●「昼守」全国農業新聞で紹介されました(2024.2.9)
昨年の河北新報に続いて全国農業新聞に害鳥対策「昼守(ひるもる)」の記事が紹介されました。この商品はイノシシ対策品にほどではないですが、時々お客様から相談があります。前月(2024年1月)は地元の蔵王町役場さまからもカラス避けとして「昼守」をご購入いただきました。今日の記事をご覧になり、早速数件のお問い合わせとご注文をいただきました。ご相談いただいたのはカラスが葡萄を食べて困っているので4台のご注文を頂きましたが、まずは1台を購入いただいて効果があれば追加でご購入されることをお勧めしました。相手は生き物で特にカラスは賢く、場所によっては効果が少ない場合もあります。まずは1台で試していただきたくことをお勧めしています。
●イノシシ対策ブザー「音守(おともる)」お礼メールいただきました(2023.9.30)
イノシシ対策「音守」を試して被害に遭わずに済んだことのメールをいただくことがあります。昨日9月30日に新潟県胎内市のS様からお礼のメールが届きました。今年の5月にS様からお問合せを頂いた時は米どころ新潟の稲作で田んぼにイノシシが入りお困りのようでした。翌々日に商品が届いて試したところ効果が出て8月に追加注文を頂き全部で6台を使用されました(規模はわかりませんでしたが山手の田んぼとのことでした)。今年は被害に遭わず無事に収穫されたようで当社としても大変嬉しく思います。
以下、S様からのお礼(原文のまま)
「今年は、猪ブザーのおかげで、イノシシにあらされること無く終わりました。ありがとうございました」
お役に立てて何よりです。 m(__)m
●遠刈田温泉リゾートホテル Y様「音守(おともる)」ご購入(2023.9.22)
蔵王遠刈田温泉にあるリゾートホテルYのGM様からイノシシ避け「音守(おともる)」についてお問い合わせをいただきました。自然の中に立地していることもあり、ホテル周辺でイノシシの足跡が見られるようになったそうです。このままだと施設内に侵入し芝生を荒らされることを心配しておられました。とりあえず音守を7台ご注文を頂いたので同じ町内でもあり、納品を兼ねて現場を見させていただきました。ホテル前の道路の側面に獣道(けものみち)がありました。そこに音守を立てて様子を見ていただくことにしました。評価を観て同系列のホテルDにも設置したいと申されていました。ご購入ありがとうございます。
写真はY様周辺の側面風景です。棒を立てた部分にイノシシが通った道跡があります。獣はこうした道を繰り返して通る習性があり、そこに音守を立てることで音の壁が出来て近づき難くなることがわかっています(音守をご使用いただいたお客様からの意見より)。また立てる高さですが、ブザー(ケース本体)を斜面の下に設置すると音が上に廻りにくいので斜面の上部に設置した方が効果が高いようです。
⇒設置後1週間の様子ですがイノシシは
来なくなったそうです。
●やまもとファームみらい野様「昼守」実験(2023.9.12)
「昼守」の新聞記事を読まれて、さっそくお問い合わせをいただきました。今回は宮城県山元町にある東日本大震災復興事業で展開されておられる「やまもとファームみらい野」代表の島田孝雄様から、栽培した野菜を出荷調整する作業社屋がハト被害で困っていると相談を受けました。大きな体育館ほどある屋根裏にレース鳩が住みつき、巣を作り卵を産んでふ化して、15羽以上に増えて、所かまわず糞を落として、時には出荷する野菜や作業者に迷惑をかけていました。「昼守」はカラス対策として実証出来ていますが、ハト対策は初めてですが、カラスと同様にタカなどの7種類の鳴き声をスピーカーから鳴らす「昼守」を貸し出して実験してもらいました。10日ほど試していただいた状況を電話で聴いたところ、「以前に比べると少なくなってきましたが若いハトは効果が薄いようです」とのことでした。そこで7種類の音に加えて9月12日にレーザー光による威嚇を追加設置してきました。あと2週間、実験を続けていただきます。工場内を見せていただきましたが、工場建屋は出入口を開放していましたが屋内には鳩は1羽も見られませんでした。効果は間違いなく確認出来ました。一方、建屋の外で農機を洗浄する軒下があり、ここには「昼守」が1台しかないので、設置はしていない場所で、天井を見るとハトが4羽いました。あと2週間、ハト対策の実証実験をを継続しますが、お困りとなっている作業場のハトの糞については解決されたようです。
