アクシオン

偽情報で汚染されたインターネットのニュース流通機能を高度化するプロジェクト

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プロジェクトの要点

プロジェクト発起人:吉田拓史

開発・運営された製品

プロジェクトの概要

Axion(アクシオン)というプロジェクトは、2014年、吉田がインドネシア大統領選挙を取材している最中に、SNSを利用した大規模情報操作作戦が行われ、選挙が大混乱に陥ったのを目の当たりにしたことを契機としている。

吉田は帰国後、オンラインメディアのスタートアップを立ち上げようとしたが、いくつかの困難に直面し、米国のデジタルマーケティングメディアDIGIDAYの日本版の創業編集者に落ち着いた。DIGIDAYはデジタルメディアやデジタルマーケティングに関する深い専門知識を提供するパブリッシャーだった。

2015〜2017年のDIGIDAY[日本版]在職時はソーシャルメディアが成長のピークを迎えていた時期と重なった。その最中に2016年の米大統領選挙とブレグジットにおけるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を通じた大規模キャンペーンに遭遇した。インドネシアでの経験とDIGIDAYで得た知識を基にこれらの混乱を考慮すると、吉田にとってそこで起きた問題が恐ろしいほど立体的に見えた。

吉田は既存のデジタルメディアの代替案を考え始めた。2017年9月に会社を辞し、個人プロジェクトととしてアクシオンを開始した。当初は投資家の関心を買うために、動画制作を行い、ユーチューバーの真似事をしていた(投資家から資金さえ得られれば好きに使えると思っていたのだ)。

インドネシア・中部ジャワ州ソロの自動車工場を取材時の記念写真

アクシオンは人々をスクリーンに張り付かせ、無駄な、あるいはトキシックな情報を取得するように仕向けることを正当化するインターネット経済の転換を図るプロジェクトである。詳しくはビジョンミッションを呼んでいただけると助かる。これはコネクテッドデバイスが世界中に普及する中で、社会が不安定化し、その叡智を失ってしまうことを防ぐための挑戦である。

このプロジェクトは2019年4月から株式会社アクシオンテクノロジーズという形で法人化している。吉田は外部から投資資金を募って急速に成長するスタートアップ企業としてこのプロジェクトを定義した。日本のベンチャーエコシステムや日系テクノロジー企業とは様々なことがあり、恐ろしいほど多数の試練に直面し、これを書いている2023年1月11日現在もその試練の中にいる。

アクシオン(Axion)という名前は、プロジェクトの未来に対する態度の比喩であるアクシオンは存在が予言されながら未発見の素粒子で、わずかに質量をもつと考えられるダークマター(暗黒物質)の候補である。数ある暗黒物質は「得られている観測結果を説明するために存在しないとおかしい」と推定されている。高質なニュース、情報とは未来に関する情報を含んだもので、アクシオンと似た性質を持っているはずだ。このような情報を作り、フェイクやヘイトに変わって流通させるプラットフォームを作ることが、アクシオンという命名の含意になっている。


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