「国家英雄」が映すインドネシア

山口裕子・金子正徳・津田浩司(編)

「国家英雄」が映すインドネシア

「国家英雄」が映すインドネシア

出版社: 木犀社(長野県松本市)

発行年月日: 2017年3月31日

サイズ・頁数: A5・333pp

定価: 本体4,000円+税

ISBN: 978-4-89618-066-4

【概要(帯文)】

【目次】

序 英雄大国インドネシア (山口裕子・金子正徳・津田浩司)

はじめに

1 国家英雄か国民英雄か―ナショナルとバンサ

2 国家英雄制度の誕生と変遷

スカルノ初代大統領期(一九五〇年代~六六年)

英雄制度のジェネオロジー―植民地期から国民形成期へ

日本軍政期

一九五〇年代のナショナル化

国民統合と英雄認定―スハルト期(一九六六年~九八年)

増殖する英雄―ポスト・スハルト期

3 英雄大国インドネシア―本書のねらいと構成

Ⅰ 未完のファミリー・アルバム

――東南スラウェシ州の、ふたつの英雄推戴運動 (山口裕子)

はじめに

1 東南スラウェシ州の概要と、ふたりの英雄候補

2 ハルオレオ推戴運動

3 もうひとつの英雄推戴運動――ブトンのスルタン・ヒマヤトゥディン

4 未完のファミリー・アルバム

Ⅱ 新たな英雄が生まれるとき

――国家英雄制度と西ティモールの現在 (森田良成)

1 東ヌサ・トゥンガラ州の周辺性と、英雄の「不在」

2 新たな英雄の登場

3 まだ見ぬ英雄が負うもの

4 「遅れをとった」英雄の物語

5 「神話」と「歴史」

Ⅲ 民族集団のしがらみを超えて

――ランプン州における地域称号制度と、地域社会の課題 (金子正徳)

はじめに

1 地域社会の背景

2 地域称号制度

3 制度と運用

4 地域称号制度と代表性のポリティクス

おわりに

Ⅳ 「創られた英雄」と、そのゆくえ

――スハルトと一九四九年三月一日の総攻撃 (横山豪志)

はじめに

1 同時代の位置づけ

2 スハルトの功績としての「総攻撃」

3 スハルト発案説の公式化

4 民主化後の見直し

おわりに

Ⅴ 偉大なるインドネシアという理想

――ムハマッド・ヤミン、タラウィの村からジャワの宮廷まで (ファジャール・イブヌ・トゥファイル, 荒木亮訳)

1 ナショナル・ヒストリーとライフ・ヒストリー

2 はじまりの場所―スマトラ

3 ジャワでの生活とジャワ文化との出会い

4 偉大なるインドネシアという理想

まとめ

Ⅵ 「歴史をまっすぐに正す」ことを求めて

―― 国家英雄制度をとおした、ある歴史家の挑戦 (津田浩司)

1 国家英雄のフォーマット

2 ある歴史家―「華人国家英雄」の推戴運動への関与

3 歴史記述を「まっすぐに正す」

4 国家英雄をとおして「代表される」べきもの

5 国家英雄制度をとおした歴史記述の見直しの可能性と限界

6 エピローグ―国家英雄概念の拡張

Ⅶ 「国家英雄」以前

――「祖国」の創出と名づけをめぐって (加藤剛)

1 国家建設と国民統合という難題

2 インドネシアの国民形成と国民統合

3 インドネシア・ナショナリズムのレキシコン

4 「独立」と「植民地支配」

5 「祖国」の創出へ向けて

6 詩集『インドネシア我が祖国』が示すもの

7 「名づけ」までの道のり

8 「インドネシア」の発見

9 「国家英雄」以後

10 「国家英雄」のゆくえ

あとがき

索引

執筆者紹介

【備考】

【編者による紹介文】

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