令和8年6月23日(火) 臨時の全校放送
〇久しぶりの更新になります。最近、自転車通学のマナーがよくないということで、地域のみなさまからお𠮟りや心配のお電話を受けることが多くなってきました。そこで、昨日生徒指導部から臨時の全校放送で呼びかけをおこないました。
・今日は臨時の全校放送をおこないます。昨日はサッカーワールドカップで日本が勝利して、本当ならば気持ちのよい週明けなるはずでしたが、残念ながらこれから話すことはよいことではありません。
・先週金曜日の放課後に、学校に苦情と心配の電話が4件もありました。こんなのは初めてで、すべて同じ内容でした。「道に広がって、二人乗り、ノーヘルでスマホ触りながら危険な運転をしている。」また別の日には「赤信号を無視して飛び出してきたので、危うく轢きそうになった。」というドライバーさんからの連絡もありました。よほどひどい状況だったのだと想像ができます。
・「学校ではどんな指導をしてるのだ!!」というお怒りもあり、心からみんなのことを心配してくれている人もおられました。君たちが赤ちゃんや小さい頃からよく知っているという地域の方の声も届いていました。
・最初に言っておきますが、そもそも自転車通学は、学校から「自転車で来てください。」とお願いしているわけではありません。君たちのお家から許可してくださいと書類を出されて、学校が許可しているのです。そして、その書類の中には「ルールを守る」という条件と約束がしっかり書かれてあります。なのでルールを守れないなら歩いて来なさい。よろこんで自転車通学を取消します。だって徒歩の方が自転車よりはるかに安全ですから。
・去年あたりからこのような電話がかかってくることが多くなったので、残念ながら現在、罰則規定を作ろうか先生方と相談をしているところです。高取中学校には自転車通学のルールはありましたが、それに違反した場合の罰則規定はこれまでありませんでした。それは過去の先輩たちがバツなんかなくても、しっかりルールを守ってくれていたからです。
・実は他のほとんどの学校では、自転車通学の罰則規定が存在します。それはバツがないと守れない生徒が結構いるからなのかもしれません。逆に言えばバツを作っていないことは、これまでの高取中学校の自慢だったのです。しかしながらここまでくると、さすがに規定を作らないとしまいに大きな事故や命まで危ぶまれる状態なので、やむを得ないと考えています。
・規定の内容は自転車通学の停止や取消し、自転車を学校で預かるなどの内容になるかと思います。でもよく考えてください。ごほうびやバツがあるから、ないから、ルールを守る、守らないなんておかしいと思いませんか。今決められている自転車通学のルールはすべて当たり前のことばかりで、特別難しいことはひとつもありません。だから守れて当たり前のはずなのです。その証拠にほとんどの人はちゃんとヘルメットも被って安全に登下校できています。ちょっとスピードの出しすぎが心配な時があるよ、と校長先生はおっしゃてますが。
・そのような人たちはこう思っているでしょう。「おれはちゃんと守っているのに、なんでこんな話聞かなあかんねん。怒られやなあかんねん。」と。よくわかります。先生たちもその気持ちよくわかります。でも、今きっちり守れているみなさんもひょっとしたらこの先、自分の心の弱さに負けかけて「今日暑いし、ヘルメ被るのめんどくさいな。」とか「ちょっとくらいギリ赤信号でも突っ込んでもええやろ。」みたいな気持ちになるかもしれません。だから、今日の話はうっとおしいかもしれないけれど、そんな時のための保険としてしっかり自分事として聞いておいてください。今ルールを守れている君。それが間違いなく正しいのです。バツなんかがなくても、誰かが見ているとか、見ていないとか関係なく、ちゃんと自分の強い意志でルールを守れている自分に誇りをもって、これからも安全運転を心掛けてください。もし心の弱さが自分の中で出てきそうな時は、今日の話を思い出して、それに負けないように必死で踏ん張ってくださいね。
