鯨類の研究に関わる研究機関・大学の研究者有志が集まって、月に2回程度のペースで海産哺乳類に関する最新の論文を紹介するオンラインセミナーを行っています。このページはこれまでに輪読した論文リストと内容の記録です。概要はあくまで個人の解釈に基づくメモですので、研究内容の詳細については必ず原文を参照してください。
第84回2026年3月12日
Torres et al. (2025) Global tracking of marine megafauna space use reveals how to achieve conservation targets. Science 388 (6751)
http://doi.org/10.1126/science.adl023
昆明モントリオール生物多様性枠組で規定されている目標のうち:3.陸と海のそれぞれ少なくとも30%を保護地域及びOECMにより保全するとした30 by 30目標)を達成するために、とくに海洋大型種でIMMegAs (important marine megafauna areas)を特定する必要がある。世界中の移動追跡データを収集したMegaMoveのデータを分析し、111種12794個体の居住・回遊別の分布域把握を試みた。海洋大型種の回遊域は現在の海洋保護区では十分カバーされていないし、30%の目標値であっても不十分であると結論し、さらなる保全対策が必要とした。
第83回2026年2月20日
Ouzoulias et al. (2024) Development of a new control rule for managing anthropogenic removals of protected, endangered or threatened species in marine ecosystems. PeerJ 12:e16688
http://doi.org/10.7717/peerj.16688
ASCOBAN(バルト海・北東大西洋・アイルランド海・北海における小型鯨類保全協定)の下で、ネズミイルカの混獲数は個体数の1%未満に制限する保全措置が取られているが、生物特性値や不確実性を十分考慮していないこと、保全目標が不明確であることなどから、これに代わるAnthropogenic removals threshold (ART)を提案し、PBRやRLAなどその他の手法の保全効果について比較した。
第82回2026年2月5日
Øien et al. (2024) Previous, current and future monitoring and management of common minke whales in Norway. NAMMCO Scientific Publications 13.
https://doi.org/10.7557/3.7426
ノルウェー周辺海域で捕獲されているミンククジラを対象に捕鯨、資源管理、資源調査の歴史と背景についてレビューし、近年課題となっている高コストの調査方法や解析的に複雑なRMPに基づく現行管理方式の改善について議論。
第81回2025年12月8日
Ryan et al. (2025) Audible changes in marine trophic ecology: Baleen whale song tracks foraging conditions in the eastern North Pacific. PLoS ONE, 20: e0318624.
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0318624
カリフォルニア海流域で記録されたPAMデータを解析し、シロナガスクジラ、ナガスクジラ、ザトウクジラのソング検出率の季節変化、年変化を生態学的と比較した。ザトウクジラのソングの季節性は目視による発見数と一致せず、背景雑音とも関係が見られなかったため、来遊個体数の指標としては使えないだろう。3種で近年ソングの検出が多かったのは、海洋熱波の終了に起因する摂餌生体の変化・音響行動の変化に関係しているかもしれない。
第80回2025年11月27日
de Quirós et al. (2024) Allocation and use of body energy reservoirs in striped dolphins and Blainville's beaked whales: Snowball effect in negative energetic balance. Marine Mammal Science, 41: e13200
https://doi.org/10.1111/mms.13200
座礁したスジイルカとコブハクジラについて、解体計測のほか、脂質やタンパク質含有量を測定し、酸素貯蔵量と有酸素潜水限界を計算。この結果から、筋肉中のタンパク質が重要なエネルギー貯蔵源で、体重減少が起こると脂皮、筋肉重量が低下し、酸素貯蔵量や有酸素潜水限界が減少しさらなる体重減少を引き起こして死に至るというスノーボール仮説を提唱。
第79回2025年11月7日
Germishuizen et al. (2024) Population changes in a Southern Ocean krill predator point towards regional Antarctic sea ice declines. Scientific Reports, 14:25820
https://doi.org/10.1038/s41598-024-74007-1
ミナミセミクジラは絶滅近くまで個体数が減少した後、回復傾向にあったが、最近は繁殖率の低下が認められている。高緯度域で摂餌し南極オキアミを捕食することから、海氷の減少に伴う餌環境の悪化が繁殖率低下の原因と考えられる。本研究では出産間隔と餌環境(クロロフィルや海氷)の関係を線形モデルで解析した。2010年以降、出産間隔が4-5年と長期化する傾向があり、一部のブロックでは海氷の減少やそれに伴うクロロフィルの増加が出産間隔の増加に関係している結果を示した。
第78回2025年9月19日
Becker et al. (2025), Evaluating Seasonal vs. Spatial Extrapolation for Cetacean Distribution Models in the California Current, Marine Mammal Science, e70030,
https://doi.org/10.1111/mms.70030
種分布モデル(SDM)を用いて、カリフォルニア海流域鯨類分布の時空間外挿の精度を検証。GAMを用いて各種環境変数からマイルカ、イシイルカ、カマイルカ、ナガスクジラの分布密度を推定、ブートストラップにより全体の分散を評価した。イシイルカ、カマイルカでは季節外挿、マイルカ、ナガスクジラでは季節外挿のモデルが優れていた。これは、コアハビタットを捉えられているかどうか、水深との応答が関係していると考えられた。
第77回2025年8月29日
Agbayani et al. (2020), Growth and development of North Pacific gray whales (Eschrichtius robustus), Journal of Mammalogy, 101: 742–754,
https://doi.org/10.1093/jmammal/gyaa028
動物の成長式は個体や個体群の状態を把握するうえで重要な基礎情報となる。コククジラ太平洋系群について長期にわたって収集された年齢と対象データに複数の成長式を当てはめた。AICによるモデルを比較の結果、Putter型二段階モデルが選択された。
第76回2025年7月3日
Pirotta et al. (2025). Body size, nutritional state and endocrine state are associated with calving probability in a long-lived marine species. Journal of Animal Ecology, 94, 1422–1434.
https://doi.org/10.1111/1365-2656.70068
航空写真から得た体サイズのデータ、糞から検出したホルモンレベルのデータなどを用いて、コククジラの健康状態を推定するベイズ状態空間モデルを構築した。本個体群は近年体サイズの減少が懸念されており、本モデルのアプローチは長寿命の種に対して個体群減少を早期に検出できること示唆する。
第75回2025年6月19日
Nishi et al. (2024) Ship collision risk threatens whales across the world’s oceans. Science, 386, 870-875.
https://doi.org/10.1126/science.adp1950
世界中の鯨類分布データを用いてシロナガスクジラ、ナガスクジラ、ザトウクジラ、マッコウクジラの種分布モデルを構築し、AISデータベースによる船舶航行情報と重ねることで、船舶衝突リスクを評価した。船舶の速度を減らすことで衝突リスクを減らすことができること、海洋保護区の設定に役立つことなどを考察した。
第74回2025年5月29日
Smoll et al. (2024) Measuring steroid hormone levels in the skin of free-ranging dugongs: A less invasive way to determine reproductive status. Marine Mammal Science. 41: e13206.
