to make

和菓子をつくる

和菓子の製造過程には「煮る」「蒸す」「焼く」の他にも、「煉る」「包む」などの作業もあります。

和菓子の素材や製造過程などをちょっぴりご紹介。

素材  材料

植物性と動物性

和菓子の材料は、お米や豆、お砂糖など、植物性のものがたくさんあります。おはぎや大福、お饅頭やお団子などは、糯米、粳米、小麦粉、小豆、大豆などです。寒天は海藻ですし、葛や蕨は根のデンプンです。お砂糖もサトウキビや甜菜で、粒の大きな氷砂糖や細かな粉糖、和三盆や黒糖と多岐にわたります。もちろん、卵やバターといった動物性の素材を使うお菓子もありますが、農耕に向いた風土ならではの素材がたくさんあります。用途によってどんな素材をブレンドするのが良いのか、日々、試行錯誤です。

豆を煮る

小豆

小豆を水洗いし、火にかけ沸騰してきたら、渋を切り、水を変えてまた沸騰させて、豆の状態を見ながらじっくりと時間をかけて炊いていきます。小豆には様々なポリフェノールが含まれていますが、煮汁に溶け出す成分もあります。一見不必要な、苦味や渋みのポリフェノールも"豆"の味を決める重要な要素の一つです。渋を切る回数で味に変化をつけられますし、炊き加減は食感に変化をもたらします。煮えたかどうかは、やっぱり食べてみるのが一番よくわかります。

餡(あん)を炊く

小豆こしあん

小豆をコトコトと煮て、皮を取り除いた生の餡を、お砂糖と水でグツグツと炊いていきます。"こしあん"は文字通り、豆を漉して皮を取り除いた餡で"つぶあん"は皮まで柔らかく煮た豆を、そのまま餡に炊き上げます。

こしあん、つぶあん、白あんなど、和菓子の世界には色々な"餡(あん)"があります。お饅頭用、焼き菓子用など、お砂糖の量や、水の量、どんなタイミングで火から上げるのかなど、用途に合わせて塩梅を見ています。

包む

包餡

代表的な作業に餡を生地で包む"包餡"という作業があります。お饅頭、大福、上生菓子や焼き菓子等、色々な場面で登場します。蒸す、焼くなどの仕上げ方法や、生地の大きさや餡の量によっても包み方は変わります。お菓子に合わせた包み方で綺麗に包むには、少し慣れが必要です。

蒸す

水蒸気を使う

水蒸気を使って作る和菓子はたくさんあります。お餅やお饅頭など、和菓子の製造には欠かせないものが水蒸気です。ボックスタイプの蒸し器や、蒸籠を使って蒸します。水蒸気は通常100度を越えず、保湿、加水しながら加熱をするため、焼いたものとはまた違う仕上がりになります。蒸したてのしっとり、ふっくら、ホクホクな状態は、たまらなく美味しいです。

焼く

メイラード反応

焼き菓子も様々なお菓子があります。焼き菓子の香ばしさと焼き色は、生地に含まれる糖が熱に反応した事によるものです。蒸気を使って仕上げるのと違い、お菓子ごとに焼成温度を決めて焼くので、温度、時間と焼け具合を見ながらの作業です。時間が経つにつれて、焼き色がつき、美味しそうな香りが漂ってくる、目にも鼻にも嬉しい作業です。焼きたてはもちろん美味しいですが、焼き戻りといって、焼成時に蒸発した水分が時間とともに戻り、しっとりしてくるのも焼き菓子の特徴です。