害蟲展 season2
アーカイブ
■害蟲展season2 図録 (全42ページ ※表紙含)販売しています。
入選作品
最優秀賞
『 shed 』
萩原 和奈可
1991年生まれ。高校から一貫して日本画を専攻し、2017年に東北芸術工科大学を卒業。2017年の銀座ヴァニラ画廊大賞展にて都築響一賞を受賞。2018年の個展「HATED PERSON」に続き、今年9月に個展「蔑された小さな命」を開催。
人に嫌われる生物が、ヒーローとして注目を浴びる作品を描く。
無骨かつ生物的な曲線のあるオオゲジのデザイン、そのかっこよさときたらたまりません。しかし動きの速さや群生する生態もあり、虫好き以外にはあまり鑑賞されることのない生き物です。「嫌われ者をヒーローにする」という作品テーマを掲げる身として、ぜひその魅力を伝える必要があると筆を取りました。ゲジゲジが一匹、むずむずと長い脚を震わせまさに脱皮しようとするその一瞬を、シルエットを強調する形で抽出しました。
優秀賞
『 タイワンツチイナゴ(雌)の前翅 』
高橋 哲平
黒檀好きの工芸家▪彫刻家として、表現したいものを形にする日々です。
Techura worksとしてアーカイブしています。よろしければご高覧下さい。
バッタ科の中で国内最大種である別名セスジツチイナゴは、時に異常発生しサトウキビは被害に遭います。後羽を保護する前羽の翅脈を覗いてみると、緻密で繊細で複雑で記号的で、同じ模様は無いといいます。何か暗号を秘めてそうな未知の美しさに魅せられ、7倍程のスケールに拡大し、薄くした木に透かし彫りで表現しました。
壁に写し出されるもう一枚の翅(変幻自在)もお楽しみ下さい。
入選
開催会場
season2では「生態系」「いのち」「共生」などと関わりの深い場所での展示を行いました。
東京会場:足立区生物園
2021年9月07日(火)〜9月20日(月祝)
●足立区生物園の紹介●
「ふれあい」を通じて愛情を育み、「いのち」の尊さを知ってもらう場です。飼育する生きものは昆虫から哺乳類ま で。生きものとの心温まる交流を通じ、自然との「共生」について考えていただくことを目指しています。
●害蟲展に寄せて●
蟲たちの美しい体のつくりや巧みな生活史、自然界での役割を知った時、私たちの蟲に対するイメージはきっと変わるはず。蟲たちの意外な姿を気づかせてくれる素敵な作品を生物園で展示できるのを楽しみにしています。
大阪会場:箕面公園昆虫館
2021年9月29日(水)〜10月11日(月)
●箕面公園昆虫館の紹介●
箕面公園昆虫館は大阪府営箕面公園の森の中にある小さな昆虫館です。新たな発見と驚きを展示の柱とし、ここで体験したことを楽しい思い出として持ち帰って誰かに話したくなる、そんな昆虫館を目指しています。
●害蟲展に寄せて●
精緻な形態美を有する昆虫としての害虫と人間との間に生じるコンフリクトからどのような概念や作品が生まれるのか、とても興味深く楽しみに感じています。