https://doi.org/10.1111/mms.13206
半野生下においてジュゴンの繁殖状態を判定するために、非侵襲的方法で表皮中のステロイドホルモンを測定し、体長や糞のホルモンレベルから判定された繁殖状態を比較しその有用性を検討した。測定したステロイドホルモンのうち、テストステロンとコルチゾルは正しい測定ができなかったが、プロゲステロンは表皮中からの測定が可能で、妊娠メスで高い濃度が示されたことから、繁殖状態の判定に有用と考えられた。一方糞中のプロゲステロンに比べ、表皮中の測定値は繁殖状態のカテゴリ間で重なりも見られた。これは血中ホルモンの表皮への反映にタイムラグがあるためと考えられた。
第73回2025年5月12日
Ellis et al. (2024) The evolution of menopause in toothed whales. Nature 627: 579-585
https://doi.org/10.1038/s41586-024-07159-9
ハクジラの閉経の進化について、live-long仮説とstop-early仮説について、複数種の繁殖年齢、体サイズ、生残率を過去の文献データから抽出、推定して検証した。閉経を持つ種はハクジラ類の系統関係から独立しており、また閉経を持つ種は相対的に寿命が長い一方、繁殖期間は他の種と体長比で大きな違いがなかった。祖母と孫が一緒にいる期間が閉経を持つ種で長く祖母仮説が支持された一方、母娘の繁殖重複には種間で差が見られなかった。これらの結果からlive-long仮説が支持され、これは系統的に異なる人の閉経と同様のメカニズムで収斂進化の例と考えられた。
第72回2025年4月4日
Irvine et al. (2025) Ecological drivers of movement for two sympatric marine predators in the California current large marine ecosystem. Movement Ecology 13:19
https://doi.org/10.1186/s40462-025-00542-9
カリフォルニア海流域に来週するナガスクジラとシロナガスクジラにアルゴスタグを装着し、その移動軌跡から状態空間モデルを用いてデータのフィルタチングを行うとともに、move persistence valueを算出した。この値は潜水行動や水深、海面高度などと相関が見られることが分かった。ナガスクジラとシロナガスクジラが留まる海域では、海域生産性を利用した摂餌行動が関係していると考えられ、またその相関程度は両種で異なることも分かった。
第71回2025年2月21日
Arranz et al. (2023) Comparison of visual and passive acoustic estimates of beaked whale density off El Hierro, Canary Islands J.Acoust.Soc.Am. 153: 2469- 2481.
https://doi.org/10.1121/10.0017921
アカボウクジラのような目視発見が難しい種の個体数推定には、受動的音響モニタリング手法(PAM)が有効かもしれない。低価格帯の漂流型PAMであるSoundTrapを用い、DTagから得たクリックスの発生率などからキューカウント法によりアカボウクジラの個体数推定を試みた。陸上からの目視により推定した個体数推定値と比較した結果、PAMを用いた手法でも十分信頼できる個体数推定が可能になることが示された。
第70回2025年1月23日
Kyriazis et al. (2021) Strongly deleterious mutations are a primary determinant of extinction risk due to inbreeding depression. Evolution Letters 5-1: 33-47
小集団が近交弱勢により絶滅に瀕している場合は、高い遺伝的多様性を維持することが重要と考えられている。しかし、本研究のシミュレーションでは始祖集団サイズが小規模な場合は劣勢有害遺伝子のレベルが低く、一方始祖集団サイズが大規模な場合劣勢有害遺伝子はヘテロ接合状態ではマスクされているが、ひとたび集団が縮小するとその有害遺伝子によって絶滅リスクが大きく上昇することが示された。他の個体群から一部の個体を移動させる遺伝的救済を行う場合は、劣勢有害遺伝子レベルの低い、小規模・中規模集団から移動させることで絶滅リスクを減らすことができると考えられた。
第69回2024年12月12日
Gillet et al. (2024) Repatterning of mammalian backbone regionalization in cetaceans. Nature Communications 15:7587
https://doi.org/10.1038/s41467-024-51963-w
哺乳類の椎骨は解剖学的に脛骨、胸骨、腰骨、尾骨に分類されるが、本研究では椎骨数と椎骨各部の詳細な測定からは椎骨パターンの再認識を試み、種間でのクラスタリングを行った。その結果4つの脛骨解剖学的領域は6つの領域、さらに詳細なネスト領域に分類できると考えられた。こうして再認識された領域化パターンは種によっても傾向が異なり、河川性種で領域化レベルが低く、連続する椎骨間での変異が大きかった。遊泳速度とは有意な相関が見られなかったが、領域化がとくに後部尾骨で進んでいるのは陸上から水中への適応に関係しているだろう。
第68回2024年11月28日
Dziobak et al. (2024) First evidence of microplastic inhalation among free-ranging small cetaceans. PLoS ONE 19: e0309377
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0309377
海洋プラの摂取に関する研究は多いが、呼気に着目した初めての研究事例。サラソタ湾とバラタリア湾で長期観察しているハンドウイルカから呼気を採集して、マイクロプラスチクス(MPs)の検出を試みた。採集したすべての呼気からMPsが検出され、そのポリマー組成は海域間に違いが見られた。これは比較的都市化の進んだサラソタ湾と一方のバラタリア湾との汚染経路の違いを示していると考えられた。これらの与える健康被害については更なる調査が必要である。
第67回2024年11月13日
Lammers et al. (2024) Humpback whale feeding behavior and defecation observed on the Hawaiian breeding grounds. Marine Mammal Science. e13177
https://doi.org/10.1111/mms.13177
ザトウクジラは低緯度の繁殖海域では摂餌しないと考えられてきたが、近年いくつかの海域で摂餌行動や繁殖行動の事例が僅かに報告されている。この論文ではハワイ周辺での観察事例を紹介する。口を開けて突進摂餌をする例、ヘリコプターから観察された餌を追う行動が見られ、いずれも未成熟個体と推定された。脱糞行為は大型個体のみから観察されたが、これは摂餌海域で食べた物が残っていた可能性もある。
第66回2024年10月24日
Dolman et al. (2024) A review of small cetacean hunts in Greenland. Marine Policy. 106401
https://doi.org/10.1016/j.marpol.2024.106401
グリーンランド周辺海域において捕獲対象となっている小型鯨類の管理状況に関するレビュー。現在地域政府はシロイルカとイッカクについては捕獲枠が設定されているが、他の5種については規制がない。前者に関してはNAMMCO科学委員会での定期的な評価が行われているものの、他の種では個体数評価自体があまり行われておらず、統計値の信頼性についても問題が残る。イッカクは個体群状況に懸念が示されているが、文化的な配慮から捕獲を停止できていない。このような状況から、NAMMCOの勧告に従い、資源状態に懸念のある種、評価が行われていない種への対策に加え、定期的な個体数モニタリングと評価を推奨している。
第65回2024年10月11日
Alksne et al. (2024) Biogeographic patterns of Pacific white-sided dolphins based on long-term passive acoustic records. Diversity and Distributions. e13903
https://doi.org/10.1111/ddi.13903
