カエルと培養細胞で細胞の方向性を見て、作って、理解する
Seeing, building, and decoding cell orientation
using Xenopus and cell culture.
Seeing, building, and decoding cell orientation
using Xenopus and cell culture.
平面細胞極性(PCP)は、ヒトからショウジョウバエまで多くの動物に共通する普遍的な細胞の方向性です。PCPの働きにより細胞の方向性が揃っているからこそ、私たちの髪の毛や腕の毛の流れの方向が揃っているのです。その制御が破綻すると神経管閉鎖不全や二分脊椎など、重篤な発生異常につながります。私たちはアフリカツメガエル(Xenopus laevis)や培養細胞を使って、PCPに関わるタンパク質を可視化し、また再構成的にPCPを培養系で作り出すことで、その形成原理の理解に取り組んでいます。
Planar cell polarity (PCP) is a universal form of cellular orientation shared by many animals, from humans to Drosophila. PCP ensures that cells are aligned in a coordinated direction, which is why the hairs on our scalp or arms point in the same general direction. Disruption of PCP regulation can lead to severe developmental disorders, such as neural tube defects and spina bifida. Using the African clawed frog (Xenopus laevis) and cultured cells, we visualize PCP-related proteins and, through reconstructive approaches, generate PCP in culture systems to elucidate the fundamental principles underlying its formation.
2028.9.1-4
御殿場で開催された学術変革領域研究(A)マルチモーダルECMの第4回領域会議および国際会議に参加しました。
近い分野だけでなく高分子・ゲルなどをはじめとする異分野の研究からの刺激を大いに受けました。
また、喜ばしいことに同国際会議で鈴木研究員が若手研究者ポスター賞を受賞しました。
2025.5.21
名古屋大学・前田英次郎先生のバイオメカニクスに関するセミナーを医生研にて開催します。
2025.4.21
中央大・平良博士、東京学芸大・山元博士らとの共同研究がbioRxivで公開されました。
南アフリカ原産の水棲のカエル。日清丸紅の「うなぎ浮き餌 稚魚用」を与えて飼育しています。陸地が要らないので飼い方は金魚とさほど変わらない。
超解像イメージング(STED)用に色素のないアルビノ個体も維持しています(野生型だと色素が強力なレーザー光で焦げる)。
ガラス製の細い針を各自手作りし、インジェクターを使ってmRNAなどを初期胚に打ち込みます。一ヶ所につき5 nl程度と正確な微量注入が可能。
アフリカツメガエル胚では複数の割球に違うmRNAを打ち込むことで、細胞間あるいはタンパク質間の相互作用について実験することが容易です。
これが遺伝学を用いることが多い他のモデル動物との大きな違いであり、カエルならではの強みと言えます。
中古のクリーンベンチを安く入手し、自分で分解・清掃・部品の交換を行いました。
エレクトロポレーターにより、CRISPR/Cas9での効率的なゲノム編集も可能です。
循環式の大型水槽で、水温をアフリカツメガエルに適した18°C付近に保つことができます。
水は掛け流しで少量ずつ常時入れ替えていますが、京都の水道だとろ過フィルターに投資する必要がある模様。
スピンディスク式共焦点顕微鏡
高解像度(2k)の写真を数百 msec/frameと高速撮影できます。培養細胞用のインキュベーター付き。
ガルバノミラー式共焦点顕微鏡
photon-countingができる検出器(HyD)により、低バックグラウンドの定量的な画像が得られます。
これらの研究資金により、我々の研究を進めることができます。心より感謝いたします!
菊池 浩二先生(千葉大)、石谷 太先生(阪大)と
共に三井も世話人を務めています。