やまもとファームみらい野さま ホームページ https://yamamoto-farm-miraino.com/
天井からハトがいなくなりました
出荷作業場に糞が無くなりました
「昼守」にレーザ光を追加評価中
●「昼守」新聞紹介されました(2023.8.28)
今朝(8月28日)の河北新報で、「音守」に続く新製品の「昼守(ひるもる)」の記事が紹介されました。この商品はお客様からの相談を受けて、カラス避けを開発しました。記事のゴルフ場の前に、わが家の畑と山田乳業様の駐車場で実験を行ない、効果を確認していました(協力に感謝します)。また東京ではカラス以外にもハトの糞被害に悩まされている相談があり、マンションの屋上を使って実験していただくことになりました。相手は生き物なので学習し難いように改良を継続する必要があります。継続して取り組む所存です。
https://kahoku.news/voice/articles/20230827khn000014.html
●害鳥対策機に挑戦! (2023.8.1)
「音守(おともる)」はお陰様で販売数が800台を超えました。新聞とインターネットにより、お問い合わせが北は岩手県と秋田県から南は長崎県と大分県よりお電話いただき、昨年購入された方からのリピート購入や購入いただいた方のご近所から注文をいただいて、時々メールで「今年は被害に遭わず、じゃがいもを収穫することができました」と感謝のご連絡を拝見すると目頭が熱くなる思いです。
さて、数名の方から、カラスやハトによる悪戯で困っているので何か対策出来ないかと相談を受けました。東京目白のマンションではハトの糞による被害に頭を悩まし、対策として鷹匠を頼んで一度はいなくなったのですが暫くするとまた戻ってしまうので「音守」のようなもので対策出来ないかという内容でした。また、白石市のある飲料メーカーの会社では、従業員駐車場で社員の車にカラスが悪戯して傷付けて困っていました。一方でイノシシ対策で「音守」をご愛用いただいている宮城県南のゴルフ場からは、カラスが乗用カートに積んでいるキャディバックのファスナーを開けてキーホルダーなどを盗んでいくのに困っていると聴きました。音を使って対策出来ないか、マンションの屋上で録淳音した鷹の鳴き声を鳴らして実験してもらったところ、鳴らしている時は逃げて行ったと確認できました。それでは...と得意の電気工作で人が居なくても自動で鳴る装置を作ってみました。鳥に学習され難いようにマイコンを使って、明るくなると7種類の音をランダムに時間をおいて鳴るように、また片手で持ち歩ける機動性を重視した構造で試作して、上記の駐車場とゴルフ場で3週間~1ケ月の実験していただいたところ、どちらも被害は無くなりました。これは面白いと、地元の新聞記者にもゴルフ場を観てもらい、近日掲載される見通しです。 商品名は「昼守(ひるもる)」としました。
●害獣対策品として個人的な考え (2023.4.1)
お陰様で「音守(おともる)」は皆様からのご愛顧により販売数は600台を超えました。特に昨年購入されたお客様が今年、追加でご注文をいただいた時は、多少なりともお役に立てたことを嬉しく感じています。ご注文をいただく時にお電話での会話で現在、北秋田市ではイノシシが出没し、青森県ではまだ出没はしていないことをお聴きしました。私が想定していたイノシシ出没場所の北限地点よりもずっと早く進んでいます。 内容が変わりますが、我が家の米倉庫の米袋全数をネズミがかじりつき被害が出ました。一応超音波のネズミ避けとハッカの匂いで寄せ付けないものを対策していましたが、残念ながらネズミはここに御馳走があることを学習してしまい、嫌な音や匂いがあっても我慢して御馳走を得ました。ネズミと云えどイノシシでも御馳走の在処を覚えてしまうと対策は難しくなります。出来るだけ御馳走の在処を分からせない予防が大事であることを感じています。「音守」についても野菜の実が成り収穫する直前に対策するよりも、栽培の段階から予防線を巡らした方がより効果があると考えます。 ちなみに、我が家の米倉庫は枠を作り金網で囲いこむことで、恒久対策を施しました。