北東太平洋のカマイルカには複数系群が存在し、また南カリフォルニア湾にはタイプA、Bの異なるクリックスを発生する群が知られてきた。両者は発声の時間や海域、摂餌行動などが違うと考えられ、音響的に個体群が区別できるかもしれない。本研究では14か所に周波数10-200kH範囲のPAMを設置し、自動検出を試みた。結果、Aは主にオレゴン-カリフォルニアにBは南カリフォルニア沿岸で検出があった。またAは夜間に多く夏秋にオレゴン・アラスカに北上、Bは昼間に多く秋冬に南カリフォルニア(夏は不明)に分布した。以上から音響の違いは個体群を反映し、摂餌や季節行動を通して時空間的なニッチ分割が起きていると考えられた。両群とも海洋熱波により検出数が低下し、また気候変動指数との関係が見られた。
第64回2024年9月12日
Kohlman et al. (2024) The 2019 marine heatwave at Ocean Station Papa: A multi‐disciplinary assessment of ocean conditions and impacts on marine ecosystems. Journal of Geophysical Research: Oceans, 129, e2023JC020167
https://doi.org/10.1029/2023JC020167
北東太平洋で近年頻繁に発生している海洋熱波のうち、アラスカ湾に設置されたOcean Station Papa (OSP)周辺で2019年に発生した海洋熱波に着目した海洋学的、生物学的な観測結果を報告した。OSPに設置した係留計からは水温、塩分、日射量、二酸化炭素分圧、pHなどが観測され、それらから溶存無機炭素や混合層深度が算出された。さらに音響測定器が設置され、シロナガスクジラの音声から来遊・滞在時期が推定された。また船舶観測も行われた。一連の観測の結果、2013-2015年の海洋熱波以降上層の水温バリアが生じ、結果として2019年の海洋熱波に影響したと考えられた。2019年にはシロナガスクジラが他の年よりも早い時期に来遊した。本研究は事例の報告であり、海洋熱波の発生や生物への影響については不明な部分も多い。
第63回2024年8月21日
Kardos et al. (2023) Inbreeding depression explains killer whale population dynamics. Nature Ecology & Evolution
https://doi.org/10.1038/s41559-023-01995-0
北東太平洋のシャチのうち南定住性個体群は、1970年代以降100頭未満の個体数のまま減少を続けている。その要因として近親交配による生存率・繁殖率の減少といった遺伝的影響が考えられる。本研究ではゲノム解析から推定されるホモ接合性遺伝子の割合(FROH)を生存率・繁殖率との関係で分析するとともに、変数として個体群動態モデルに組み込むことで、個体数変動のシミュレーションを行った。また過去の有効集団サイズの復元や平均ヘテロ接合度の推定を通して、シャチ南定住性個体群に繁殖的隔離が大きい事実を明らかにした。本個体群に近親交配が生じ、適応度が低い要因や保全対策などについて議論された。
第62回2024年7月18日
Violi et al. (2023) Genomics reveals the role of admixture in the evolution of structure among sperm whale populations within the Mediterranean Sea. Molecular Ecology 32: 2715-2731
https://doi.org/10.1111/mec.16898
マッコウクジラのSNPs解析から、地中海周辺海域における遺伝構造を調べた。ナガスクジラやハンドウイルカなどでと同様に大西洋と地中海の分化が見られ、一方地中海の東西の分化は、西側での大西洋個体群との交雑が原因と考えられた。地中海と大西洋の集団の変遷2万年前ごろまでは類似しており同一集団であったと考えられる。その後、founderイベントが起こり大西洋から地中海に進入した個体群では減少が見られた。これらのことから地中海個体群の保全対策が必要。
第61回 2024年7月4日
Pirotta et al. (2023) Modeling individual growth reveals decreasing gray whale body length and correlations with ocean climate indices at multiple scales. Glob Change Biol. 2024;30:e17366
https://doi.org/10.1111/gcb.17366
ドローンで撮影したコククジラ太平洋摂餌グループの外部形態データをベイズモデルで解析し、近年の体サイズ減少傾向を明らかにした。統計モデルにはPutter成長式を用い、成長変曲点をbroken-stick関数によって、また環境変動の影響をPDO(太平洋十年規模振動)と沿岸湧昇輸送指数(CUTI)との関連で分析した。これらの結果、2000年代以降平均体長が減少し、特にメスで減少傾向が顕著であった。また漸近体長はPDOや湧昇強度と相関がみられた。これらのことからコククジラの体サイズの減少は環境変化の影響を受けた結果と考えられた。
第60回 2024年6月6日
McCormack et al. (2023) Lack of intergenerational reproductive conflict, rather than lack of inclusive fitness benefits, explains absence of post-reproductive lifespan in long-finned pilot whales. Behavioral Ecology 34: 950–959
https://doi.org/10.1093/beheco/arad062
鯨類の更年期の存在について、哺育や捕食を助ける「母・祖母効果」に加えて、母・娘の世代間での繁殖に関する「競合回避」をするとの仮説が考えられている。この研究ではフェロー諸島の追い込み漁業で捕獲された千頭以上のヒレナガゴンドウについて遺伝的に親子関係を調べ、母・祖母の存在が、子の成長や出産数、妊娠率などに影響を与えるか、GLMMにより分析した。この結果、母の存在が群れの中の子の数に影響することが認められたが、祖母の効果はいずれも見いだせなかった。サンプル数の少なさ、群れサイズ、餌環境などが影響したかもしれないと考察している。
第59回 2024年5月14日
Madsen et al. (2024) Toothed whales use distinct vocal registers for echolocation and communication. Science 379: 928–933
https://doi.org/10.1126/science.adc9570
ハクジラ類は高深度潜水を行うが、空気の体積が小さくなる環境でそのように音を発生させているのか?音響定位に用いるクリックスについて筋肉の自律的な運動による発声と空気による声帯での発声の2つの仮説を検証した。内視鏡による高速撮影からフォニックリップス(PL)の衝突によって発生していることが分かり、この時PLの上下で気圧差が生じていた。PL開放時間率(OQ)の解析から、クリックスとホイッスルはヒトの声区と類似しており、PLは同様の機能を持っている可能性がある。さらにハクジラが鼻道で発生するメリットについての考察があった。
第58回 2024年4月26日
Stewart et al. (2024) Boom-burst cycle in gray whales associated with dynamic and changing Arctic conditions. Science 382: 207-211
https://doi.org/0.1126/science.adi18
太平洋東岸のコククジラは商業捕獲停止後急速に資源が回復したが、1990年代以降資源が減少・増加を繰り返している。最初の現象は密度効果によるものと考えられているが、河野増減は北極域の海洋環境と摂餌環境の変化によるものかもしれない。そこで、陸上からの目視観察による個体数推定値を用い、その変動を統合型個体群動態モデルにより解析した。個体群動態モデルには、仔獣数、人為的死亡数、栄養状態、環境変数などを用いして統合解析し、その結果餌となる甲殻類のバイオマスや海氷へのアクセスの変動が、コククジラの環境収容力に影響を与え、近年の個体数変動をもたらしていることが示された。
第57回 2024年4月16日
