令和7年6月5日
<注目記事>高1国際探究 専門講座
<注目記事>高1国際探究 専門講座
6月5日(木)、高校1年生の総合的な探究の時間「国際探究」にて「専門講座」を行いました。
この専門講座は、SDGsの各分野で解決に向けて実践的に研究や取組を行っている専門家の方々を講師にお招きし、その活動や研究についての講話から、現在の地域や世界の課題や、その解決策について学ぶものです。
今回は、4名の講師の方より講座を行っていただきました。生徒は自身の興味・関心に基づいて4講座から1つを選択して受講しました。なお、今年度も昨年度の引き続き、中等部3年生も講座に参加しています。
講座1『水環境の保全と管理:水質と生態系の問題を考える』
(関連するSDGs…「6.安全な水とトイレを世界に」)
秋田県立大学 生物資源科学部 生物環境科学科 教授 宮田 直幸 氏
講座2『アオコからバイオ発電の多様化を考える』
(関連するSDGs…「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「13.気候変動の緩和と適応に向けた能力を強化する」「14.海の豊かさも守ろう」)
秋田大学大学院 理工学研究科 准教授 カビール ムハムドゥル 氏
講座3『フードバンク活動について』
(関連するSDGs…「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「12.つくる責任 つかう責任」)
一般社団法人フードバンクあきた 代表理事 林 多実 氏
講座4『取りこぼしのない社会の実現のために〜性のあり方の多様性の視点から〜』
(関連するSDGs…「5.ジェンダー平等を実現しよう」「10.人や国の不平等をなくそう」)
秋田プライドマーチ実行委員会 共同代表 秋田南GSO(54期) 伊藤月菜 氏
地域や世界の課題の解決に取り組んでいらっしゃる講師の方々から、具体的な取組についての話を聞くことで、SDGsが指摘する課題について、改めて理解を深めることができました。また、探究に必要な考え方や姿勢についても教えていただきました。
講話終了後は、生徒からたくさんの質問や感想が出ました。講師の先生方には、丁寧かつ熱心にご対応していただきました。
講座終了後の、生徒の振り返りの一部をご紹介します。
【講座1】
・水資源についての身近な課題を2つ知ることができた。1つは、さまざまな基準法の厳しさの度合いが違い、環境破壊に繋がってしまっていることだ。主に水道水の水質を上げるが故にそこにコストがかかってしまい排水の質が下がることがわかった。また住民はより良い水を求めるが、人口減少により維持が難しいことも、費用の充て方の問題の要因だと思う。全体を見ながら、どれだけの水質を求めるか考えたい。2つ目は、八郎湖の生態系についてだ。アオコが増えることにより特定の植物プランクトンのEPA・DHAの生産が阻まれ多様度が低下していることが分かった。EPA・DHAを餌にしている生物の増殖の速さから八郎湖の生態系に関連づける発想に驚いた。アオコを無くす方法、または特定の植物プランクトンのEPA・DHA生産をどうにかして促進させる方法がどんなものなのか楽しみになった。
・今日の講座を通して、玉川酸性水を例に、秋田の水質や生態系について改めて考えることができました。私は、小学校時代の修学旅行で田沢湖に行っており、クニマスについて学びました。そのため、今回の内容はある程度理解のある状態で臨んだつもりでしたが、やはり昔に比べて理解が追いつくようになったのか、より深く、より多くの学びを得ることができました。また、今回の講座で特に印象に残ったのは、アオコの発生についてです。「栄養」と聞くとあればあるだけいいもののように思っていましたが、多すぎるとアオコが発生してしまい、EPA、DHAの発生に悪影響を及ぼすと知り、これまでの価値観を覆すこととなりました。これも大きな学びです。国探でもこの講座を参考に活かしていきたいと思います。
・今回の講座で秋田県が抱える水質環境の課題について知ることができました。2023年には全国ニュースになるほどの問題も起きていたということで、今までは秋田の水は大丈夫だと思っていましたが知らず知らずのうちに汚染された水が流れてしまうような可能性もあると考えると、普段意識してこない浄水場の存在などがとてもありがたいものだったのだと感じました。秋田市でも仁井田の浄水場で改修工事が始まっているらしく、対策が進んでいるのだとわかりました。ただ、水質環境の保全には何かとお金がかかるらしく、秋田県の問題でもある人口減少の影響で中々そのお金を集めることができずに大変な状況にあるそうです。見殺しにするようなことはしたくないですが、今自分ができることは何かと考えれば、大きな力にはなれないと思います。それでも力になれることがあれば取り組みたいと思いました。
【講座2】
・世界中で問題となっている産業廃棄物のうちの汚泥を利用し、アオコという微生物に発電の手助けをしてもらおうとしていることがわかりました。ゴミも消えるし、うまくいけば地球温暖化も抑制できるかもしれないのでとても一石二鳥だなと思いました。また、秋田の八郎潟でも汚泥の発生が生態系に支障をきたしていると聞いたので研究がうまく行き、きれいな水を取り戻してほしいなと思います。今後、自分にもできることがあったら率先して取り組んで行きたいと思います。
・アオコは臭いことや浄水場への影響、環境破壊などのさまざまな悪影響がある反面、電気の生成ができるということを知って、とても環境に配慮した素晴らしい取り組みだと思いました。
日本はほとんどの発電を火力に頼っています。まだ電力が微量なだけあってセンサータイプの電気でしか活用されていないけれど、研究が進んで、火力発電にに代わる発電方法になれば、環境がもっと良くなると思うので、研究がもっとすすめばいいなと思いました。アオコによる発電によって再生可能エネルギーの幅が広がって、再生可能エネルギーの発展にもつながればいいなと思います。
