

RES/ 決議

PRST/ 安全保障理事会議長によるステートメント

-/SR. ... 会議の要約記録

-/WP. ... 作業文書

＜国連の公式文書記号の順序＞

文書記号の順序には、左から次の次のようなおおまかなルールがあります。

文書発行の組織（親組織）→　文書の性格　→　文書の番号　

一例として、文書 A/RES/70/1 の記号を解読してみましょう。

常に文書の右上に付されているのが文書記号です。

”A/”は、文書発行の組織 "General Assembly"「総会」を意味します。"RES/"は、文書の種類 "Resolution"「決議」を表し、"70/"は会期「第70回総会」を意味します。最後の数字"1"は会期中に発行した文書の号数で、文書第１号です。

そして画像下部にあるのは、この決議の「タイトル」です。

したがって、この「公式文書の記号(A/RES/70/1)」と「タイトル」は、以下のように読み取れます。

第70回・総会・決議・文書第1号

"Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development"

＜国連公式文書のさがし方＞

この公式文書をさがしてみましょう。検索には、「２．各機関トップページからさがす」で紹介のある国連総会の公式文書サイトを利用できます。また、国連公式文書システム（ODS）にアクセスし、画面上部にあるSymbol（文書記号欄）内に文書記号 ”A/RES/70/1” を入力することで検索ができます。（”A/RES/70/1”への直接リンク）

また、国連公式文書システム（ODS）で利用できる検索語は、文書記号の他に、タイトル内の語・文書発行日または公表日・テーマなどがあります。

なお、ここに紹介した文書記号は、わかりやすい部類に入ります。実際の国連公式文書には、さまざまな組織・下部組織・会議名・原文書への修正などの記号があり、非常に複雑です。さらには、さがしている公式文書の文書記号が正確にわからない場合もあります。

記号の読み方と文書検索の方法をより詳しく学修する場合は、次のWebサイトを参照してください。

＜参考サイト＞

国連広報センターは、暫定訳として2007年から2018年の国連決議・報告を公開しています。

（暫定訳としての注釈はこちらを確認ください。国連広報センター国連決議の邦訳）