Cheeseman et al. (2024) Bellwethers of change: population modelling of North Pacific humpback whales from 2002 through 2021 reveals shift from recovery to climate response. Royal Society Open Science 11: 231462
https://doi.org/10.1098/rsos.231462
ザトウクジラの写真識別データベースHappywhaleの長期膨大なデータを標識再捕法により個体数分析し、長期の個体数トレンドを推定した。ザトウクジラ個体数は2002年から2012年まで増加したが、その後2021年までに20%減少し、これは海洋熱波などの環境変化により餌が減少したことが要因と考えられる。ハワイとメキシコでは別途地域別の個体数指数のトレンドが調べられ、前者では顕著な個体数減少が見られた。本種はすでに過去の捕鯨による枯渇から回復しており、種の保護に向けた研究の重要性は低くなっているが、環境変動を背景とした生態系の健全性の指標としての研究の役割が高まっている。
第56回 2024年3月26日
Kaplan et al. (2024) Humpback–krill relationships are strongest at fine spatial scales in the Northern California Current region. Marine Ecology Progress Series 729: 219–232
https://doi.org/10.3354/meps14510
北カリフォルニア海流域におけるザトウクジラとオキアミの関係のスケール依存に関する解析結果。目視調査でのザトウ分布位置の周囲半径1~20km以内のオキアミパッチの有無を4つの水深層のNASC(オキアミ密度)を説明変数としてGAMMで解析した。その結果、5kmスケールのモデルが最も相関が高かった。この結果は最適採食理論で説明できるであろう。GAMMの応答曲線から、NASCが一定の閾値以下だと摂餌行動をとらないと考えられた。
第55回 2023年12月15日
Barlow et al. (2023) Shaped by their environment: variation in blue whale morphology across three productive coastal ecosystems. Integrative Organismal Biology: 1–14
https://doi.org/10.1093/iob/obad039
シロナガスクジラの北米沿岸個体群(モントレー湾)、チリ個体群(南タラナキ湾)、ニュージーランド個体群(コルコバード湾)において無人航空機を用いて外部形態の測定を行った。またデータベースから各海域の海洋環境を分析し、外部形態や回遊生態との関連について考察した。
第54回 2023年11月30日
Lysiak et al. (2023) Prolonged baleen hormone cycles suggest atypical reproductive endocrinology of female bowhead whales: Royal Society Open Science 10: 230365
https://doi.org/10.1098/rsos.230365
ホッキョククジラの東カナダ・西グリーンランド個体群の雌10個体から採取したヒゲ板を用いて生殖ホルモンと安定同位体比を分析した。成熟雌は妊娠を示すプロゲステロンのっ周期的な上昇を示し、その平均期間(23.6 ± 1.50 か月)は、この種について以前に推定された約 14 か月の妊娠よりもかなり長かった。 この結果について着床の遅れや妊娠前の連続的な排卵、北極の変動する条件下で雌の適応などが考えられた。
第53回 2023年11月8日
Nigenda-Morales et al. (2023) The genomic footprint of whaling and isolation in fin whale populations. Nature Communications 14: 5465
https://doi.org/10.1038/s41467-023-40052-z
捕鯨の対象であったナガスクジラ北東太平洋個体群(30標本)とカリフォルニア湾個体群(20標本)の全ゲノムシーケンスとシミュレーションによって、捕鯨による近年の集団サイズの変化を調べた。Structure解析で2つの集団が明瞭に分かれていること、ヘテロ接合度からは北東太平洋個体群の遺伝的多様度が高いことなどが示された。ROH(ホモの領域の長さ)を用いた合祖理論からはどちらの個体群も近年のinbreedingはなかった。SFSの推定からは北東太平洋で52年前にNeが99%減少した。カリフォルニア湾では616~960世代前に2系統に分かれて、大部分が北東太平洋に移入した。シミュレーションの結果、ヘテロ接合度・均衡係数・有害遺伝子は個体群の回復とともに、捕鯨前の状態に近づく。個体群間の移出入があることで、個体群の多様度が維持されていることも示された。
(Ne:有効集団サイズ~個体数に比例)
第52回 2023年10月5日
Cramer et al. (2023) A unifying framework for understanding ecological and evolutionary population connectivity. Frontiers in Ecology and Evolution 11:1072825.
https://doi.org/10.3389/fevo.2023.1072825
個体群間接続の概念を、生態学的および進化学的な接続の2つに分けてレビュー。前者は分布(在不在)やトラッキング、後者は遺伝子頻度で評価される。たとえば遺伝子多様度が上がれば地域的適応よりも広い混合へと進む。タイムスケールとしては、進化的なスケール、現存個体間のスケール、2-3世代間のスケールがある。米国沿岸のヒラメの例を用いて、タグを用いた生態学的接続の評価(移動範囲の推定)、inter-generationスケールの評価(耳石の化学分析)、SNP分析の結果(進化的スケール)を組み合わせて解釈した例を紹介。タイムスケールを意識して、違う分野の考えを統合することが個体群接続の全体像の理解に繋がる。
第51回 2023年9月20日
Bianucci et al. (2023) A heavyweight early whale pushes the boundaries of vertebrate morphology. Nature 620: 824-829
https://doi.org/10.1038/s41586-023-06381-1
最近地球史上もっとも大型の鯨類の化石がペルーで見つかった。椎骨や肋骨など一部のみの発見で、その情報を基に全身を復元。鯨類の多くは一般に浮力を得るために多孔質の骨を持つが、本種は緻密層を持ち肥大化し、骨重量が重い。復元された重量から、シロナガスよりも大型である可能性がある。椎骨の形態からは体の後方をゆっくり上下させて遊泳していたと推測される。海牛類のように草食の可能性もあるが、鯨類の系統で草食性種は知られていない。
第50回 2023年8月24日
Patton et al. (2023) A deep learning approach to photo–identification demonstrates high performance on two dozen cetacean species. Methods Ecol Evol
https://doi.org/10.1111/2041-210X.14167
顔認証技術の最新手法であるArcFaceを用いて、個体識別写真を用いた個体識別と種同定を同時に行うプログラムを開発した。ある種で学習した情報を他の種に利用できる転移学習も導入した。マッチングではなく新規個体を認識するオープンセットや過学習の問題に対処する手法を開発した。個体識別精度は種によって異なり、教師データが少ない種で識別精度が悪いが、データが少ない種でも背鰭を用いて識別できる種では精度が高かった。ミナミセミのような他の種で使われない識別要因(クジラシラミの白斑)があると転移学習ができないので精度悪いと考えられた。
第49回 2023年8月3日
Punt (2023) Those who fail to learn from history are condemned to repeat it: A perspective on current stock assessment good practices and the consequences of not following them. Fisheries Research 261: 106642