・今回の講座を通して、世界的な問題について自ら向き合っていくことの重要性を改めて感じました。臭素を発生したり生態系を破壊したりしてしまう害のあるアオコですが、例えば微生物燃料電池に応用すると電気を得ることができ非常に活用的なものになることを知りました。一見、悪い影響の大きいアオコだと捉え方ですが、見方を変えてみるとその良い面に気づき応用できるそうです。この例は、SDGsの「つくる責任つかう責任」にも繋がっていると思います。また、生物たちから受ける影響を自分たちで守ることが大切になってくるという先生の言葉に深く印象を受けました。今回学んだことを今後の活動に生かしていきたいです。
【講座3】
・今回の講座を聞いて、フードバンクは自分が思っていた以上に身近な存在であり、ボランティアとしても活動に参加できることを知りました。フードドライブといった、寄付食品をフードドライブのポストに入れることだけで参加ができるので、誰でも簡単に支援しやすい取り組みだと思いました。講座の先生が寄付するものは一ヶ月以上の賞味期限があるものと言っていて、一日でもすぎれば提供することはできないとおっしゃっていたので、寄付する側も受け取る相手側の気持ちを考えて提供しているとわかりました。また、フードバンクは、安全で食べられるものでも印字ミスや包装の破損により流通に出すことができない品を必要とする施設や困窮地帯へ無償で提供しているため、効率の面においても食品ロスの面においてもメリットが多いとわかりました。また、秋田や日本だけでなく、フランスやポーランドにもフードバンクがあり、特にフランスなどでは、「食品を廃棄するならフードバンクへ寄付する」といった法律が定められていることに驚きました。今日の講座で改めて飢餓の問題に世界で取り組みが行われていることを実感するいい機会となりました。
・秋田県は県民性と習慣によって食品ロスが全国でも高い基準に位置していることがわかりました。フードバンクの制度について企業から余った製品、食品を受け取りそれを困っている人に配ることがわかりました。林先生の体験談から外国では無料での食材提供が当たり前で寄付文化というものが生活に染み付いていることがわかりました。また、外国ではお金を持っている人が大金を寄付するということが当たり前でそれに続いて金銭的に余裕のある人も少額でも寄付することがわかりました。また、イギリスなどではフードバンクに関しての法律ができているなど外国からしてみれば寄付が当たり前だと知りました。林さんがやっているフードバンクでは届ける人を考え年齢性別家族構成をできる限りで把握したうえでそれに合わせて届けるものを決める、賞味期限が一日でも過ぎたら届けないなど個人の尊重をしていると感じました。
・今回の講座ではフードバンクの活動によって、どんなことに貢献できるのか、どんな効果があるのかについて知ることができました。フードバンク活動とは、無償で提供された食品をボランティアの人たちの協力を経て、支援が必要な人に無償で提供するという活動で、大学生や留学生、母子家庭など様々な人に提供をしているそうです。秋田でフードバンクが開始されたのは2015年と最近のことですが、海外ではもっと前から、教会などで無償でご飯を提供しているところもあったそうです。これは、海外では社会貢献をすることに積極的であり、評価されるという文化があることが関係しているそうです。日本でもフードバンクなどの社会貢献活動をもっと積極的にするためには、昔から日本人に根付いている「恩送り」の精神を大切にすることが必要だと思いました。フードバンク活動はSDGsに貢献するだけでなく人と人をつなげることができる活動であると感じました。
【講座4】
・今回の専門講座では、ジェンダーの多様性やそのあり方、日本の現状と取組みといったこといついての話を聞きました。セクシャリティに関わる話題は敏感なところではありますが、あくまで一意見として、興味深い話を聞くことができました。特に、私達ができることといったところで、「嫌なことは嫌と言う」「人のもつ意見や価値観を尊重する」「あたりまえを押し付けない」などといった具体例がありましたが、これらはジェンダーの平等に関すること以外にも、様々な現代社会における問題や国際的な課題に取り組んでいくにあたってとても重要なアイデアであり、異なる人々との関わり合いの中で大切になってくることですが、現状あまりできていないような人、気づかずに相手の価値観を尊重できていない人なども多く、意識的に改善していかなければ行けないところだと思いました。私も、自分のもつ「常識」といったものに惑わされることなく、柔軟で多面的に物事を見てこれからの探究をしていきたいと思います。
・専門講座を聞き、性のあり方や生活していく上で気をつけなければならないことなどを学んだ。ジェンダー平等という言葉は聞いたことがあったが、具体的に何かと言われてみればわからずにいた。しかし、講座を聞いてみるとジェンダー平等とは個々が尊重される社会にするという意味であることがわかった。特に驚いたことはアフリカがジェンダーギャップ指数上位であることだ。日本は教育環境が整っているが、政治、経済の場で女性があまり活躍できていないことがわかった。また、同性婚が認められておらず、制限がかけられている現状はまだまだ課題であると実感した。これからの生活でアウティングはせず、どんな考えを持っている人でもその考えを尊重したいと思った。
・私は「取りこぼしのない社会の実現のために〜性のあり方の多様性の視点から〜」(以下、本講座)を通じて、性のあり方は個人単位では極めて多様であることがわかりました。本講座では、講師の伊藤先生から、性のあり方の5要素や、男女格差、ジェンダー差別などにふれながら、性のあり方が多様であることと、人と関わるうえでは自らの「あたりまえ」を押し付けないことが重要だと教わりました。事実、NPO法人ReBitの調査によると、10代のLGBTQの自殺未遂数はその他と比較すると約4.1倍にのぼります。これらのことを考慮して、日常生活における性は多様であり、そのあり方を押し付けてしまう行為は大きな危険性をはらむと考えました。