●「音守(おともる)」全国農業新聞にも紹介されました (2023.2.23)
日本農業会議所から発行されている「全国農業新聞」ですが2023年2月17日の新聞で当社の「音守」が紹介されました。またツィッターにも載せていただきました(感謝です)。全国農業新聞は全国紙で発行部数は10万部あります。全国で鳥害獣被害に悩まされている方は多く、特に鹿・猪による被害は深刻となています。こうした栽培に従事されている方にお役に立てるように引き続き頑張って参ります。
ツィッター https://twitter.com/gyoumu5/status/1627382513051254784
●「音守(おともる)」地元TV Oh!バンデスで紹介されました (2022.8.31)
新聞に掲載されたことから、地元宮城県のミヤギテレビより、「音守(おともる)」の取材依頼がありました。宮城県でも害鳥獣による農作物被害は深刻で、2021年でも1億円近くの被害が出ています。その中でもイノシシ被害は多くテレビ局でも取り上げて放送したいそうです。8月26日に撮影後、それから編集して8月31日の「Oh!バンデス」の番組で紹介されました。「Oh!バンデス」はさとう宗幸さんが司会で1995年から続いている宮城県内では知らない人はいないほど有名な番組で、この中に採り上げていただけることは名誉なことであります。多くの方に「音守」を知って頂く良い機会となりました。放送の後、お問い合わせを多くの方から頂いています。イノシシ被害に少しでもお役に立てればと願って、今日も「音守」をコツコツと製作しています。
●音守の上手な活用法について (2022.8.7)
イノシシ対策「音守(おともる)」を購入されたお客様から、お使い戴いての結果をいただいています。正直に書きますが、購入されたご利用者の多くはイノシシ被害が無くなったと聴いてますが、残念ながら効果が無かった方もいらっしゃいます。昨日もお電話でお話を聴いた内容について記します。6月(2022年6月)に音守を2台購入し、ご自宅前の畑で栽培しているじゃがいも用に使ったところ、今年は被害なく無事にじゃがいもを収穫することが出来ました。収穫が終わったので、今度はかぼちゃとサツマイモの栽培している所へ場所を移して使ったところ、ブザーの効果は無くイノシシに食べられてしまいました…。イノシシがブザー音を学習してしまったのかなあ…と申されていました。今までの効果があった方と無かった方の違いって何だろう???と考えてみました。今までの情報と経験から自論になりますが仮説を述べます。効果が無かったケースはイノシシがブザー音が自分たちに危害を与えないことを学習したのでは無く、次に狙う食べ物がある畑(獲物の場所)を学習していたからだと推測します。実際に効果が無かったケースでは被害に遭う前から栽培している場所に足跡の痕跡がありました。猪ブザー「音守」は人工音を発する事で獲物があるか無いか不確定な所に近づくことを予防することで作物を守る考えで商品化しましたが、獲物の場所が分かってしまったイノシシにとっては、もはや電気柵と同じく嫌な障害物を乗り越えて好きな獲物に入ってしまうと考えられます。効果が出ているケースでは獲物の場所が知られていないので、ブザー音の障害物を越えるだけの魅力が弱く近づかないものと考えます。
これらの情報から、作物の被害に遭わないための使い方は、イノシシに狙われる実が成る前からブザーを鳴らして予防線を張ることが、より効果がある使い方であり推奨します(早めに設置した方が場所を知られない)。
我が家のじゃがいも横に植えたカボチャは今年も被害出ていません(2022.8.7撮影)
●音守は鹿にも効果があることがわかりました (2022.7.30)