・わたしたちが生きていくなかでは、大人でもよくない見本がたくさん見受けられます。でもそれらを目にして、どう行動するのかを決めるのは自分自身です。サッカーの話に戻りますが、日本の応援サポーターが試合が終わったあと、自分の応援席周辺をみんなでゴミを拾って帰る文化が世界中で賞賛されています。そしてその行動をまねて、同じようにきれいにして帰る他の国のサポーターも出てきていると聞きます。また日本選手のロッカールームもSNSでバズるくらい、試合後に選手みんなで掃除をして帰ることも有名な話です。でもこのような文化がある一方で、日本でも平気で道端にゴミを捨てる人がいるのも事実です。悪い見本をめんどくさいから、楽しいから、楽だからとそのままコピーして自分の心の中に取り入れてしまうのか、「いや、僕は、わたしは違うぞ!」と強い気持ちでそれをはねのけるのか。すべては自分次第だし、そこで自分の存在している値打ちが決まります。
・ルールを守れていない人は、自分が大きな事故やケガを実際にしないとわからないのかもしれませんが、残念ながら作りたくもない罰則規定を作らなければならなくなっている、高取中の先輩たちが長い時間かけて築き上げて、守ってくれてきた自慢できる伝統を簡単に壊していることに気が付いているのでしょうか。
・今回は自転車通学についての話でしたが、これを機会にみんなで学校生活全般を見直してみるのもいいかもしれませんね。そして今週は1学期の学習のしめくくりの期末テストが始まります。体調を整えてベストを尽くしましょう。蒸し暑くてなかなかキツイ6月だけれど、みんなで力合わせて頑張っていきましょう。先生たちみんな、応援していますよ。これで、臨時の全校放送を終わります。
〇罰則規定は、できれば作りたくないというのが本音です。でも通学時の安全を考えると暫定的でも作らざるを得ないのかとも考えています。子どもたちが自身の身体を守るために今一度ルールを見直す機会にしてくれたらと思います。
令和7年8月25日(月) 2学期始業式
2学期が始まりました。みんなはどんな夏休みを過ごしたでしょうか。先生は、前半は総体の応援や吹奏楽のコンクールにお邪魔しました。4年ぶりに中学校にもどってきて、やっぱり部活は青春だなあと思いましたね。みんなの真剣なまなざしや、いつもと全然違うかっこいい姿に見とれたりして素晴らしい時間を過ごしました。また、中学校の部活動に入っていない人も、それぞれ頑張っている分野で活躍した人もいたことだと思います。
今日は、夏休み中に先生が経験したことについて話をさせてください。大阪に出かけるために電車に乗っていたときのこと。電車内は、結構空いていて先生もゆったりと座っていました。ある駅で白杖をついた先生より少し若い位の男性が電車に乗ってきました。先生はその人に座ってもらうために、「いす、こっちですよ」と言いながらながら、彼の両肩に触れたのです。そしたら、その時にその人は体をビクッとさせたのです。何も言われなかったですが、明らかにびっくりされてたのはよくわかりました。
君たちは、小学校の時に慈母園のみなさんと交流をしたことを覚えていますか。ひょっとしたら3年生のみんなは、コロナであまり交流ができなかったかもしれませんが、あの施設には全く目の見えない人、うっすらとなら見える人など、目にハンデをもたれた人たちが入所しています。昔は高取城の麓に施設があったのですが、施設が古くなって小学校の横に引っ越してこられて、みんなが音楽の時間に歌う歌声や、運動場で元気に遊ぶ声が聞こえてきて、ここに引っ越してきて本当によかったとおっしゃってました。
先生がその慈母園のスタッフの方と話した時に、覚えていることとして、「ここの利用者さんは、目が見えない分すごく他の感覚、たとえば声や自分に近づいてくる音なんかにすごく敏感なんです。例えていうなら予防注射の針が腕にささる直前の緊張感を24時間もってはるんですよ。」 という内容でした。「だから、わたしたちは利用者さんには、普通ならこんなことは前もって言わなくてもいいだろうと思うようなことでも、必ず伝えるようにしています。たとえば、「これから右手に触りますよ」とか「右足に靴をはかせますよ」とか。それはサポートはするけど、あくまでもその人の意思で動いてもらうためなんです。」ともおっしゃってました。
君たちも注射をしたことがあると思いますが、何度やっても緊張しますよね。腕まくりして消毒して、だんだん恐怖が近づいてきますが、でも必ず看護師さんやお医者さんは注射を打つ直前に「はい、じゃあチクッとしますよ。」と言ってくれます。それを言ってくれても言わなくても痛いのはさほど変わらないけど、言ってくれた方が安心感があるし心づもりができます。言わずにいきなり「ブスリ」はびっくりしますよね。
先生の電車での出来事にもどります。あの時、先生にしたら電車が動き出したら揺れて危ないので、早く座ってもらおうと肩を持ったのですが、それは彼にとってはかなりの驚きだったわけです。目の見えない方にとったら、ただでさえ
