支部長ご挨拶

 去る4月22日(土)、2019年の4月以来、4年ぶりの対面による総会を開催することができました。総会に先立ち、2月5日に逝去された岩手大学名誉教授の齋藤博次先生に哀悼の意を表し、出席者一同で黙祷を捧げました。齋藤先生は、支部機関誌編集長や支部長を歴任され、長きに渡って東北支部の発展に多大な貢献をされてきたことは言うまでもありません。また私たち後進の指導にも力を注いで下さいました。齋藤先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。総会では、昨年度の会計報告等がなされ、役員の改選、今2023年度の新年度予算、支部活動方針など会場に集まって下さった支部会員のみなさまの審議・承認を得て、その一切が無事終了いたしました。謹んでここにご報告申し上げます。

 振り返ってみれば、新型コロナウィルスの影響は当初予想していたよりもはるかに長く続いたと言っていいでしょう。コロナの出現によって「オンライン」と「対面」という言葉の日常的使用率が飛躍的に上がり、学会関係はオンラインの世界に飲み込まれていきました。授業もオンライン化され、我々の多くも研究どころではなくなり、オンライン教材の作成に明け暮れる日々となりました。疲労困憊する反面、私のように不眠症の人間にとっては新たな発見もありました。それは、不眠症に対する「薬」の発見です。自分の講義を入れたオンライン教材(PowerPointの音声教材)を確認のため視聴すると百発百中で眠れることが分かったのです。(学生の気持ちが分かった瞬間でもあります。)また「オンライン学会」は、それはそれで、長所(遠方でも参加できるなど)を有することも分かりましたが、コロナ状況が落ち着いた現在、コロナ以前の「対面」世界へと様々なものが戻っていく様子を見ていると、やはり人は「対面」の方を好む生き物のようです。

 PC のZoom画面の小さな窓でしか会えなかった支部会員のみなさまとの今総会での「対面再会」を喜んでいる方も多かったようにお見受けしました。もちろん「オンラインの方がいい」という方もいらっしゃると思いますが、「オンライン」での例会参加率を見ている限り、「対面」を圧倒しているということもなく、今年度の支部例会は「対面」が基本となっていくことになろうと思います。

 個人的に「対面がいい」ことを実感できたのは講演会です。総会後に開催してきた毎年恒例の講演会も今回、総会の対面復活と合わせる形で復活させました。コロナ明け第1回目の講演は、同志社大学の白川恵子先生にご登壇頂きました。白川先生にはコロナ禍以前にご講演をお願いしておりましたが、コロナ禍突入後は対面の講演会が開催できなかったことから長い間、お待ち頂くことになり大変申し訳なく思っておりました。今回、ようやく東北支部の念願が叶って仙台までお運び頂き、ご講演を拝聴することが出来ました。白川先生にはこの場を借りて、改めて厚く御礼を申し上げる次第です。

 新型コロナウィルスも5月8日から季節性インフルエンザと同等の第5類に分類されますが、もちろんそれは「終息宣言」とは違いますので、まだまだ油断は禁物な面もあろうかと思います。ただ、先に申し上げた通り今年度、東北支部の例会は「対面が基本」となりますので、会員のみなさまにおかれましては、積極的に(お気軽に)ご参加頂ければと思います。今年度もどうぞ宜しくお願いいたします。

2023年4月29日

                     支部長 伊達雅彦