コグメドのエビデンス資料(英語)

CogmedResearchClaims&Evidence_Version 1.2 _ 3.27.2012.pdf

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(抄訳)

はじめに ("Introduction" Page1)

コグメドワーキングメモリトレーニングの中核は学術的な研究基盤です。 視空間のワーキングメモリ(WM)が、ADHDを持つ子供の困難さを構成していること(ウェストバーグWesterbergら、2004年)を確認した研究につづき、トーケル・クリンバーグ教授と共同研究者らはワーキングメモリを改善するための適応的なコンピュータ化されたトレーニングプログラムであるコグメドを開発し、検証しました。このプログラムを使った研究で、すべての年齢層の個人が、視空間と言語の両領域でワーキングメモリの能力が改善したことが明らかになりました。ADHDをもつ子供たちについてのいくつかの研究はワーキングメモリ能力の改善の、注意や抑制、推論といった実行機能への転移も示しています。コグメドの研究は、ワーキングメモリトレーニングの影響を遺伝学 (ブレマーBrehmerら、2009年)と生化学的機能(マクナブMcNabら、2009年)の最も基本的なレベルから、学習(ホルムズHolmsら、2009年)や行動的表現(クリンバーグKlingbergら、2005年).への影響まで調査してきました。

これら一体としてコグメドトレーニングの研究論文の本論は、ワーキングメモリはほとんど変化しないという長く信じられてきた信念に反駁しています。さらに、このトレーニング研究のエッセンスは、次のような非常に魅力的なメッセージを指し示しています:適応的で継続的なワーキングメモリトレーニングは、ワーキングメモリ共通の神経ネットワークの中にトレーニングが誘発した可塑性と関係があり、この可塑性が、低いワーキングメモリ能力の人々に課された限界を改善するでしょう。

コグメドについて、およびトレーニングを使うことについて、医療、学校、そして研究分野で世界的に関心が高まっていることは、エビデンスベースの認知トレーニングの分野で前進であると同時に、科学コミュニティーにおけるワーキングメモリトレーニングの強まる承認の証明です。コグメドがプログラムとしてもビジネスとしても発展し続けるにつれ、研究は、開発と、インプリメンテーションと臨床アセスメントとの統合のプロセスにおいて必須の役割を果たすでしょう。

コグメドのプログラムとそれらをささえている学術研究との緊密な関係を伝えるためには、現在までの研究結果を理解することが不可欠です。 この文書はコグメドについて現在可能な主張と、これらの主張の根拠(エビデンス)についての概略を提供します。コグメドについての一般的にきかれる質問と、コグメドを使った研究者からの知見に基づいた適切な回答もここに示されています。

コグメドの主張とエビデンス ("Claims and Evidence" Page 5)

I. ワーキングメモリは、注意と学習の鍵です。

II. ワーキングメモリは、適切な手段と方法 :コグメドを使ってトレーニングにより改善できます。

III. ワーキングメモリは、どの年齢においてもトレーニングにより改善可能です。

IV. トレーニングによる改善は次の3つのレベルの評価で明らかにできます:

機能的核磁気共鳴影像法(fMRI)または陽電子射出断層撮影法(マイクロPET), 神経心理学的テストおよび行動評価尺度

V. ワーキングメモリの改善は、日常生活の認知機能の改善に汎化します。

VI. ワーキングメモリの改善と行動面の効果は、トレーニング終了の半年後も持続します。

VII. ワーキングメモリトレーニングの効果は特異的です:

ワーキングメモリと派生した認知機能は改善しますが、全面的な改善はありません。

VIII. トレーニング効果は、ワーキングメモリ能力のむずかしさをもつ人に現実世界において大きな影響を与えます。

トーケル・クリングバーグ

「ワーキングメモリ能力が

学業成績や日常生活を制限する要因

になっている人のためには

ワーキングメモリトレーニングが

これを改善する介入

になり得ることが

科学的に測定されたトレーニング効果

から証明されました。」

- トーケル・クリンバーグ