イノシシ対策「音守(おともる)」を購入されたお客様から連絡をいただいたのですが、宮城県北地域ではイノシシだけでなく、鹿が田んぼの稲を食べる被害に悩まされています。相手は健脚の鹿ですから、電気柵も2メートルの柵も軽く飛び越えて水田に侵入しお目当ての稲草を食べてしまいます。「音守」を試したところ、その後周辺から鹿を見なくなり、被害も無くなったようです。また、半分笑い話ですが、自宅前の畑でじゃがいも収穫が無事終わり、音守を別の畑に移動した途端に、そこの隣家の畑で栽培していたトウモロコシが鹿に食べられて、音守ブザーを移動されると困ると懇願されたそうです。犬の散歩をしていても音守のブザーに反応して、ブザーの近くになると犬はあまり近づくのが嫌なようだと言われていました。
●「音守(おともる)」ご利用 見学 (2022.6.28)
イノシシ対策「音守(おともる)」が、大変好評で多数の注文を頂いています。1台ずつ手作りですが何とか注残なしまで生産が追いついてきました。さて、本機の販売に関して技術的支援を受け、またご利用者でもある宮城県技術総合センターに行く機会があり、音守の使用状況について確認して来ました。県技術総合センターでは4月に3台の音守を購入頂き、6月には4台の追加購入頂きました。イノシシが敷地内に侵入し芝生を荒らして困っておられました。芝生を堀り起こしミミズを食べるのですが、本機を設置後、被害が落ち着いているそうです。お役に立てて何よりです。一方でご購入いただいたお客様の中には、残念ながら、イノシシが3日程で、直ぐに慣れて来ていると連絡をいただいた方もいらっしゃいます。相手は生き物なので、絶対に効くとは断言出来ませんが、簡易な装置でイノシシからの被害を予防することを考えて作ってます。
技術支援とご利用者でもある宮城県産業技術センターさま
「音守」を前に撮影。予防出来ていました
●「音守(おともる)」新聞・yahooニュースで紹介されました (2022.6.13)
イノシシ対策「音守(おともる)」は2021年12月に発売開始して以来、口コミではありますが堅調に販売の実績を積んできました。先月(2022年5月)、購入されたお客様が地元新聞「河北新報」の記者へおもしろい物があると紹介されて、記者から取材の申し入れがありました。宣伝してもらえそうなので快諾しました。そして6月1日の朝刊紙面に記事が掲載されました。メディアによる影響は想像以上に大きく、新聞掲載された日は朝7時から夜9時まで携帯電話がほぼ鳴り止まない状態で、10日までに200台を超える申込みとを頂き、事前に用意していた在庫品はすぐに無くなり、ご予約を受け付けさせて頂きました。お電話で宮城県全域から、イノシシ被害に遭って困っていることを聴き、同じ農家の身として苦労を共感しながら空き時間を見つけて、少しでも早くお届けしたく、一旦は注文いただいた数量を無事完了することが出来ました…。次に6月13日に、福岡県・新潟県・石川県の方からお問合せが入り、なんで離れた地域の方からご注文をいただくのかお聴きしたところ、Yahooニュースで見たとのことでした。あれっ、インターネットに載っちゃった…。大変ありがたく嬉しい悲鳴で、何とかものづくりに勤しんでおります。出来る限り、早くお手元に届けるように頑張りますので、ご注文いただきましたお客様は暫くお待ちください。
2022年6月1日 河北新報朝刊
●「音守(おともる)」お問合せ (2022.1.26)
イノシシ対策「音守(おともる)」について、幾人かの方からイノシシ以外の害獣に効果があるのかお問い合わせを頂いています。熊には効くのか?猿にはどうか?鹿に効きますか?白鼻芯(ハクビシン)には効くの?…。弊社で4年間の畑作実証実験では音守を使って、被害は出ていません。周辺の被害状況から猪への効果は確認出来ていますが、それ以外の害獣について効果があるのか、元々いないのかは分らないため確認出来ておりません。ブザーは人工的な音であるため、人間を警戒する動物にとって、嫌がるものであることは間違いありませんが、近づかないかどうかについては、お客様ご自身でお試しいただければ幸いです。先月の12月上旬に一旦は片付けた音守ですが、外して1週間が経たない間にイノシシ運動会の如く成獣の走った足跡が畑に残されたので、畑を耕して再度、音守を稼働させています。雪が降っても畑にはイノシシの足跡は出ていません。ヨシヨシ!
