メンタル・ハーモニーを求めて

Post date: Jan 19, 2010 7:48:15 AM

我々はいつもメンタル・ハーモニーを求めて合唱に励んでいるが、ハーモニーとメンタル・ハーモニーとはどこがどう違うのであろうか? 単なるハーモニーは 声のハーモニーで、メンタル・ハーモニーはさらに心に響くハーモニーということなのであろうか? 何となく分かったつもりでいましたがもう少し私なりに掘 り下げて考えてみました。

このことを考えるきっかけになったのは中学校で習った音叉の実験を思い出したからです。音叉を2つ並べておいて、1つの音叉を鳴らすと、音が空中を伝 わって離れたところにある音叉に伝わり、他方の音叉も鳴り出します。つまり二つの音叉の固有振動数がぴたりとあったときには二つの音叉が共鳴し合うので す。これを人間に当てはめてみると、身体の中には、外界からの音のエネルギーを受け取る音叉のようなものがあるのではないかと考えられます。つまり、音の 音叉が、人間の身体の至る所にあり、外から良い音の波動を受け取ると、それに相対する音叉がエネルギーを受け取り、身体が振動を始めてくる、そんな感じな のでしょうか。 頭から足先までにある身体中のいろいろな周波数の音叉が共鳴して、心に感動と安らぎを与えると同時に、身体に振動エネルギーを与えるの で、このときにメンタル・ハーモニーを実感できるのではないかと思います。しかも、個人レベルはもとよりパート・レベルでも、常に他を思いやる損得を抜き にして音に感動するようになってはじめて身体の音叉が正常に振動し始めると思われるのです。

お互いのパートが自己を主張しながら、お互いに助け合い、補い合って壮大なハーモニーを現出していくコーラスは、我々が社会の一員として生きていく上に 必要な生き方も教えてくれていると思われます。 世界に目を向けるとイラクを始めとして、各地での血なまぐさい争 いの数々が連日のように報道されています。 宗教、文化、習慣、思考、社会規範の異なる民族、国家同士が、このコーラスの精神で相手を尊重しながら、お互 いに助け合い、補い合って心を一つにしてハーモニーを奏でてゆけば、理想的な世界が現出するのではないでしょうか。そんな希望を持ちたいものです。 (T-1 松尾 純一)