日本セラミックス協会では,設立当初より,産業と学術が繋がりをもった活動を行うことによって,新技術の研究開発や,新事業の創出を図り,産業界と学術界相互の発展に寄与することを目指してきました.そして,産業界のニーズと学術界の研究シーズの出会いの場や相互情報・意見交換の機会を提供するために「産学連携活動」を継続的に行ってきております.2019年の年会からは, 未来に向けて,日本が強いセラミックス・材料技術をさらに伸展させるためにセラミックス分野の産学連携を強力に推進していく意味で,「産学連携・共創セッション」を始めました.
2020年はコロナ禍で年会が中止となりました.本年年会(オンライン)では、昨年開催予定であった内容を延伸して企画することと致しました.学官の著名な有識者から, 産業界に向けて,産学連携に関する取組みの考え方・成功事例・メッセージ等を講演頂きます.また,産学連携を考える上で重要な視点であるオープンイノベーションについては,この分野での第一人者の一人であるJapan Innovation Networkの松本毅氏から基調講演を頂きます.セラミックス分野の産学連携の裾野を広げていくためにも,産業界の方々だけでなく,学術分野の方々ならびに学生など,産学連携・共創に興味ある様々な立場の方に参加して頂きたくお願い致します.
セッションのプログラム
開催日時:2021年3月25日(木)13:00~16:00
会 場:ZOOMによるオンライン開催
司会進行:富士通研究所 今中佳彦(日本セラミックス協会 特命担当理事)
第1部:「オープン・イノベーションで切り拓く新たな事業創造」
3月25日(木)13:00~14:30
講演者:Japan Innovation Network (JIN) 常務理事 松本 毅 氏
大阪ガス時代オープン・イノベーションのマネジメントシステムを創り上げました.10年で,新規商品化・新規事業化に繋がったのが64件以上.圧倒的な成果を出し続けています.仕組み創りの重要性と実践手法について解説します.
第2部:「産業界に向けてのメッセージ」
14:30〜15:00 「基礎研究の役割と産学連携研究」
講演者︓東京大学大学院工学系研究科・総合研究機構 教授/JFCCナノ構造研究所 幾原 雄⼀ 氏
大学・公的研究機関は,本来行うべき基礎研究を行い,民間企業はそれをさらに発展させてものづくりをする,という極めてシンプルな連携により,産学連携研究を効果的・効率的に進めることができる.講演では,東京大学で推進している,民間企業との産学連携室や社会連携講座についても紹介する.
15:00〜15:30 「産総研のイノベーション戦略 ・産学連携」
講演者︓産業技術総合研究所 理事&イノベーション推進本部長 渡利 広司 氏
産総研は研究所の総合力を活かし,社会実装の担い手である企業との連携を通じて,令和2年度からの中⻑期目標「世界に先駆けた社会課題の解決」に取り組んでいる.本講演では,産総研の連携の取り組みを具体的な例を挙げて紹介し,また今後の連携の在り方について述べたい.
15:30〜16:00 「NIMSの企業連携・知的財産戦略」
講演者︓物質・材料研究機構 外部連携部門 知的財産室長 中野 恵介 氏
NIMSによる企業連携の取り組み,特に組織的連携やその技術に合った連携スキームをフレキシブルに構築.さらに,共有特許の取り扱い,特許の内製化など,NIMS独自に進めてきたシステムなどを紹介.
聴講・参加について
セラミックス協会年会の参加者なら,どなたでも⾃由に聴講いただけます.事前登録も必要ありません.