●2021年大晦日 (2021.12.31)
12月より発売を開始したイノシシ対策「音守(おともる)」ですが、チラシを作り、口コミで宣伝して頂いています。イノシシ被害で困っている方は多く二桁の台数が売れました。試しに使ってみたいと求めていただいています。先ずは商品について知り効果を確認していただき徐々に広がれば良いなと考えています。
話題が変わりますが今日は大晦日です。田舎の大晦日はやることが多く忙しい1日になります。農家の主は朝食を済ませると、神棚を掃除します。神社大掃除の小さな幹事です。小一時間をかけて掃除を済ませて各部屋毎に「和通し」と言われる注連縄を簡略したものを部屋の端に下げて神棚と玄関に注連縄を飾り、神棚に鏡餅を飾ります。ここまでで大体お昼になります。それから近くに祀られた神様へ「和通し」をお供えします。特に集落の裏山に三峰神社と祀られている小さな神様があります。標高100mほどの山道参道を約20分かけて登り、上記の和通しとお神酒をお供えしてきます。結構、キツイ上り坂ですが、今年1年の感謝の思いを持って参拝することにしています。ご近所の皆さんは高齢になって年々お参りする人も減ってきました。日本では八百万の神といって、いたる所に神様を祀り信仰してきました。それは自然の中で生きる感謝の気持ちの表われだと考えます。先人たちが残してくれた風習を自分で出来るあいだは続けていきたいと思います。
裏山の参道入口
裏山頂上に祀っている三峯神社
輪通しとお神酒をお供え
●今年近所で遭ったイノシシ被害 (2021.12.9)
12月5日の「鉄腕ダッシュ」ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、福島県にあるダッシュ村で稲作をしていたら、田んぼにイノシシが侵入しました。番組では竹を切って短冊状にして縄に吊るす鳴子のような音が出るように工夫してイノシシ対策を放送していました。ここ宮城蔵王にある我が家の近所でも今年、イノシシ達が大きく荒らしていたのでご紹介します。今年の7月上旬、じゃがいも収穫の直前に裏山の畑ばかりでなく住宅横の畑までイノシシが、好物のじゃがいもを荒らして行きました。畑には、有刺鉄線とネット柵を張っていましたが、柵の中の美味しそうなじゃがいもを目の前にすると、イノシシは無理やり下からこじ開けて畑に侵入し、まるで人間の手で掘ったかのようにほぼ全量を食べて行ったのでした…。我が家の畑は柵などの対策は一切行っておらず、ヒヤヒヤ心配しましたが「音守」だけで被害に遭わずに済みました。
赤色の「×」が被害に遭った畑
緑色「〇」は我が家のじゃがいも畑(2021.7上旬)
有刺鉄線とネット柵をこじ開けて畑に侵入(2021.7上旬)
●畑の収穫が終わり「音守」を片付けたら…直ぐにやって来た! (2021.12.08)
見えますでしょうか?動物らしきものの足跡です。ここは秋までカボチャを育てていました。畑の野菜たちも、イノシシの好物であるじゃがいも、さつま芋、カボチャなど無事に一通り収穫を終えたので、活躍した「音守(おともる)」は畑から撤収しました。すると1週間も経たずに、畑には動物の足跡がついています。もう狙う野菜は無いのに、夜中にやってきては食べ物を探してやってきます。音守を使っていた時には見られなかった光景です。イノシシは住宅があっても外灯が灯っていても人気のない所には静か獲物を求めて真夜中にやってきます。
●『音守』開発の経緯について (2021.11.18)
『音守』(おともる)動画
ここは自然豊かな町、東北宮城県蔵王町です。蔵王の麓に位置して、穏やかな陽の光ときれいな水に恵まれて美味しい野菜が育ちます。
しかし、最近では全国規模で発生しているイノシシによる作物被害!ここ宮城蔵王でも年々、稲作や野菜の被害が増加傾向にあります。行政の対策として、害獣用の仕掛け罠をしたり山と川へ長~い柵を張ったりしていますが、害獣たちは里の畑の獲物の旨さを知ってしまい、夜になるとやってきて、苦労して育てた作物を荒らして行きます。害獣は人間よりも遥かに鼻が利き、収穫間際のタイミングを狙って現れます。畑では特にじゃがいも、サツマイモ、カボチャなどは大好物で根こそぎ掘り起こして食べていきます。また畑以外にも稲作の田んぼや竹の子も狙われ、作物を作っていない湿地ではミミズやヘビを好んで食べています。被害にあった農家は、志気(モチベーション)が下がり高齢農家の方は翌年には被害に遭った作物栽培をやめる方が多くなっています。
対策としては作物作っているところに入られないように、有刺鉄線や網状の柵で囲んだり、市販のLED点滅器やセンサーで音が鳴るものを設置したり、最後は電気柵を張り巡らしていますが、どれも決定的な対策にはなっていないのが実情です。今から5年前に、もっと簡単で効果のある対策がないものかと考え、農家の視点で自ら手作りでイノシシ対策品を作り始めました。
まず、どの様な対策が効果がありそうか
・臭い ・・・・ 人工的な臭いで近づけないようにする
→雨が降ると臭いが薄れてしまうのであまり適さない
・音 ・・・・ 嫌がる音で近づけないようにする
→センサー式ではなく時間で音を鳴らすと良いのでは?
