研究内容

ネットワーク観測・予測・制御

インターネットを介したサービスが普及し、インターネットを流れる通信トラヒック量は増加の一途をたどっています。その一方、新たなアプリケーションの登場によるトラヒック状況の変化や故障等、ネットワーク内の環境変動も大きくなっており、トラヒックの効率的な収容のみならず、環境変動への対応可能なネットワークが求められています。 この問題に対して、各時刻の状況に応じて、ネットワークを経路や構造を変更する手法に関して研究を進めています。具体的には、各時刻のネットワークの状況を把握するための通信トラヒックの観測・分析手法、分析結果をもとに将来のトラヒック状況を予測する手法、トラヒック予測と連携して将来の変動に備えつつ安定したネットワーク制御手法や、低消費電力と環境変動への耐性を両立するためのネットワーク制御・設計手法に取り組んでいます。 特に近年では、ネットワークの制御にあたり、ネットワーク内の情報にとどまらず、ネットワーク外の現実世界でセンシングされた情報を用い、ネットワークにおけるリスクをいち早く把握するための手法の検討を行っており、その中で、多種の情報を随時得ながら、適切な判断を行うための機構として、人の脳が認知を行う仕組みを取り入れたネットワーク制御手法の確立に取り組んでいます。

ネットワークセキュリティ

従来からインターネットに接続されきたパソコンやスマートフォンに加え、近年では、IoT 機器と呼ばれる様々な機器がインターネットに接続されるようになってきています。そのような、インターネットに接続される機器が増加するにつれ、それらの機器が攻撃者から狙われるなど、セキュリティリスクが高くなっています。 今後、従来のようなパソコン、サーバなどをターゲットとした攻撃に加え、IoT 機器を対象とした新たな種類の攻撃が発生する可能性もあり、それらの新たな攻撃に対しても、迅速な対処が求められています。 この問題に対し、機械学習技術を用いた対処手法について研究を進めています。具体的には、ユーザや機器の正常時の通信パターンを学習し異常検知を行う技術や、ハニーポット等で収集された攻撃時の通信を分析・学習し、同種の異常通信を検出する技術、過去に経験したインシデント情報を蓄積・学習し、学習結果をもとに、新たに発生したインシデントについて分析を行う技術の研究開発を進めています。