https://doi.org/10.1016/j.fishres.2023.106642
資源評価では近年、個体群動態を決定するパラメータを別のモデルで記述し、統合的に解析するアプローチが主流になりつつある。この場合、パラメータやモデルの選択肢により、評価結果も異なってくる。本論文は、それらの選択のための指針に関する総説である。個体群モデルと空間構造、過程誤差について整理したのち、成長、選択性、自然死亡係数、加入(再生産関係)に関する扱いについて説明している。複数データ・モデルを統合解析した場合の診断や重みづけについて説明したうえで、最後にデータプアー場合の評価、資源評価モデル内部で推定するか外部で推定するか、MSEでの応用について議論したのち、各項目のグッド/ベストプラクティスをまとめている。
第48回 2023年7月13日
Betty et al. (2023) Age- and sex-specific survivorship of the Southern Hemisphere long-finned pilot whale (Globicephala melas edwardii). Journal of Mammalogy 104: 39–48
https://doi.org/10.1093/jmammal/gyac085
個体群の存続可能性を評価するためには、年齢構造の情報が重要である。本研究では、南半球のヒレナガゴンドウ座礁個体から採集した歯の標本を用いて年齢査定を行い、生命表を作成した。Siler競合モデルを用いることで、若齢期の死亡率減少、齢独立一定の死亡率、高齢期の死亡率増加を統合解析し、U字型の死亡率曲線を推定した。この結果、オスは若い個体の割合が多く、死亡率が高く、とくに20歳以上の成熟オスの数が少なかった。本種の社会構造からオスが座礁しにくい、単独・小集団で生活するために捕食リスクが高い、病気の影響などが原因として考えられた。また更年期を持つコビレゴンドウに比べてメス全体の死亡率が高かった。
第47回 2023年6月29日
Onoufriou et al. (2022) Biogeography in the deep: Hierarchical population genomic structure of two beaked whale species. Global Ecology and Conservation 40: e02308
https://doi.org/10.1016/j.gecco.2022.e02308
アカボウクジラとコブハクジラの個体群とその進化について調べるため、全球の様々な海域から採集した両種の標本から、縮約核ゲノム(ddRAD)と全ミトコンドリアゲノムを解析した。アカボウクジラの個体群は大西洋、地中海、インド太平洋に分かれ、それらの海域内にそれぞれ2、5、3のクラスターが検出された。コブハクジラは大西洋とインド太平洋の個体群に分かれた、大西洋内では2つ、インド太平洋では3つのクラスターに分かれた。多様度とTajima‘s Dに基づく拡大(-)縮小(+)傾向を議論した。これらの個体群構造は過去の環境変化に影響を受けたと考えられた。
第46回 2023年6月15日
Dunlop and Frere (2023) Post-whaling shift in mating tactics in male humpback whales. Communications Biology 6, Article number: 162
https://doi.org/10.1038/s42003-023-04509-7
東オーストラリアに棲息するザトウクジラの雄密度が与える繁殖戦略を長期の音響観測と目視調査から調べられた。捕鯨により個体数が減少し、雄密度が低い場合は鳴音を発する雄個体の割合が大きかったが、その後個体数の増加とともに雄密度が高まると鳴音を発する割合が減少した。これは個体間の距離が高まり、物理的な闘争が増加し、Pay-off(繁殖成功:メスと一緒にいるか)の比較から、密度が高くなるとシンガーのpay-offが相対的に下がると考えられた(闘争を減らす)。
第45回 2023年5月25日
Pearson et al. (2023) Whales in the carbon cycle: can recovery remove carbon dioxide? Trends in Ecology & Evolution 38, 238-249
https://doi.org/10.1016/j.tree.2022.10.012
地球温暖化と海洋が吸収するメカニズム(BCP)に着目し、炭素循環の中での鯨類の役割についてのレビュー論文。餌の鉛直移動による炭素輸送(沖合・赤道で減少)や鯨類の排泄物が栄養塩源で表層に一次生産を生む。死亡による沈下や季節回遊などによっても炭素の輸送がある(ホエールポンプ)。鯨類は長寿なので炭素貯蔵期間が長く、代謝率は高次になるほど3/4のべき乗で減るため貯蔵効率がいい。大規模な商業捕鯨により81%もの炭素貯蔵が取り除かれた(捕鯨船による排出はおそらく少ない)ので、保全管理の成功と地球温暖化対策双方に利益をもたらすだろう。
第44回 2023年5月11日
Weiss et al. (2023) Costly lifetime maternal investment in killer whales. Current Biology 33, 744–748
https://doi.org/10.1016/j.cub.2022.12.057
仔の成長促進のために雌親の繁殖投資を犠牲にし、雄の仔の生存率を高めるという仮説を確かめるため、1970年代からモニタリングされている米国北東岸のシャチ個体群を用いて繁殖成功の有無を解析した。繁殖成功を応答変数に、年齢、娘、息子の存在などを説明変数にして線形モデルで解析した結果、息子の存在は雌親の寿命を延ばし、年間の繁殖確率を70%減少させることを明らかにした。
第43回 2023年4月20日
Bergeron et al. (2023) Evolution of the germline mutation rate across vertebrates. Nature 615: 285–291
https://doi.org/10.1038/s41586-023-05752-y
様々な分類群68種151トリオ(両親+仔)の高精度全ゲノム解析から生殖細胞変異率(GMR)を推定、ドリフトバリア仮説を検証した。GMRが特徴的に大きい種があり、哺乳類や爬虫類、鳥類にGMRの高い種が見られた。種間での比較から、世代時間、成熟年齢、個体数などの生活史特徴が変異の多さに関係していることが見いだされ、ドリフトバリア仮説が支持された。
第42回 2023年4月6日
Pierszalowski et al. (2022) mtDNA heteroplasmy gives rise to a new maternal lineage in North Pacific humpback whales (Megaptera novaeangliae). Journal of Heredity 114: 14–21
https://doi.org/10.1093/jhered/esac04
ザトウクジラについて、ヘテロプラズミー(一つの細胞内に変異したmtDNAが存在する状態)に着目した解析を行った。北東太平洋の長期広域調査プログラムで収集されたサンプルからmtDNAハプロタイプの変異を検出するとともに、個体識別などから分かっている親子関係を用いることで、一部個体にヘテロプラズミーの固定・継承が起きていることを明らかにした。今後モニタリングを継続することで、分布・移動の実態と保全管理にも役立てられるかもしれない。
第41回 2023年3月23日
Segre et al. 2023 A three-dimensional, dynamic blue whale model for research and scientific communication. Mar Mamm Sci. in press.
https://doi.org/10.1111/mms.13007
空撮画像(背面と摂餌時の背面)を用いてBlender(3D CG作成のためのソフト)によりシロナガスクジラの3Dデータを作成した。アーマチュア(動きを出すための関節)を作成することで、動きも表現。作成した3Dデータは、捕獲時に現物から測定した各部の計測値ともよく一致していた。
第40回 2023年2月24日
Sasaki et al. Estimating the abundance of Baird’s beaked whales in waters off the Pacific coast of Japan using line transect data (2008–2017). Fish Sci. submitted.
