魚病・免疫

研究分野の紹介

トラフグの好塩基球

トラフグの口白症ウイルス

養殖業の問題の一つは、養殖魚が細菌やウイルスなどの病原体による感染症(魚病)にかかることです。魚病・免疫分野では、養殖魚の感染症対策のために、魚の免疫系と病原体に関する次の2つの研究を行っています。

1. 魚を感染症から守る魚類免疫学

 魚類もヒトと同様な免疫系を持っています。しかし、その仕組みは十分には解明されていません。そこで、免疫に関わる細胞を同定したり、どこで免疫細胞が病原体やワクチンと出会い、免疫系が活性化するのか調べています。また、ノーベル賞を受賞したゲノム編集技術であるクリスパー・キャス・9(CRISPR-Cas9)などの先端技術を用いて免疫系の遺伝子の機能を調べています。このような研究を通して、「魚の免疫系を活用した予防対策の開発」と「免疫系の進化の謎の解明」に取り組んでいます。

2. 魚の病気を診断・治療し、新たな病原体を同定する魚病学

 養殖場では、細菌・ウイルス・寄生虫などによる感染症の発生が問題となっています。研究室では、ふくいサーモン、若狭ふぐ、小浜よっぱらいサバなど地域の養殖魚の魚病検査を行っています。また、養殖魚に見られる新たな感染症の病原体の同定を行い、その特徴を調べています。

予定している卒業研究のテーマなど

  • ゲノム編集魚を用いた免疫関連遺伝子の機能解析

  • 魚類の白血球の同定と機能解析

  • ワクチンに対する魚類の免疫応答の解析

  • 魚類の新規細菌病やウイルス病の同定とワクチンの作製

ニジマスのCD4+T細胞

トラフグのメラノマクロファージセンター

メダカ胚(受精10日後)

その他

これまでの主要な研究成果

☆ トラフグの口白症の確定診断法を開発(宮台・末武・瀧澤) 

☆ ニジマスの粘膜免疫に重要なIgT抗体の役割を解明(瀧澤)

☆ トラフグの雄雌判別法を開発(宮台・末武)

☆ 魚類の獲得免疫にかかわる主要な免疫関連分子・細胞を次々と明らかに(末武)

福井新聞の記事

(雌雄判別法↑)

(口白症→)

研究室の風景

小型魚類の水槽

トラフグのキス

ニジマスのサンプリング

大野市でのサンプリング

リュウグウノツカイを頂きました

国際学会でニューメキシコ州へ

ヨシキリザメ

ふくいサーモン測定中