機構長メッセージ
機構長メッセージ
高等教育推進機構長 山本 文彦
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。北海道大学の教職員・学生を代表して、皆さんを心から歓迎します。
北海道大学は、1876(明治9)年に開校した札幌農学校を前身とし、まもなく150周年を迎えます。現在では、12の学部に、1学年約2,600名、合わせて11,000名の学部学生が在籍する総合大学で、全国的にも最大規模の国立大学の一つです。そして、学生の3分の2ほどが北海道外からの進学者という、国立大学の中でもまれな全国区の大学となっています。新入生の皆さんには、同じように北の大地にあこがれて全国から集まった多くの仲間がいるのです。個性や関心の多様性を楽しみ、互いに切磋琢磨しながら、教室の内外で自ら学び、そして自分自身を鍛え上げ、専門の学修の基礎となる教養や語学をしっかりと身に付けてください。
特に、本学では、「フロンティア精神」・「全人教育」・「国際性の涵養」・「実学の重視」という本学の四つの基本理念を一身に体現し、『武士道』の著者であり、札幌農学校第2期生の新渡戸稲造(1862-1933)にちなんで、グローバルリーダーを育成するための学部横断的な特別教育プログラム「新渡戸カレッジ」を平成26年度から開校しています。そこでは、教職員だけではなく、海外経験が豊富な先輩の同窓生が、皆さんのより深い学修とキャリア形成を支援します。日本の大学ではほとんど類例を見ないこのユニークなプログラムにも、ぜひチャレンジしてください。
大学における学修は、すでに誰かが見つけ出した答えを知ることで足りるものではありません。それよりももっと大事なことは、「自ら学ぶ」ことです。大学は、12世紀のヨーロッパで誕生しました。学生たちは学びを求めて、教師と「知の契約」を結び、学びを深めました。この背景には新たな知を求める探究心があり、社会もまた新たな知を必要としていました。総合教育部での1年間は、皆さんがまさに新たな知を求める時間であり、「自ら学ぶ」ことの第一歩だと思います。そしてやがて知の力に支えられて、社会に飛び出して欲しいと思います。
皆さんの"Ambition"が"Lofty Ambition"に高まることを心から願っています。