前回論文の応用例として、共変量を用いたライントランセクト法の例を紹介。風力、群れサイズなどの共変量の組合せをAICにより選択し、AIC最少モデルを用いてツチクジラ太平洋系群の個体数時系列を推定した。
第39回 2023年2月10日
Eric Rexstad et al. (2022) Pooling robustness in distance sampling: Avoiding bias when there is unmodelled heterogeneity. Ecology and Evolution 13: e9684.
https://doi.org/10.1002/ece3.9684
ライントランセクト法はその柔軟な性質から、共変量を加えなくても、全体の個体数を知りたい場合はバイアスなく推定が可能というプーリングロバストネスの性質を持つ。種や個体群ごとに発見確率が異なる場合、種・個体群をプールした個体数推定値にはプーリングロバストネスが適用できるが、種・個体群別に推定値を得る場合はバイアスが生じる。この点をシミュレーションデータとソングバードの実データを用いて確かめた。
第38回 2023年1月19日
Vacher et al. 2022 Alzheimer’s disease-like neuropathology in three species of oceanic dolphin. Eur J Neurosci. 1–19
https://doi.org/10.1111/ejn.15900
小型鯨類は閉経・閉経後の寿命や社会性を持つこと、ハンドウにAβが存在することから、人と同様にアルツハイマーが存在する可能性がある。政府が保管した座礁個体の標本を使用し、免疫組織化学蛍光法などを用いてアルツハイマー病様を調べた。3種(カマ、コビレ、ハンドウ)で大脳皮質にAP(アミロイド班)が見つかり(若齢個体では無いか少量)、またpTauリン酸化タウタンパク質が白質・灰白質に存在した(若齢個体では白質には存在するが灰白質には存在しない)。脳の炎症を起こすアストログリア細胞が蓄積も見られた。こうしたアルツハイマー病様の存在は認知機能、ひいては座礁行動にも関係するかもしれない。
第37回 2022年12月20日
Pirotta et al. 2022 From individual responses to population effects: Integrating a decade of multidisciplinary research on blue whales and sonar. Anim. Conserv. In press
https://doi.org/10.1111/acv.12785
北東太平洋のシロナガスクジラに対する軍事用ソナーと気候変動のsublethalな影響をシミュレーションした。ソナーに対する行動の変化やオキアミの密度の変化などの複数シナリオを比較した結果、環境変化による繁殖効率への影響が大きく、ソナーの影響は限定的であることが示された。
第36回 2022年11月30日
Amelot et al. 2022. Increasing numbers of killer whale individuals use fisheries as feeding opportunities within subantarctic populations. Biol. Lett. 18: 20210328.
https://doi.org/10.1098/rsbl.2021.0328
インド洋クローゼー諸島に生息するシャチ2個体群について、ベイズ型Jolly–Seber多状態モデルにより写真個体識別データを解析した。Toother fish(マジェランアイナメ)延縄操業中に記録された個体を食害個体として、その個体数の増減を調べた結果、個体群は増加していないにも関わらす食害個体は急激に増加していた。もともとの食性範囲、学習、餌個体の減少、駆除の方法などが食害の増加程度に関係すると考えられた。
第35回 2022年11月10日
Cabrera et al. 2022. Strong and lasting impacts of past global warming on baleen whales and their prey. Glob Change Biol 28:2657–2677.
https://doi.org/10.1111/gcb.16085
何大洋と北大西洋に生息するヒゲクジラとその餌生物種について、ミトコンドリアDNAコントール領域を用いた解析から遺伝的多様性の時間的変化を調べた。完新世中にヒゲクジラの多くの種の個体数が増加しており、とくに何大洋では環境変化や餌の増加タイミングに一致していた。北大西洋では種により傾向が異なるなった。本研究の結果は現在の地球温暖化に示唆を与えるものである。
第34回 2022年10月27日
Ingle and Porter 2022. Vertebral trabecular bone mechanical properties vary among functional groups of cetaceans. Integrative Organismal Biology, pp. 1–15
https://doi.org/10.1093/iob/obab036
マイルカ科鯨類とコマッコウを遊泳行動に基づき3群に分け、椎体構造を比較した。マイルカ科のうち浅い遊泳をする群は深く潜水する群およびコマッコウに比べて、強度・剛性・反発力が高かった。部位別の比較ではこれらが尾部方向で高い傾向が見られた。浅海で活発に遊泳する種と深層への潜水に負の浮力を利用する種とで、行動の違いに関連すると考えられた。
第33回 2022年10月13日
Insley et al. 2022. Bowhead whales overwinter in the Amundsen Gulf and Eastern Beaufort Sea. Royal Society Open Science 8: 202268.
https://doi.org/10.1098/rsos.202268
ホッキョククジラBCB個体群について、ボーフォート海への来遊・分布実態を音響調査によって調べた。音響データからホッキョククジラの鳴音を自動検出、さらに海氷密度のデータと比較した。この結果2018-2019年の冬季東部ボーフォート海とアムンゼン海に本種が滞在しており、海氷減少との関連が示唆された。
第32回 2022年9月8日
Foote 2022. Are “Type 2” killer whales long in the tooth? A critical reflection on the discrete categorization of Northeast Atlantic killer whales. Marine Mammal Science (Early view).
https://doi.org/10.1111/mms.12964
北東大西洋のシャチにはタイプ1(歯が摩耗する)とタイプ2(歯が鋭い・摩耗しない)が存在する。タイプ1は板鰓類食性が関係していると考えられてきたが、実際には様々な種を捕食していることが分かってきた。また両タイプの遺伝的分化についてはよくわかっていない。生態学的解釈には重要だが、個体群の多様性をタイプ1⁻2といった言葉を今後使用しないことを提案する。
第31回 2022年8月24日
Takeshita et al. 2021. High site-fidelity in common bottlenose dolphins despite low salinity exposure and associated indicators of compromised health. PLoS ONE 16(9): e0258031.
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0258031
メキシコ湾北部に位置するBarataria湾では、ミシシッピ川の河川改修による淡水流入が生態系に与える影響が懸念されている。本研究ではハンドウイルカの生理学的観察と衛星標識による行動圏の推定を行った。湾奥部と湾口部に生息するイルカは異なる狭い行動圏を持ち、季節的に塩分濃度が変化しても行動圏は一定であった。淡水流入の影響が大きい湾奥部では皮膚の病変や血液検査による胆肝機能の異変が観察された。
第30回 2022年8月10日
Kettemer et al. 2022. Round-trip migration and energy budget of a breeding female humpback whale in the Northeast Atlantic. PlosONE 17(5): e0268355.
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0268355
ノルウェー沿岸でアルゴス衛星タグを装着したザトウクジラ1個体がその後、約1年に亘って位置情報を発信し、北大西洋で本種の南北季節回遊を捉えた初めての例となった。RパッケージfoieGrasなどの解析ツールを用いて、行動解析とエネルギー要求量の推定を行った結果、追跡個体の遊泳速度は他の個体群よりも高く、この行動パターンは長距離移動、摂餌、繁殖・哺育コストのトレードオフに関連した戦略の結果と考えられた。
第29回 2022年7月28日
Tejada-Martinez et al. 2022. Positive selection and gene duplications in tumour suppressor genes reveal clues about how cetaceans resist cancer. Proc. R. Soc. B 288: 20202592.
