Research
Perovskites / Solar Cells / X-ray Detectors / Film Formation / Single Crystal Growth
Perovskites / Solar Cells / X-ray Detectors / Film Formation / Single Crystal Growth
近年、街中で電気自動車を見かけることが増えてきました。二酸化炭素を排出しない電気自動車の普及は、地球温暖化を食い止めるための環境活動とともにあったと言えるでしょう。ところで、電気自動車を動かすのに必要な電気は、どのようにして作られているでしょうか?火力発電等が主体のままでは、結局はエネルギー資源として二酸化炭素を排出していることになり、根本的な解決にはなり得ません。そこで電力供給源として太陽光発電を進めていきましょう!という考え方が生まれるわけですが、ではその太陽電池を製造するのには、どれだけのエネルギーを消費しているでしょうか?
私がこれまで取り組んできた研究では、この問題に切り込んでいます。すなわち、そもそもの材料開発にかかるエネルギーコストを引き下げようという理念です。私の出身研究室である平藤研究室の掲げている言葉を借りて言えば、"地球にやさしいプロセスで"次世代の機能材料を創造することを目指しています。
これまで、金属ハライドペロブスカイトに焦点を当てた研究を行ってきました。以下に主なプロジェクトを紹介します。
(ペロブスカイトに関する解説はこちら)
ペロブスカイトの実用化には、実験室レベルの材料合成手法から実用に即した手法への転換が必要です。京都大学在籍時には、ミストデポジション法と呼ばれる産業応用向きの成膜手法を検討し、この手法による高品質成膜の実現および成膜メカニズムの理解を進めました。具体的には膜厚 500 nm 程度の薄膜応用(太陽電池)と 100 µm 程度の厚膜応用(X線検出)を実現しました。
単結晶は多結晶薄膜に比べて欠陥密度が少なく、また十分な厚みを有しているため、X線やガンマ線の検出器としての応用が研究されています。University of Victoria 在籍時には、Makhsud I. Saidaminov のもとで、ペロブスカイト単結晶を再現性よく高品質に合成できる手法(FRC 法; Flux-Regulated Crystallization)を開発しました。FRC 法で合成したペロブスカイト単結晶は、Makhsud が CEO を務めるスタートアップ企業 AY Sensors Inc. で販売されています。