弓削中学校に出前授業に行きました!
第4弾
世界がもし100人の村だったら
今回、3月に行ったのは「世界もし100人の村だったら」というワークショップです。
これは、世界を100人に縮めた場合の国籍、人口密度、富、言語、識字率などをロールプレイで体験することで、富の偏りや多様性に気づく内容になっています。今回の授業では、世界を1クラス20人に縮めてワークショップを行いました。
【目的】
机上では実感しづらい世界の多様性や不平等を、身体を動かしたりロールプレイをしたりすることで、五感を使って気づき、理解すること
【進め方】
アイスブレイク:“made in 〇〇”と書いているモノを校内から探して持ってくる。
導入:世界の人口クイズ
シミュレーション1: 世界は今、高齢化?若年化?
役割カードに沿って、「子ども」「大人」「お年寄り」のグループを作る。世界と日本の世代分布を知り、それにともなって起きる問題について考える。
シミュレーション2: 大陸ごとに分かれてみよう
役割カードに沿って、所属する大陸ごとにグループを作る。縮尺に合わせたひもの中に入って、人口密度の違いを感じる。
シミュレーション3: 世界の言葉で「こんにちは」
役割カードに沿って、同じ言語を話す人同士でグループを作る。同じ国に住んでいても部族やルーツによって異なる言語を話す人がいたり、言語は違っても歴史的・文化的背景から発音が似ている場合があったりすることに気づく。
シミュレーション4: 文字が読めないということ
非識字の人が世界にどれくらいいるか知る。文字が読めないとどのような困りごとがあるか考える。
シミュレーション5: 富を多く持っているのは誰?
役割カードのマークに沿ってグループに分かれる。マークごとに異なる数のビスケットを配り、世界の富の分配が不平等であることを認識する。
振り返り: 「世界がもし100人の村だったら」を読む
インターネットミームの「世界がもし100人の村だったら 日本語訳」を回し読みし、今日のシミュレーションを通してどんなことを感じたかをゆっくり振り返る。
アイスブレイク。「made in China」や「made in Vietnam」のものが多く見つかりました。
シミュレーション中の一コマ。配られた役割カードに沿って、人口密度や識字率を体験します。
▶シミュレーション4「文字が読めないということ」の一コマ。
読めない言葉(ネパール語)のラベルが貼られたペットボトルから、「薬」と書かれたペットボトルを選んでみるというシミュレーション。
「匂いを嗅いでみたけど、全然分からない…」
「文字は読めないけど、ラベルの色が青いのが薬っぽくない?」
などなど、工夫して情報収集しようとしますがなかなかうまくいきません。
文字が読めないと、モノを買ったり、書類にサインをしたりといった場面で不安が大きく、不利な立場になってしまうこともあるということを学びました。
◀最後に、「世界がもし100人の村だったら」全文をグループで読んで、気づいたことや感じたことをシェアしました。
「同性愛者がこんなにいるとは知らなかった。」
「貧富の差があることが分かった。」
「自分の状況に不満もあったけど、世界的に見たら自分は恵まれている。」
といった感想が出ました。
国際理解教育の意義
2022年、世界人口は80億人を突破しました。
国の数は約200。言語の数は7,000~8,000。民族の数は数千。途方もない数ですね。
それをぐっと1クラスに縮めてみることで、世界のすがたを少しはリアルに捉えられたかと思います。
島にいると世界の広さを感じることはなかなか難しいかもしれません。マスメディアが伝える情報だけでは怖さや遠さが先行してしまって、世界の国々と私たちの住む日本の共通点や違いを本質的には理解できないこともあるでしょう。
今回のような時間をとおして、同じ世界に住む異質な存在に対して関心を持ち、「本当はどうなんだろう?」と疑問に思う心を育ててほしいなと思います。