イノシシが嫌がる音を鳴らして畑に近寄せない対策品を作ることにしました。
1号モデル
1号モデルの製作 (2018~2019年)
音は防犯用ブザー(ヒモを引くとけたたましい音がする)の中身
を取り出して、タイマーでスイッチが入るように基板を作って接
続。また夜間だけ動作するように、ガーデニングLEDライトを取
り付けソーラーパネルを日没のセンサー代わりに改造して製作。
見事にじゃがいも畑にはイノシシが現れず、作物の被害なく収穫
出来ました。
余談ですが、秋にほぼ野菜の収穫が終わってきたので、ご近所の
畑にこのブザーを貸し出したところ、我が家の畑はブザー無しで
1週間ほど経って、畑に残っていたサツマイモを狙って、イノシ
シがやって来て少し、被害がありました。その日に慌てて残りの
サツマイモを収穫したら、その夜にイノシシが再び食べ物を狙っ
て畑に来ていました。
しかし、この第1号モデルは電池の消耗が早く、単一電池2本で1カ月程度しか持ちません。また容器にタッパーケースを使ったのですが、もともと室内で使うもので、太陽の直射日光でプラスチックがモロくなり、1年使うと、指で軽く押しただけでパリッと割れてしまいます。
電池寿命を長く、日光の耐久性に優れた容器って何かないのか、次のモデルを検討しました。
2号モデル
2号モデルの製作 (2020年)
音は小さくなりますが電子ブザーを使って作り直しました。容器
に、たまたま我が家で大量に貯まっていた味付け海苔の空容器を
上から被せて試したところ、イノシシの被害は無く、電池も約2カ
月使えることがわかりました。容器も丈夫で日光で痛むことはあ
りませんでした。しかし、下部分が開いているので、雨水や虫が
浸入して基板を痛めてしまいます。
3号モデル
3号モデルの製作 (2021年)
味付け海苔の空き容器を使って上からフタを閉める構造にしま
した。更に小型の電子ブザーに変えてケース下部分に取り付けて
みました。周波数は約2kHzです。自分以外の広範囲の畑でも効果
があるか5人の方に実験してもらいましたが全ての畑で効果が確認
されてイノシシによる被害はありませんでした。電池寿命もマン
ガン電池2本で2カ月以上使用できています。
イノシシ対策の効果が確認されたので試作用の基板を自力で
CADソフトを勉強。基板メーカーに発注して、イノシシ対策用オ
リジナル基板を作り出しました。製作にあたり宮城県産業技術総
合センターからの技術支援を受けながら何とか成し遂げることが
出来ました。
周囲から商品化して欲しい要望が出てきた事もあり、日本の広い地域で困っている害獣被害にお役に立てるならばと、思い切って会社を起業しイノシシ対策を商品化しました。
名前は畑を音で守る意味を込めて『音守』(おともる)としました。
イノシシ対策「音守(おともる)」が、大変好評で多数の注文を頂いています。1台ずつ手作りですが何とか注残なしまで生産が追いついてきました。さて、本機の販売に関して技術的支援を受け、またご利用者でもある宮城県技術総合センターに行く機会があり、音守の使用状況について確認して来ました。県技術総合センターでは4月に3台の音守を購入頂き、6月には4台の追加購入頂きました。イノシシが敷地内に侵入し芝生を荒らして困っておられました。芝生を堀り起こしミミズを食べるのですが、本機を設置後、被害が落ち着いているそうです。お役に立てて何よりです。一方でご購入いただいたお客様の中には、残念ながら、イノシシが3日程で、直ぐに慣れて来ていると連絡をいただいた方もいらっしゃいます。相手は生き物なので、絶対に効くとは断言出来ませんが、簡易な装置でイノシシからの被害を予防することを考えて作ってます。