調査・研究の成果を復興の現場に

「応急仮設住宅における経済・社会的問題」をテーマとするアンケート調査を、2013年9月、いわき市内15カ所の応急仮設にて行いました。

この調査の目的は、

アンケートデータを用いて、より客観的に被災地の現状を伝えること、

現在被災地で発生している問題や、次に起こりうる災害に対して提言を行うこと

です。

この調査ではアンケートデータの統計分析、応急仮設住宅での聞き取り調査に基づいて、以下の課題に取り組みました。

1.経済的自立の現状、自立のスピードに個人差が生じる原因

2.応急仮設で発生している孤立の実態、およびそれに対する取り組みの効果

3.長期避難生活による幸福感への影響、および被災者・避難者が不幸と感じる主な要因

4.双葉郡への帰還意思と、帰還するために必要と感じている条件

5.被災者・避難者が自治体やNPOに対して感じていること

この調査結果は、以下の方々にご報告いたしました。

  • いわき市社会福祉協議会(2014年3月3日): みんぷくスタッフ赤池が行った講演、「被災者支援から見えてきたこと」で報告。
  • 泉玉露応急仮設自治会(2014年3月11日)
  • いわき市記者クラブ(2014年3月14日)
  • いわき市復興支援室・行政経営課・広報広聴課(2014年3月14日)
  • 大熊町役場(会津若松市)(2014年3月18日)
  • 楢葉町役場(いわき市)(2014年4月9日)
  • いわき地方振興局復興支援・地域連携室(2014年4月9日)
  • 「原発避難者の就業は慰謝料と無関係」(週刊エコノミスト2014年11/4号、「学者に聞け!視点争点」に掲載)
  • 「解消されない仮設住宅の孤立問題」(週刊エコノミスト2014年12/9号、「学者に聞け!視点争点」に掲載)
  • 「原発避難地域への帰還は住民一体で」(週刊エコノミスト2015年1/20号、「学者に聞け!視点争点」に掲載)
  • 「大震災被災者の“幸福度”に格差」(週刊エコノミスト2015年2/24号、「学者に聞け!視点争点」に掲載)
    • 日本経済新聞(2015年2月22日朝刊)の『経済論壇から』にて、「エビデンスに基づく政策という発想からみれば、成城大学准教授の庄司匡宏氏(週刊エコノミスト2月24日号)が言及する主観的幸福度を用いた学術的議論も役立つだろう。(以下、省略)」と言及されました。
  • 「災害に強い住民の「共助」ネットワーク」(週刊エコノミスト2015年3/31号、「学者に聞け!視点争点」に掲載)
  • 「震災復興にソーシャルビジネスの可能性」(週刊エコノミスト2015年5/12号、「学者に聞け!視点争点」に掲載)
  • 世界銀行東京事務所、世界銀行東京防災ハブ共催 第18回防災セミナー「防災と貧困削減:自然災害に立ち向かう貧困層のレジリエンス構築」(2017年3月9日)
  • 他。

詳細な分析結果は以下の報告書からご覧いただけます。

調査報告資料 概要 表紙 全文一括DL(概要除く)

第1章 アンケート調査の概要

第2章 被災者の経済的自立を阻む要因

第3章 応急仮設住宅における孤立の原因と対策

(詳細な分析結果は、東京大学日本経済国際共同研究センターのディスカッションペーパーに掲載されています。)

第4章 長期避難生活による幸福感への影響

第5章 双葉郡への帰還における課題

第6章 アンケート協力者の方々からのご意見

*2014年4月現在での分析結果であり、加筆修正される可能性があります。

アンケート調査プロジェクトメンバー

調査責任者

庄司匡宏

文責

庄司匡宏 赤池孝行

アンケート調査員

浅野将大 伊倉慎之介 池田裕亮 石幡光也

植村裕容 小原清也 鈴木健午 田谷昴大

手塚竜也 原田一輝 船見光 松井一樹

三義康史 矢崎貴大

データ入力員

新井果歩 小嶋裕介 小林花織 田代映未

高橋成美 萩原詩織 蓮見彩加 増田美佳子

山本里瞳美