いつ注射を打たれるか分からないくらい緊張されている中、突然注射を、それも見ず知らず人に打たれるのとおなじくらい、予告なしでいきなり肩を掴まれたのだからそれは驚かれるのは当たり前です。いや、むしろ恐怖だったかもしれません。
本当なら、先生は前もって「これから両肩に触りますよ。」「座るところまで一緒に歩きますよ。」と伝えてから行動すべきだったのですが、自分の考えばかりを優先して相手の気持ちや立場を全然わかっていなかったなあ、と今更ながら反省をしています。その人は先生が先に降りようとした駅で「さきほどは、ありがとうございました。」とお礼を言ってくれたのですが、なんだか恥ずかしくて、あまり言葉を出せずに逃げるように電車を降りました。
このことって、日頃のわたしたちの人間関係にも言えることかもしれません。よく「相手の立場にたって考えよう。」と言われるけれど、先生も具体的にどうすればよいかわからない部分が多かったです。でも今回、「前もってそうなるかもしれないということを、はっきりと言葉で伝えておく。予告する。」ということがその方法のひとつなのかなと思いました。
特に相手が困ることになる可能性があることは、しっかり口に出して前もって伝えておく。よく友達関係でごちゃる理由に「そんなつもりじゃなかったのに。」というのが多いです。それは自分の気持ちをちゃんと言葉に出して前もって伝えていないのに、「たぶん、相手はわかってくれているだろう。」と勝手に思い込んでしまっていることが原因なのです。長い付き合いでも、相手の気持ちを深いところまで推測するのは、大人でも難しいのです。
だからこそ、やっぱり言葉に出して伝えることって大事です。例えば約束したことであっても、ひょっとしたらそれが守れない可能性が少しでもあるなら、それを確実に前もって伝えておく。相手はそれを前もって聞いていれば心の準備もできるし、安心できる。そしてもしそうなっても、仕方ないかと思える。大げさに言えば友達を安心させることができる。これこそが相手の立場にたって行動するヒントのひとつなんじゃないかな。
話は変わるけど、アニメ 「ワンピース」のルフィは数々の名言を残していますが、先生が大好きな名言はこれです。
「おれは助けてもらわねえと生きていけねえ自信がある!」
ルフィはとても強い海賊ですが、決して「おれは、誰の助けも借りずに生きていける自信がある。」とは言っていません。むしろ言っている内容は「自分だけでは生きていけない。」と、すごく弱気な、どちらかと言えばかっこわるい内容なのです。でもこのルフィの言葉は、本当の強さとは何かを教えてくれているように思います。自分の弱さや限界をちゃんと理解し、できないときには堂々と仲間の力を借りてピンチを乗り越える。その自分の弱さを恥ずかしがらずに認めて、それを思い切り自慢のように言い放つルフィ。さきほどの話にあてはめると、自分の弱さをみんなに堂々と予告しているわけです。かっこいいですね。普通なら自分の弱点を隠そうとするはずなのに。だからこそ彼には彼を慕うたくさんの仲間がいるのでしょう。つまり彼は自分の弱さを正しく理解しているからこそ、仲間の弱さをも誰よりも理解し、どんなピンチの時でも全力で仲間に手を差し伸べるパワーをもっているのでしょう。
さあ、行事の多い2学期です。色々な決めごとの中でも、時には自分の思いを我慢して、「友達の気持ちを優先させる。」場面が多く出てくるかもしれません。でもそのような君たちの様子はきっと誰かが見ています。そしてその様子を見ている人は、自分がピンチの時にきっと手を差し伸べてくれるはずです。自分の思いや気持ちを、しっかりと言葉に出して伝えながら、友達の話にもじっくり耳を傾けることができるようになれば、とても有意義で楽しい2学期になることだと思います。困ったことがあれば、もちろんこれまでどおり先生達も力になります。
まだまだ暑い日が続きます。まずはこの1週間で生活リズムを整えて、ゆっくりと2学期のスタートを切りましょう。もちろん1学期の終わりに話した「脳みその引き出し」をしょっちゅう開けたり閉めたりして、学習を頑張り、自分で考える力を鍛えることも忘れないでください。
○令和7年6月9日(月) 全校朝礼で「所作」についての話をしました。
