日時:2025年9月13日(土) 9:00~17:00
会場:とかちプラザ 視聴覚室
令和7年度と8年度における日本農業経営学会大会シンポジウムでは「多様な経営目標と資源制約に直面する農業経営主体の意思決定支援の理論と実際」を統一テーマとして,2大会を通じた農業経営学における理論およびその応用に関する現代的な課題を検討する。具体的には,令和7年度のテーマとして「多様な経営目標と資源制約に直面する農業経営主体の技術導入と市場対応」,令和8年度のテーマとして「多様な経営目標と資源制約に直面する農業経営主体の情報利用と経営発展」(仮題)を設定し,農業経営研究の実践的役割と理論の深化を目的とした課題設定を計画している。
伝統的な農業経営学では,家族経営を主な対象とした経営主体の意思決定に関する理論を基礎として,さまざまな実証分析が展開されてきた。他方,従来,家族経営に加えて法人経営や集落営農等を対象とした実証分析の蓄積はもちろんのこと,農業経営を取り巻く制度や市場他の社会経済的な環境変化に対応した実証分析の広がりについても議論の進展が甚だしい。そして,具体的に,近年の農業経営主体の展開と発展方向に注目すると,地域を単位とする資源利用を目的とした経営意思決定、従来には観察されなかった程度の高額投資を前提とした金利のある世界でのダイナミックな経営意思決定,企業によるコンサルテーションに依存した農業経営主体による技術導入・組織づくりなど,さまざまな経営展開に注目できる。また,地球温暖化や国内・国際社会の変化による生産要素市場・生産物市場の変動は、農業経営に対する制度も含めた資源制約をより厳しいものとしている。
令和7年度のシンポジウムでは,農業経営主体の技術導入とコンサルテーションを対象として,多様な経営目標と資源制約に直面する経営主体の意思決定支援の実態について,それぞれの課題に応じた理論仮説の設定をもとに理論的・実証的な議論を展開し,農業経営学の現代的な課題の整理を試みたい。
座長:仙北谷 康 (帯広畜産大学)・松下 秀介 (京都大学)
武藤 幸雄 (香川大学)
氷見 理 (新潟大学)
山田 洋文 (北海道立総合研究機構 農業研究本部 中央農業試験場)
田口 光弘 (農研機構)・中江 明男 (合同会社 フレーム宝珠)
コメンテータ:若林 勝史 (農研機構)・飯田 拓詩 (北海道立総合研究機構 農業研究本部 中央農業試験場)