大磯宿から「山アテ」に見る富士山
大磯宿の鴫立庵前から大磯宿上方見附までの区間は、旧東海道のほとんど正面に富士山が見える区間である。道の方向と富士山の方向が一致しているので、建物が多くなった現在でも旧東海道から富士山をはっきりと望むことができる。
旧東海道は現在の1号線の緩やかなカーブではなく、井上蒲鉾店の裏手をほぼ直角に曲がる。この辺りから西へ向かうと、旧東海道は西北西に向きを変え、富士山が見え始める。さらに、鴫立庵の前あたりから大磯小学校前(上方見附)まで、ゆるい上り坂の正面に富士山が道の彼方を塞ぐように聳え立つ、圧巻の景色となる。鴫立庵の前あたりから大磯宿の出口はまるで山岳高峰直下の町のようである。
旧東海道(国道1号線)歩道上から。東海道の真正面に富士山が大きく聳えて見える。
上方見附付近の歩道橋の上からの富士山。
上方見附付近の歩道橋の上から。富士山と並んで左に見えるのは箱根山、金時山の三角形が目立つ
上方見附を過ぎると富士山は真正面ではなくなる。この先は 現在も松並木が残る風情のある旧東海道である。
2023/1/12(写真も) 眞田則明