大相撲の先場所での優勝で横綱に昇進した大の里関。彼は制限時間前に受け取り、自身の汗をぬぐったタオルを毎回綺麗に折りたたみ、一礼して係の人に返すことで有名です。どうせ洗濯機に入れるので、折りたたむ意味はあまりなくほとんどの力士はそのままタオルを係の人に渡しています。なぜ彼はそんなことをするのでしょう。「所作」とは行動や行為を少し堅苦しく表現した言葉ですが、彼の「所作」はまず周囲の人の心を穏やかにしますし、それが勝負前の自分の緊張をほぐし平常心を取り戻すためのルーティンなのかもしれません。また、先日終わった沖縄への修学旅行で、ホテルの部屋の忘れ物チェックをしていると、ある部屋を見て驚きました。燃えるゴミがゴミ箱にきちんと捨てられていたのはもちろん、ペットボトルのラベルがはがされ、空き缶とともにきちんとわかりやすい場所に並べられていたのです。すべてのゴミをゴミ箱にとりあえず捨てるだけで充分なのですが、掃除係の人がゴミ箱に手を入れて分別する手間をかけないように、その部屋の生徒たちがペットボトルや空き缶を分けて整然と並べていたことに心が洗われる思いでした。このように「そこまでやらんでええやん」と思えるような「所作」にもそれなりの意味があるように思います。それは周囲の人を気持ちよくさせることはもちろん、自身の「心を整える」ために大切なことなのかもしれません。6月はなかなかメンタルを安定させることが難しい時期ですが、「ロッカーの整理整頓」や「靴を丁寧に並べてみる」「日頃気がつかない所を掃除してみる」などの「所作」を大切にして「心を整えて」みてはどうでしょうか。
〇1年生が下校途中に荷物をくくるゴム紐が、自転車のチェーンにからまり困っているという救助要請がありました。現場へ行くと、すでに一緒にいる友達がチェーンの油で手を真っ黒にしながら悪戦苦闘の最中でした。でもそばには工具のドライバーが置いてあり、聞くとご近所の方が貸してくださったようです。わたしも「これから、オペを始める!」とか言ってちょけながら生徒たちとワイワイ話しつつ、ゴムをはずそうと試みました。すると背後から笑い声が。「校長先生のパ○○見えた!」どうやらしゃがんでいる間にわたしのズボンがずれていたようです。すぐにでもズボンを引き上げたいのですが、私の手もすでに真っ黒で「どうしよう」と思っていたら、工具を貸してくださった近所のわたしより少し「先輩」の女性が「わたしが、やったる!!」と後ろからわたしのズボンを「グイ!」と引き上げてくださいました。周囲はみんな大爆笑です。わたしも恥ずかしいやら、何とも言えない気分でした。でも一緒に帰っていたクラスメートはみんなそこに残って手伝ってくれたし、印象に残ったのはある生徒が「日本に生まれてよかったあ!」としみじみ語ったことでした。その女性が心配して手伝ってくださったことがよほどうれしかったのでしょう。大げさかもしれませんが、このような日本の道徳心の高さは、日本の小中学校時代の教育が大きく貢献していると思います。後日、女性のお宅にお礼に伺うと「いつも中学生の子らが通学時に元気にあいさつしてくれるのが、とてもうれしいんですよ。」とおっしゃっていただきました。思わぬアクシデントでしたが、おかげで心温まるひとときを過ごすことができました。
〇教育実習が5月26日(月)より始まりました。本校の卒業生1名が実習をおこないます。長い間教員をしていると、教え子たちがたくさん教員になり、久しぶりに出張先で再会し立派に勤めている報告を受けたりすると素直にうれしく思います。教員の過酷な労働環境が知られるようになって久しくなりますが、それでもなお教員を目指そうとする若者がいてくれることは、わたしたちにとっても何よりの励みになっています。理想と現実のギャップが激しい職種であることから、着任1年で辞めてしまう教員も少なからずいると耳にします。しかし一方で、日々の子どもたちの成長を目の前で実感できるとてもやりがいのある仕事でもあります。是非がんばってほしいですね。ちなみに今年度から、わたしの教え子の一人が「教員」ではなく「教頭」になりました。これではわたしも歳をとるはずです。(泣)
〇今年度の生徒総会が5月9日(金)に開催されました。今年の生徒会本部役員を中心に一部の校則について変えていこうという動きを見せてくれています。原案を見せてもらいましたが、読み込んでいくと非常によく考えて練られたクオリティの高いものでありました。越えるべきハードルはたくさんありますが、「自由と責任」について主体的に考えるこのアクションには頼もしいものを感じています。