アナログ用品機材解説

ILFORD XP2 Super 400 Film

イルフォード XP2 スーパー400 フィルム

モノクロフィルムで撮影をして見たいと

思った時に、気掛かりなのが現像作業で

しょう。特にブロニーサイズは、現像

ムラやその薄いベースの折れに注意が

必要です。その様な時に使い易いのが、

このイルフォードのXP2です。

カラーネガ現像のC41プロセスで処理

出来るので現像所に依頼が出来ます。

色素画像なので銀塩ネガほど、最高

濃度が高くないですが、モノクロ

ペーバープリントに支障は有りません。

似たようなフィルムに、コダックT-MAX

T400CN Filmが有りますが、こちらは

カラーペーパーに無彩色プリントする

事を前提にオレンジマスクが掛かって

ますが、イルフォードは、モノクロ

ペーパープリント用にグレーベース仕様

です。フィルム感度は400表示ですが、

実用には感度200で使用した方が銀塩

ペーパーにはプリントし易いネガトーン

が得られます。

400では、カラーペーパー向けのネガ

トーンでサービスサイズでのプリント

依頼向けです。

注意点としては、一般のカラーネガ

フィルムやコダックTC400Nなどより

露出オーバーに弱く、光源の滲みが

出易いです。それでも普通のモノクロ

フィルム並みです。手軽にモノクロを

楽しみたいなら、XP2 400とスキャナ

取り込み+プリンター出力で先ずは

白黒写真を試して見て下さい。その後

暗室プリントの世界へ。

また通常のモノクロフィルムには無い、

広い諧調再現域と柔らかいトーンが

人物撮影にも威力を発揮します。

それと200という実用感度が100では

低いが400では粒状性が悪いと考える

ベテランにも新たな選択としてお薦め

出来ます。

35mmと120サイズが有ります。

Epson GT-X970 GT-X980 エプソン スキャナ

「Epson GT-X970」

2014年10月24日、追加製品情報追記。

新製品、エプソン Epson GT-X980

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10月9日に、新型のGT-X980が発売され

ました。

2012年に下記に書いたフィルムキャリア

の問題点の、エプソンなりの解決策製品

のようです。

ナングレア式のアンチニュートンアクリル

板にフィルム(ネガ・ポジ)を周辺から

力を入れて、圧着するような構造にした

ようで、基本的にはフィルムキャリア

だけの設計変更なのですが、メーカー

アナウンスでは、この新型キャリアは、

GT-X970などには、サポート外とされて

います。

(一度にスキャン出来るコマ数も少なく

なり、ソフトウェア的にも対応していない

そうです。

また光源が蛍光ランプからLEDへ変更。)

私としては、当面この新型の導入予定は

無いですが、この新方式は、ゴミの混入や

アクリル板の傷等の別の問題が有るのでは

と想像します。ご購入の方からの情報を

お待ちしております。

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↓以下、旧記事。GT-X970↓2012年公開分 

フィルムをデジタルデータ化する時に

必要なのがスキャナですね。最近は安い

物でもプリンターで出力するぐらいなら

充分な性能の物も有ります。

製版カメラ時代から三色分解をしていた

私からアドバイスを致します。事務所

にもFLEXTIGHTが2台有りますが、この

Epson GT-X970も使いこなし次第では、

同等のデータを作れます。

比較テストをしても、分からない時も

あります。

フレックスタイトは御存知の通りフィルム

スキャナの高級機です。フラットタイプの

ように見えますが構造的には、ドラム

スキャナのようなスキャンをするので

鮮鋭なデータが取れます。GT-X970の

問題点は、高度なスキャナなのにフィルム

キャリアが入門機並みな所です。画面を

4辺で押さえる構造ならかなり平面性が

良くなりますが、スリーブカットした

6コマ等を長辺で押えるので、フィルムの

位置決め程度の性能です。キャリアを自作

すれば良くなりますが、キャリアの種類を

検知させる物も作らないとなりません。

一番簡単な方法は、フィルムの表裏を逆に

セットする事です。御存知の通りフィルム

スキャナは裏返しでフィルムをセットする

のが、構造的に常識です。現像上がりの

フィルムは、熱乾燥するのでどうしても

ベース側が膨らむように反ります。

自然乾燥した自家処理ではそうでもない

ですがあの反りがスキャナのピントを

悪くしてます。

標準の裏面セットでは、更に重力で反り

ます。表裏反転してセットし左右正像側に

すればその影響は無くなり少しはフラット

になります。

プレスキャン後に反転スキャンを指示すれば

通常の左右正像の画像データが取れ

ます。また指示するメニューの無いスキャナ

でも後で、無劣化で回転・反転出来る

ソフトなどで反転させれば、左右正像に

なります。スキャナのピントが悪いと思う

方は、お試しくださいませ。

よくキャリアの高さを変えて調整する方が

いらっしゃいますが、それでは、そのぶん

周辺のピントが悪くなります。さて、

モノクロのスキャナ作業についてもひとつ。

16ビットグレーでも取り込めますが、

開けるソフトが少ないので8ビットグレー

で取り込む方が多いと思います。高級な

プリンターをお持ちの方は、それでも問題

は有りませんが、そうでない方は、

プリントの仕上がりが印画紙よりかなり

落ちると思います。

その場合カラースキャンしてから後で

ソフトで彩度を0に調整した方がトーンが

豊かな元データが作れます。

例えばモノクロネガなら、カラーネガ

モードでスキャンしてから彩度を0に

調整し、カラーモードでプリントアウト

します。グレーバランスは、プリンターの

プロパティで調整すれば、8ビットデータ

をモノクロモードでプリントしたより

諧調豊かなプリントが出来ます。

これも試してみる価値はあります。

Lucky CP31 ラッキーCP31

ペーパープロセッサ

現在でもLucky CP32として売っている

ペーパー自現機です。

CP31とCP32の違いは殆ど無いので検索

して貰えは分かりますが、左の乾燥機と

セットで小型自動車並みの価格です。

この時に4×5のカラーとモノクロの

引伸ばし機も一緒に購入したので普通車が

買える価格でした。そこまでして何を

したかったかと言えばチバクローム

プリントをしたかったのです。

ポジポジのダイレクトプリントである

Cibachromeは、その黄赤系の色が黄金色に

輝く発色と、その200年は持つと言われる

画像耐久性に特色が有ります。Ilfochrome

・イルフォクローム名でも販売していま

した。

仕事で、コダックのダイトランスファー

プリントの処理もしていた私は、プリント

の耐久性に一家言有ります。

デジタルプリンターも200年の耐光性が

有るとして売っていたEpson MC-2000を

今だに2台使っているくらいです。でも

中外で扱っていたチバクロームの処理液

等は、サリン事件のアオリで販売縮小し、

藤本写真に変わった後、最終的に日本では

入手出来なくなりました。

また2013年の秋のニュースで、近い内の

製造中止を噂されてもいます。(スイスの

工場で。)

使い道を失ったこのCP-31ですが、また

近い内にでもカラーネガのプリントにまた

活躍させたいと思っております。

インクジェットのデジタルプリンターは

いつまで経っても恒久的決定版機が出て

来ませんので。

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