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私の研究室では、卒研生、大学院生、ポスドク研究員の人たちと、揺らぎの物理と数学を研究しています。
量子力学での揺らぎはハイゼンベルクの不確定性から生じる原理的なものであり、統計力学での揺らぎは情報の縮約によって生じるランダム性によるものです。このように両者における揺らぎは全く別物のようにも思えますが、無限個の粒子の状態を扱う量子場の理論や、散逸を伴う非可逆現象を記述する非平衡統計力学を考えていくと、不思議なことに両者の違いは薄れ、両者に共通する揺らぎの本質論に迫らなければならなくなります。
ランダム行列理論に関連した無限粒子相互作用系の確率過程、共形場理論に関連した揺動確率場、可積分確率論、非可換確率論、楕円関数拡張など、数学的な研究を行っています。それと同時に、伝染病伝播、浸透現象、交通流、生態系の動力学、経済・社会現象などのいわゆる複雑系に対して、数理モデルを考案し、計算機シミュレーションによる計算と相転移・臨界現象理論の応用なども行っています。いずれも揺らぎを正しく記述するための相関関数や応答関数を見出す試みです。
各メンバーが興味を持って主体的に楽しく研究できるような研究室にしたいと思っています。
香取眞理(かとりまこと)
8月6日(水)と7日(木)に後楽園キャンパスでオープンキャンパスが開催されます。両日とも10:00-15:30に、卒研生8名が研究室公開を行います。場所は新1号館2階1242室(セミナー室)です。スライドや動画を使って研究内容を発表する予定です。研究活動だけでなく、中央大学物理学科での勉強や生活の様子についてもお話できると思いますので、是非皆さんいらしてください。[詳しくはこちら]
笽島千鶴さんが2025年度学長賞授与式・懇談会に参加しました。笽島さん、素晴らしいスピーチですね。おめでとうございます。
https://www.chuo-u.ac.jp/campuslife/scholarship/news/2025/07/81545/
ランダム行列理論を情報理論に応用している Lu Wei 教授をアメリカ・テキサス工科大から本学国際センターと大学院理工学研究科の客員教授として招聘しました。香取研究室に6月19日(木)から7月12日(土)まで滞在して、共同研究を行います。6月25日(水)の3時限と4時限に、ランダム行列理論とその情報エントロピーの計算への応用に関して入門的な講義をしていただきます。学部生、大学院生を対象に、黒板を使ってゆっくりと(英語で)講義をしてくれます。興味ある人は是非、聴講して講義に参加して下さい。
卒研生の笽島千鶴さんと新村海斗君が、それぞれ中央大学の2025年度学長賞と学部長賞を受賞することが決まりました。
2021年度修了の星奈津子さんの修士論文の内容の一部が、アメリカ数学会 (AMS) 刊行の学術専門誌 Contemporary Mathematics に掲載されることになりました。特殊関数論の世界的な権威である Tom H. Koornwinder(アムステル大)と楕円関数拡張の専門家のMichael J.Schlosser (ウィーン大)との共著です。7月6日発行予定です。
新1号館に研究室を移転しました。新しい研究室は新1号館2階 1223 号室です。(香取の居室は 1220 号室です。)