https://doi.org/10.1098/rspb.2020.2592
一般に細胞数が多いとがん発生のリスクが高まると考えられてきたが、長寿命で大型の鯨類でがんが発生しないのは、がん抑制遺伝子(TSG)の機能が関係している可能性がある。本研究では遺伝子重複を起こしているTSG遺伝子を特定し、鯨類のなかでも特にヒゲクジラでTSG遺伝子に正の選択が多くみられ、また遺伝子回転率が高い傾向を明らかにした。
第28回 2022年7月14日
Dave Dalton. 2022. How evolutionary biology can explain why human and a few marine mammal females are the only ones that are menopausal. Journal of Theoretical Biology 2022, 111123
https://doi.org/10.1016/j.jtbi.2022.111123
哺乳類6400種のうち、ヒトと鯨類4種のみが更年期をもつことが分かっている。閉経の適応的意義としては高齢雌が若齢個体の保育に関わることで生残率を高める仮説が有力であったが、同じく高寿命のゾウやヒレナガゴンドウには適用できない。著者は雌雄の寿命差が30%ある場合、結果として雌の更年期をもたらすと主張した。
第27回 2022年6月17日
Skern-Mauritzen et al. 2022. Marine mammal consumption and fisheries removals in the Nordic and Barents Seas. ICES Journal of Marine Science 2022, 0, 1–21
https://doi.org/10.1093/icesjms/fsac096
北東大西洋に生息する海生哺乳類複数種について、個体数、滞在時間、食性、栄養要求などから捕食量を算定し、同海域における総漁獲量との比較から、漁業との競合について調べた。また捕鯨禁止後の個体数増加と分布拡大の影響についても議論した。
第26回 2022年6月2日
Inamori et al. 2022. External morphological and molecular evidence of natural intrageneric hybridization between common and Indo-Pacific bottlenose dolphins (Tursiops truncatus × T. aduncus) from Japanese waters. Mammal Study 47: 133-140 https://doi.org/10.3106/ms2021-0039
太地町森浦湾に来遊したハンドウイルカ1頭の外部形態やDNAミクロサテライトの分析から、ハンドウイルカとミナミハンドウイルカ両方の特徴を有し、両種のハイブリッド第1世代(F1)個体であることが分かった。
第25回 2022年5月12日
Pendleton et al. 2020. Using modelled prey to predict the distribution of a highly mobile marine mammal. Diversity and Distributions:1612–1626
https://doi.org/10.1111/ddi.13149
夏季ボーフォート海に来遊するホッキョククジラの空間分布推定。長期目視調査によるクジラの分布データを在・不在に変換、BRTとMaxentにより分布と生物・物理環境との関連を調べた。クジラの餌生物分布はBIOMASモデルにより推定し、さらにその他の物理環境データとともに分布モデルの変数とした。以上の結果、海底地形と動物プランクトンも密度が同海域のホッキョククジラ分布に強く関連していることが分かった。
第24回 2022年4月21日
前回論文の補足。空間分布モデルや個体群モデルの検証に必要なシミュレーションデータの作成方法についてデモンストレーション。
第23回 2022年4月7日
Boyd and Punt 2021. Shifting trends: Detecting changes in cetacean population dynamics in shifting habitat. PlosONE 16: e0251522
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0251522
シミュレーションデータを用いて、個体群動態と空間分布の統合モデルの性能を比較。密度推定モデルにはライントランセクト法と標識再捕法、個体群動態には指数関数モデルと二項分布モデル、さらに生物情報の組合せを用いてモデルの推定精度を検証。環境変動と個体数減少トレンドが交絡している場合、複数モデル・情報の統合によってのみ高い精度で個体数とトレンドが把握できることを示した。
第22回 2022年3月24日
Bortolotto et al. 2021. Alternative method for assessment of southwestern Atlantic humpback whale population status. PlosONE 16: e0259541
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0259541
南西大西洋のザトウクジラについて個体群動態を推定。過去にSIRを用いて同様の推定がなされているが、今回最近の個体数推定値、個体群成長率の情報が追加されたことから、状態空間モデルとMCMCの導入より、個体群動態推定のアップデートを図った。とくに個体群成長率を事前情報として用いたことにより、個体数時系列の高い精度での推定に成功した。
第21回 2022年3月9日
Gavrilchuk et al. 2021. Foraging habitat of North Atlantic right whales has declined in the Gulf of St. Lawrence, Canada, and may be insufficient for successful reproduction. Endangered Species Research 44: 113–136
https://doi.org/10.3354/esr01097
北大西洋産セミクジラの生息域縮小との関連を明らかにするため、カイアシ類の分布・生物量情報をベースにした生物エネルギーモデルを構築した。カイアシ類のデータからINLA(水平)とGAM(鉛直)を組合せで3次元分布を、さらにクジラの栄養要求や行動に関する文献値を用いて、生息地適度を計算した。その結果、近年の餌の不足が本種の繁殖に影響していると考えられた。
第20回 2022年2月25日
Maro'n et al. 2021. Patterns of blubber fat deposition and evaluation of body condition in growing southern right whale calves (Eubalaena australis). Marine Mammal Science 37:1309–1329
https://doi.org/10.1111/mms.12818
アルゼンチン・バルデス半島に来遊するミナミセミクジラ個体群には仔クジラに死亡率の高い年と低い年があり、栄養状態が死亡率に影響している可能性がある。仔クジラの各部位から皮脂厚を測定した結果、死亡率が高い年と低い年とでは差がみられなかった。一方、部位ごとには明瞭な違いが見られ、流線形の体形との関連が示唆された。
第19回 2022年2月10日
Genu et al. (2021) Evaluating strategies for managing anthropogenic mortality on marine mammals: an R implementation with the package RLA. Frontiers in Marne Science 8. Article 795953.
https://doi.org/10.3389/fmars.2021.795953
欧州の鯨類保全管理政策を背景にMSEに基づく個体群管理の必要性が高まってきているが、一方でモデル構造やオプション設定が複雑であるため専門家以外には取り扱いが難しい。そこでRパッケージを開発し、簡便にMSEを実行できる環境を提供する。同パッケージを用いたPBRとRLA管理をMSEで評価した事例を紹介。
第18回 2022年1月20日
Nishimura et al. (2021) Morphological differences in skulls and feeding apparatuses between Antarctic (Balaenoptera bonaerensis) and common (Balaenoptera acutorostrata) minke whales, and the implication for their feeding ecology. Canadian Journal of Zoology. 99: 1067–1079.
https://doi.org/10.1139/cjz-2020-0237
ミンククジラとクロミンククジラの頭骨や摂餌関連形態を測定・比較し、また濾水能力の推定値を種間比較した。この結果、両種間にはいくつかの部位で形態的な差異が認められ、オキアミを主に利用するクロミンククジラと、魚類を利用するミンククジラの摂餌戦略に関連していると考えられた。
第17回 2021年12月16日
Álvarez-Varas et al. (2021) Green, yellow or black? Genetic differentiation and adaptation signatures in a highly migratory marine turtle. Proceedings of the Royal Society B 288: 20210754.
https://doi.org/10.1098/rspb.2021.0754
アオウミガメ2形態型間の遺伝構造の評価と生物・生理特性に関連する遺伝子の特定を試みた。太平洋中南西部(黄色)と中北東(黒色)の集団間で遺伝的分化を認めたほか、低水温体制や色素形成など生理機能に関する遺伝子を特定し頻度の違いを考察した。
第16回 2021年11月25日
Syme et al. (2021) Dynamics of cetacean mixed-species groups: a review and conceptual framework for assessing their functional significance. Frontiers in Marine Science 25: article 678173.
https://doi.org/10.3389/fmars.2021.678173
鯨類の混群に関する203の論文をレビューし、混群の“mixed-species group”への用語統一を提唱。また混群の定義に関するガイドラインを提唱。将来の課題として、UAVや電子タグを用いた詳細な行動観察の可能性について議論した。
第15回 2021年11月10日
Virgili et al. (2021) Towards a better characterisation of deep-diving whales’ distributions by using prey distribution model outputs? PlosONE 16: article e0255667.
