あらすじ
騒がしいショッピングモール。
人々の声に鬱陶しそうな素振りを見せる、シン。
知らない少年に馴れ馴れしく声をかけられる。
嫌悪感に包まれるシンとは裏腹に、久しぶりに会う孫を思って買い出しをするキヨさんは楽しげ。
ショッピングモールを
「騒がしい」と捉える者、「賑やか」と捉える者。
感覚は、人それぞれである。
これは、どこにでもある街の、彼らの物語。
街の公園では、いつものようにモロが
ヒトの落とし物を漁る。
「オイラはここのボスである」
と、言わんばかりの表情で。
そんなモロに猫撫で声を出す人はいない。
あっけらかんと声をかける琴波を除いて。
全く性格の異なる一匹と一人。
モロと琴波の時間は永遠に続くはずだった。
交差点での光景が広がるまでは…。
穏やかな街の、ある交差点。
夕日が差し込み、人々の影を伸ばす。
そして、響き渡る大きな音。
彼らの運命が、狂い始める。
「ねぇ…本当は誰なの?」
朗読劇『ours』
あらすじ|若杉栞南
彼らの言葉
「知らない。でも、僕知ってるもん」
「彼女の瞳に映るのは、カラフルな街の景色」
「こんな平和な日々が脅かされることを疑うこともなく」
「いい夜。いい空気。いい…」
「おいらはここのボスである」
「夜にはもう、若いものたちの、そして…我々の、溜まり場」
「すごいね。頭の良さは変わらないね」
「だって、大人じゃん」