香取研究室

統計物理学・数理物理学研究室

2024年1月からホームページが新しくなりました。2022年以前の情報はこちらからご覧ください

私の研究室では、卒研生、大学院生、ポスドク研究員の人たちと、揺らぎの物理と数学を研究しています。

量子力学での揺らぎはハイゼンベルクの不確定性から生じる原理的なものであり、統計力学での揺らぎは情報の縮約によって生じるランダム性によるものです。このように両者における揺らぎは全く別物のようにも思えますが、無限個の粒子の状態を扱う量子場の理論や、散逸を伴う非可逆現象を記述する非平衡統計力学を考えていくと、不思議なことに両者の違いは薄れ、両者に共通する揺らぎの本質論に迫らなければならなくなります。

ランダム行列理論に関連した無限粒子相互作用系の確率過程、共形場理論に関連した揺動確率場、可積分確率論、非可換確率論、楕円関数拡張など、数学的な研究を行っています。それと同時に、伝染病伝播、浸透現象、交通流、生態系の動力学、経済・社会現象などのいわゆる複雑系に対して、数理モデルを考案し、計算機シミュレーションによる計算と相転移・臨界現象理論の応用なども行っています。いずれも揺らぎを正しく記述するための相関関数や応答関数を見出す試みです。

各メンバーが興味を持って主体的に楽しく研究できるような研究室にしたいと思っています。

香取眞理(かとりまこと)

News & Topics

大学院生修士Z. Mouayn 氏, L. Wei 氏, Y. Huang 氏 を海外からお招きして、3日間( 2024年7月11日(木) - 13日(土) )の研究イベントを中央大学で行います。関心のある方は是非参加ください。特設サイトは こちら

大学院生修士2年の江添さん、森本さん、田中君らのアリの採餌行動に対する数理モデル研究の英文論文が、統計物理学の専門学術雑誌 Physica A に受理され掲載が決定しました。すでに、オンライン出版 されています。

2023年度の卒研発表会を開きます。来年度の卒研生は是非、参加して下さい。

大学院生の森本さんが、奈良女子大学で開催された確率論の研究会に参加し、ショート・コミュニケーションで研究発表をしました。

大学院生の江添さん、田中君、森本さんが、シンガポール国立大、数理研究所で開催された国際会議(Random Interacting Systems, Scaling Limits, and Universality)に参加し、ショート・トークセッションで英語講演をしました。