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0255667
動的な生態系モデルのひとつSEAPODYMを用いて基礎生産量から潜在的な餌の分布を推定。水温などの環境変数と餌の情報を用いた分布モデルからアカボウクジラの分布推定を試みたが、結果的に餌の影響は認められず、モデルの改善が必要と考えられた。
第14回 2021年10月28日
Avila et al. (2020) Humpback whales extend their stay in a breeding ground in the Tropical Eastern Pacific. ICES Journal of Marine Science 77: 109–118
https://doi.org/10.1093/icesjms/fsz251
Gorgona国立公園において長期に亘り蓄積されてきた目視データから、沿岸海域への滞在時期・期間を調べた。過去数十年の間に、来遊時期が1月ほど早まっており、これは摂餌海域における氷床融解が年々早まっていることが原因のひとつと考えられた。
第13回 2021年10月14日
Kanaji et al. (2021) Multiple-model stock assessment frameworks for precautionary management and conservation on fishery-targeted coastal dolphin populations off Japan. Journal of Applied Ecology 58: 2479-2492.
https://doi.org/10.1111/1365-2664.13982
第8回勉強会の補足として、資源動態モデルの基礎について紹介。シンプルな線形モデルから、指数関数、ロジスティックモデル、年齢構成モデルへと導く考え方を説明しつつ、日本周辺の小型鯨類資源評価の結果について紹介。
第12回 2021年9月30日
Mitani et al. (2021) Mitochondrial DNA haplotypes of killer whales around Hokkaido, Japan. Mammal Study 46:205-211.
https://doi.org/10.3106/ms2020-0072
北海道沿岸に生息するシャチについて、ミトコンドリアDNAのDループとシトクロムb領域を分析。北米沿岸の個体群と比較した結果、これまで知られていたtransient型以外のresident型またはoffshore型エコタイプの存在が示唆された。
第11回 2021年9月9日
Manger et al. (2021) Amplifcation of potential thermogenetic mechanisms in cetacean brains compared to artiodactyl brains. Scientific Reports 11: article 5486.
https://doi.org/10.1038/s41598-021-84762-0
鯨類の脳が大型化した理由として、水中での熱発生機能に着目、免疫組織科学的手法により脳の皮質領域におけるニューロン、グリア、ブトン密度を測定した。これらの密度が近縁種よりも多く、神経細胞による発熱機構が脳の大型化に関連すると示唆。
第10回 2021年8月26日
Milmann et al. (2021) New genetic evidences for distinct populations of the common minke whale (Balaenoptera acutorostrata) in the Southern Hemisphere. Polar Biology 44: 1575–1589
https://doi.org/10.1007/s00300-021-02897-2
ドワーフミンク、ミンクについてmtDNAとmsDNAを用いて系統解析。大西洋ミンクと南大西洋のドワーフミンクは系統樹で同じクレードに含まれたが、太平洋ミンクと南太平洋のドワーフミンクはそれぞれ系統的に異なると考えられた。
第9回 2021年8月11日
Pampoulie et al. (2021) Evidence of unidirectional hybridization and second-generation adult hybrid between the two largest animals on Earth, the fin and blue whales. Evolutionary Applications 14, 314-321.
https://doi.org/10.1111/eva.13091
遺伝子マーカーを用いたナガス・シロナガスハイブリッドの分析。ハイブリッドの多くはオスのナガスとメスのシロナガスを親とし、またハイブリッドとオスのナガスによる第2世代の存在から、シロナガスの繁殖機会損失と個体群回復への影響を懸念。
第8回 2021年7月21日
Punt et al. (2020) Robustness of potential biological removal to monitoring, environmental, and management uncertainties. ICES Journal of Marine Science 77: 2491–2507.
https://doi.org/10.1093/icesjms/fsaa096
PBRに基づく混獲管理をMSEの枠組みで再評価。FR=0.5とした場合、多くのケースで目標資源レベルを達成できるが、catastrophicな減耗や規制の異なる複数国による漁業では、想定以上の資源減少を引き起こす可能性がある
第7回 2021年7月8日
Hudson et al. (2021) Measurement of cortisol in blow samples collected from free-swimming beluga whales (Delphinapterus leucas). Marine Mammal Science 37: 888-900.
https://doi.org/10.1111/mms.12779
野生下で遊泳中のベルーガから採取した噴気サンプルのコルチゾール測定を行った。採集自体は成功したが、希釈マーカーとしての尿素の有用性を検証できず、生理学的な分析にはまだ課題がある。
第6回 2021年6月24日
García-Vernet et al. (2021) CpG methylation frequency of TET2, GRIA2, and CDKN2A genes in the North Atlantic fin whale varies with age and between populations. Marine Mammal Science 37: 1230-1244.
https://doi.org/10.1111/mms.12808
北大西洋のナガスクジラにおける、年齢や母集団によって異なるTET2, GRIA2, CDKN2A遺伝子のCpGメチル化頻度を調べた。いくつかのCpG領域、メチル化と年齢とに有意な相関がみられた。
第5回 2021年5月27日
Bamford et al. (2020) A comparison of baleen whale density estimates derived from overlapping satellite imagery and a shipborne survey. Scientific Reports: article 12985.
https://doi.org/10.1038/s41598-020-69887-y
高解像度衛星画像を用い、画像を目視確認することでヒゲクジラの密度推定を試みた。通常の船舶目視調査による推定結果に比べて、密度の過小評価傾向が見られたが、海況による見落とし率で補正すれば衛星画像による推定値も同等の推定結果が得られる。
第4回 2021年5月13日
Charif et. al. (2020) Phenological changes in North Atlantic right whale habitat use
in Massachusetts Bay. Global Change Biology 26:734–745.
https://doi.org/10.1111/gcb.14867
受動的音響観測(PAM; Passive Acoustic. Monitoring)によりタイセイヨウセミクジラの来遊量変動を推定した。来遊時期の変動は、長期の気候変動に関係することが示唆された。
第3回 2021年4月21日
Rosel et al. (2021) A new species of baleen whale (Balaenoptera) from the Gulf of Mexico, with a review of its geographic distribution. Marine Mammal Science 37: 577-610.
https://doi.org/10.1111/mms.12776
メキシコ湾に生息するニタリクジラ様鯨類の遺伝、外部形態、分布情報に基づく
種としての再検証した結果から、外洋性で大型の個体群をBryde‘s、沿岸性で小型のものをEden’s whaleとすべきと結論。
第2回 2021年4月4日
Cabrera et al. (2019) Fin whale (Balaenoptera physalus) mitogenomics: A cautionary tale of defining sub-species from mitochondrial sequence monophyly
Molecular Phylogenetics and Evolution 135: 86–97.
https://doi.org/10.1016/j.ympev.2019.02.003
世界の各海域から収集したナガスクジラサンプルのミトコンドリアDNA分析から、本種の系統関係を再検討した。
第1回 2021年3月26日
García-Barón et al. (2020) The value of time series data for conservation planning. Journal of Applied Ecology 58:608-619.
https://doi.org/10.1111/1365-2664.13790
長期データを用いた鯨類・海鳥の空間分布マップ、漁業努力量の空間分布マップをMarxanで分析することにより海洋保護区の有効性を評価した。長期の観察データが保護区の設置・検証に役立つことを強調した。