日本の物価・不動産価格の変動

-大規模ミクロデータを用いた解明と統計の再構築-

UPDATE: ウェブサイトを公開しました(2024/3/29

研究概要


戦後日本経済の最大の転換期となった不動産バブル期には、不動産価格が大きく変動したにもかかわらず、物価は安定的という不可解な事象が確認された。この「動かぬ物価」が原因となって、不動産バブルへの政策的な対応が遅れ、その後の日本経済の長期的な停滞の一因となったことが、近年の研究で指摘されている。


本研究課題は、その事象の原因を、「政府が公表する物価指数は、現実の社会を正しく写像できていなかったのではないか」という仮説に求め、研究を進める。具体的には、経済理論・指数理論に空間概念を組み入れ、①この課題を克服した新しい物価・不動産価格の説明が可能なモデルを構築し、②官民に蓄積された大規模ミクロデータを用いて、構築したモデルを機械学習の技術による「再現性」と「予測可能性」から検証・精査する。そして、構築されたモデルに基づき、③新しい物価指数および不動産価格指数を開発し、広く社会に発信する。


キーワード


経済測定、物価指数、不動産価格指数、人口集積、公的統計