学長メッセージ

教大学長 伊藤 真宏


佛教大学は、学則第1条に「仏教精神により人格識見高邁にして、活動力ある人物の養成を目的とし、世界文化の向上、人類福祉の増進に貢献することを使命とする」と謳っております。本学はこれまで一貫して仏教精神を根底に、自分を大切にし、他者をも大切にできる人、そんな人材を社会に送り出して、110年経ちました。その仏教精神とは、本学では釈尊と法然上人に共通する生き方と考え方を指します。それは眼の前に起こる現実を正しく見据え、自分のなすべきことをしっかりと行っていくことに他なりません。

釈尊と法然上人は、誰もが必ず向き合わなければならない年齢や寿命の問題を希望に変化させ、悩み苦しむ人々に救いをもたらしました。お二人が示された考え方は、私たちが抱えるさまざまな問題を乗りこえ、希望をもって生きていくための方法であり、それは自分を正しく見つめ、自分にできることを携え、自信と勇気をもって、未来に向かうことです。

佛教大学を構成する私たちは、18歳人口減少で冬の時代を迎えた大学を、希望と輝きにあふれたものに変え、人々に選ばれる大学、自らが行きたい大学、他の人にも薦めたい大学として持続していきたいと考え、教育職員・事務職員が一丸となって、学生の学びと成長に寄り添うよう努めています。

私たちは、本学の「建学の理念」と「教育研究上の目的とポリシー」に賛同し、学生の学びと成長を支援する取り組みに情熱を傾けてくれる人材を求めています。希望を胸に歩もうとする学生の成長を見守り、その背中を押すには、見返りを求めない愛情が必要で、仏教ではこれを慈悲や布施と位置づけています。学生がふさわしい力を身につけ、入学時から大きく成長し、社会で活躍することのできる人材に変身して巣立っていく姿を見られることは、なによりの喜びと言えましょう。

自分を正しく見つめ、自分にできることを携え、自信と勇気をもって未来に目を向け、学生の学びと成長を支援する喜びを私たちと共有し、ともに歩んでいくことを志してくれる意欲のある方を歓迎いたします。